スチームパンクラリー/Steampunk Rally

(インスト込み5人で80分ほど)
【概要&ルール】
誰のマシンが一番早いか勝負だ!ポンコツだから先に進めばぶっ壊れるマシンばかりだが、ぶっ壊れる端からまた作っていけば問題ないな。
ドラフトで手に入れたカードで自分のマシンを作りレースをするゲームです。
ゲームは以下の手順で行います。
1.カードドラフト&プレイ
このフェイズ開始時にマシンのカードと特殊効果カードを規定の枚数受け取り、1枚とって隣に残りをまわします。1枚とったカードはプレイして自分のマシンに追加するか、後で特殊効果を使用するために手札にするか、カードを捨ててサイコロや歯車を得るかを選択します。
回すカードがなくなるまで繰り返します。
2.レース
カードにはサイコロの出目に応じて自コマを移動させたり、邪魔なサイコロをどかせるようになったりと色々効果が書かれています。
ドラフト時に手に入れたサイコロを使いマシンの様々な効果を発動させて、移動効果分ボード上の自コマを移動させます。
その後、移動させたマスが荒れ地だったりしてダメージを受けていたならダメージ分マシンがぶっ壊れます(ダメージ分マシンからカードを捨てます)。
これを誰かのマシンがゴールするまで+その後追加1ラウンド行い、最も先に進んでいたプレイヤーが勝利です。
マシンの一例。

(黄色いイナズマ、赤い炎、青い風?のマークが書かれているところが振ったそれぞれの色のサイコロを置く場所。茶色地になんかアイコンが書かれているところが効果。サイコロの出目が書かれた吹き出しみたいなところが、出目いくらずつで効果が1回発動するか(星印は出目にかかわらず1回だけ)。
マシンに配置したサイコロは歯車を消費して出目を2ずつ減らして1よりも下にするか、マシンの効果で撤去することができ、再びサイコロを配置できるようになります。
このマシンは、上の2枚のカードで黄色と赤のサイコロ1個ずつから青いサイコロ4個を得て、右下のドリルのカードで青いサイコロの目5ずつで移動(ハンドルに羽がはえてるアイコン)効果を得たり、左中央のカードで青いサイコロ5ずつから移動か回復(盾アイコン)をしつつ青いサイコロをカードから撤去して進むというような作りになってます)
【プレイ内容】
カネコさん、キノさん、一味さん、タロ吉さん、僕の5人で。
マシンは全16種類から任意に1つずつ選びます。僕は飛空船モチーフのツェッペリンさんを「なんか飛んでて有利そう」という理由で選択。
キノさん:「空とんでるとかドリルとか、カードの絵は全てフレーバーで意味ありません」
なんだってー。
とりえあず、ツェッペリンさんは電球マーク付きカード(1ラウンドに1回ずつサイコロ無しで使える)で2移動できるので強そうではあります。他の人が選んだキャラクターがどんな能力を持っているか見てないんですが。
レースが行われるマップはボードを組み合わせて作るタイプで今回はスタート直後に遠回りだけど安全な道と、近道だけど5ダメージ受ける道の選択があります。
最初のドラフト時に手に入れたカードが青いサイコロが3つ配置可で、出目の合計5ずつで1マス”素晴らしい移動”ができるものだったので、それをガンガンまわしていくことに決定(”素晴らしい移動”は移動ルート上にある岩などからのダメージを無視できる効果)。
ドラフト後に振ったサイコロも合計16と最高の出目でキャラ能力の2移動とあわせて5マス移動してトップに立ちます。

(これが)

(こうなってドリルがついて)

(こうなる! カード追加はノーコストですし、元々あったのを移動させるのも自由です)
僕のはキャラ能力で移動がついてましたが、どうもそうでないキャラもいるようで僕とキノさんが進んだだけで他のみなさんはまだスタート地点で足踏み。カード&サイコロの出目次第で1歩も進めないとかどんだけオンボロマシンなのか(作り方が悪いとかいう話ではなく。デフォルトでオンボロがそろってる模様)。

