サマラ/Samara

(4人でインスト込み40分ほど)
【概要&ルール】
あなたたちはサマラと呼ばれる集落にどんどん建物を建て、発展させていきましょう。集落が完成した暁に最も貢献していた人が勝者です。
手番には以下のいずれかを行います。
・道具の獲得
・建物タイルの獲得
・新規ワーカーの獲得
・ワーカーのスタック
・パス
道具の獲得と建物タイルの獲得は、取るものが異なるだけで必要なコストは同じです。獲得したい道具や建物のメインボード上の何段目にあるかで必要なワーカー数が、何列目にあるかで必要な月数が決まります。
必要な数のワーカーを現在の月から取りたい道具の真下の月に動かします。

(上下逆でわかりにくいですが、NOWと書かれているのが現在の月、そこにワーカーが並んでいれば該当プレイヤーが手番を行います。2段目、1列目にある4と書かれた建物を獲得するには、ワーカーふたりを今の月からひと月分進める必要があります(FebruaryからMarchへ)。また2段目2列目にある小さいトークン(道具です)のどちらかを獲得するにはワーカーふたりをふた月分進めます)
新規ワーカーの獲得は、女性型のワーカーを月数ボードの一番端に移動させ、その横に新しいワーカーコマをおきます。
ワーカーのスタックは今の月にあるワーカーを自分のワーカーに重ねます。重なったワーカーコマはふたり分、三人分と数えますが、アクションはスタック単位で行い、スタックをわけることはできません。
全ての建物タイルがメインボードからなくなった際に最も勝利点(建物タイルに書かれた数字)を稼いでいたプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
キノさん、一味さん、カネコさん、僕の4人で。
勝利点である建物タイルを獲得するためには、建物タイルに書かれた道具を予め獲得しておく必要があるので、はじめの1,2手番は全員道具を取りに。
そして、1,2手番終わったくらいにみな気づきます。
「これ、アブストラクトじゃねえか!」
道具集めて建物建築,というボードゲームによくあるルールだったので気づきませんでしたが、テーマはあるものの運要素なしの公開情報のみです。といっても今回は4人プレイですし(最大5人まで)そこまでガチガチにはならないはず…。
建物によっては最大で6種類も道具は必要になりますし、必要になるならとりあえず集めるかーと真っ先に4種類集め、さらに建物獲得時に種類を問わなくなる特殊効果付きの大学も建築。道具についてはかなり有利になりました。
なったんですが、その頃には0~3種類の道具で獲得できる得点的においしい建物はもうなくなっており、「やっちまったー」と思ってました。
普通はというと変ですが、多くのゲームで獲得条件の厳しいものほど勝利点が高いのに対して、サマラでは必要道具数と勝利点は別に比例していません。必要道具数が6つでも、1つでも勝利点が同じ(かつ、建物に特殊能力無しというのも同じ)というのが結構あります。

(終盤。この人があれとってこれとって…とここまできたら終わりまではっきりしてます)
ゲームはじめる前にもっと建物タイルよく見ておけばよかったなあと思いながらも、最後に残った建物を得点の高い順にみなで取り合って終了。
必要道具数が4つ以上とかになると、僕以外に3人もいれば大抵必要な組み合わせで誰かは道具を持っているわけで、建物獲得に種類は関係なく、道具の数だけ求められるという大学の効果も録にいかすことができませんでした。
序盤からその時取れる建物をきっちりとっていった&ワーカーのパワーを上げる建物を多く獲得し取れない建物がなかったカネコさんが勝利されました(たぶん)。
【感想】
僕の苦手なタイプのゲームではありますが、主なアクションである道具や建物の獲得時にワーカーにかかるコストが独特で面白いゲームでした。
アクションごとにワーカーが数ヶ月(数マス)先まで移動して、その月まで時間が進んだらアクションが行えるというと、テーベの東などのアクションに時間経過が付いてるタイプのゲームのように思えますが(思ってましたし、ゲーム中だったかインスト中にそんな話もでましたが)、別に時間のかかるアクションの方が点数が高いというわけでもありませんし、終盤に行くに従って短い月数で手に入る建物タイルがなくなるため、時間のコストが徐々に少なくなる(※))というのが工夫のし甲斐があるというか、何が最善手か感覚的にわかりにくくなってて面白かったです。
※仮に3ヶ月目までタイルが空だとするとプレイヤー全員が4ヶ月目以降にワーカーを移動させるので、序盤では見た目どおりのコストがかかっていたところがマイナス3ヶ月のコストとなるので、終盤にとった方が時間コスト的には少なくて済む。ただし、終盤まで取られない前提の話なので、得点効率的には時間かけて先に取っておいた方がよいのか、それとも終盤まで取りにいかないほうがいいのかという、どっちが良いのか僕の頭ではようわからんことになります。
ワーカーのスタックもワーカー数減=全体のアクション数減かと思っていたのですが、アクション数は結局他人のワーカーより時間コストを使わなかったかにしか関係しないので、スタックして時間コスト小、ワーカー数コスト大のアクション実施するのも全然ありだったりと建物タイルの初期配置や他プレイヤーの手を見て…と、色々試せそうです。
上記のとおり、プレイし終わってからも、ああすればこうすればという思いはあるのですが、これはぶっちゃけ自分が普通のドイツゲームだと勘違いして遊んでいたからという気もちらほらしています。建物タイルではなく単に数字の書かれた板だったら、ノンテーマだったら、今のドイツゲームによくある「かけたコストがほぼ点数に反映される」という勘違いをしたようなプレイや見方は最初からしなかったでしょうし。
長考しようと思えば長考できそうではあるのですが、何が最も効率的かはほんとに終盤にならないと明確にはわからないんでサクサクととプレイできますし、プレイヤー全員で50手番くらいあるゲームの割りに初回プレイで公称通り4,50分で終わります。
見た目もかわいらしいですし、アブストラクトは苦手ではあるんですが、これくらいだったら僕はありです。
でも、アブストラクトだと思って挑んだらそういうの得意な人にまったく勝てる気しませんけどw。