(2ラウンド終了時)
カード効果が発揮されるのはサイコロが置かれたそのラウンドだけで、再度、効果を得るにはいったんサイコロをどけた上で、またサイコロを得て、振りなおして配置するという手順が必要になります。サイコロをどけるには、ドラフト時にカードを捨てることで得られる歯車を使い、サイコロの目を2ずつ減らしていく必要があります。さっきの僕のサイコロの目は合計16だったので歯車8個が必要になります。カード1枚捨てて得られる歯車は2つ、1ラウンドのドラフトで得られるカードは4枚ということで1ラウンドまるまるサイコロの除去にあてることになります。
マシンの効果で出目にかかわらずサイコロをどけるというものもあるので、そういった効果のカードがまわってくればもちろんそのほうが良かったのですが、残念ながらまわってこず。
僕が通ったショートカットコースを通常の移動で通ると5ダメージもくらう(マシンから5枚カードがひっぺがされる)ので、これはなかなか追いつけないだろうということや、1ラウンド目にかなり進んできてたキノさんもしばらくは休まないとダメだろうと思ったことで余裕をこいていたのですが、キノさんが早い!
マシンのライフはダメージでマイナス方向に進むだけでなく、回復という効果でプラス方向にも伸ばせます。キノさんは回復カードを多めに入れることでダメージを相殺しつつ、必要コストの低い通常移動で先に進むという戦術。
僕もサイコロ除去の特殊効果のカードをようやくマシンに組み込んだりして追いましたが、とにかく追いつけません。
これにも理由があって、サイコロはカードの効果でも得られますが、得たサイコロはラウンドを持ち越せないのでカード効果で得るにもきっかけとなるサイコロが必要で、このサイコロを得るにはドラフトでカードを捨てないとなりません(歯車との2択です)。
で、サイコロは3色あるんですが、カード捨てても、そこに書かれた特定の1色しか得られないようになっており、僕が必要としていた青色サイコロは他のひとたちとも被っていたので、なかなか必要なサイコロを得られないのに対して、キノさんが主力にしていた黄色サイコロは需要が少なく、ドラフトで誰にも絞られなかったんです。
そんなこともあって、どんどんキノさんが進むのに対して、かなり離されて進む残りのみんなという形になってきたとこで、
キノさん:「カード上に置かれた3以下のサイコロを全て除去する特殊効果カードを使います」
要は歯車10個分とかをカード1枚で代替する能力で、ただでさえダントツなのにそんなの使われたら勝ち目ないわーと思っていると、やけになったのか一味さんがマシン壊れるのも関係ないとばかりに進み、マシンがコクピットだけという姿に。
一味さん:「脱出装置でさらに移動!」
なんと3枚以上カードが壊れたら、2マス先に進む特殊効果カード!

(どーん)
一味さんは最後尾だったのですが、これで一気に3位につけます。
黄色サイコロがキノさんに渡らないよう絞ったのか、キノさんの運が悪かったのかちょっと進むスピードが落ちたキノさんを残りのみんなで猛追。カネコさんのマシンは猛追しすぎてマシンが全部ぶっ壊れたりしましたが、キノさんはそのラウンドでゴール。
後は最終ラウンドを残すのみ。キノさんとの差は2マスと追い抜くのはまだ無理な距離ではない!
キノさん:「また3以下のサイコロを除去できる特殊カード使いますw」
今回のドラフトでまた引いたとのことでしたが、これでキノさんマシンはフルパワーで移動できるようになったわけで、これはかなわんと大半のプレイヤーが諦める中、いったんはコクピットだけになりながら、こつこつと作りなおしたマシンをまたぶっ壊しながら先に進む一味さんのマシンが!そして、また脱出装置を使いなんと合計8マスも移動!(スタートからゴールまでの距離が20マスくらいのゲームです)

(どーん)
逆転か!とも思われましたが、フルパワーのキノさんも7マス進んでおり、そのままキノさんが一位となりました。

【感想】
見た目で期待する馬鹿らしさとワクワクにちゃんと応えてくれるゲームでした。
マシン組み立てるだけでかなり楽しいのですが、その上で、こっちのカードを起動させるためのサイコロはこっちで融通して、そうするとこのカードも使えるようになるから、歯車を使ってここのサイコロ除去しないと…と、毎回資源が足りない足りないと言いつつ、手元のカードでやりくりを考える、ちゃんとゲームとしての面白さもあり、正直、驚きました。
カードをマシンに追加するのにリソースなどは不要でとにかくパーツを毎ラウンド気軽に追加できることができるというのがポイントで、ぶっ壊れようがうまく作れてなかろうが、次のラウンドになればまたパーツをくっつけてなんとか形にできてしまうのが、ゲームとしてもセーフティになってますし、オンボロマシン感が出ててテーマともあっているしで最高でした。
僕はいったん作ったマシンにこだわりすぎて、非効率になってしまったようにも思いますし、たぶん、適度にぶっ壊してその部分のサイコロ除去にかけるリソースを減らすというのが正解なのではないかと思います。もちろん、素直に歯車でサイコロ除去したほうが効率的な場合もあるでしょうが。
残念なのは、ドラフトからのカード追加も、その後のレース部分も全プレイヤー同時解決なので他人が何をやってるかが全くわからないところで、せっかく一味さんのマシンがコクピットだけになっても、カネコさんのマシンがいつの間にか僕のマシンの倍くらいの大きさになっていても、案外気づかないままゲームが進んじゃいます。
かといって同時解決をやめるとたぶんプレイ時間はとんでもなく長くなってしまうので仕方ないことだとも思うのですが…。
(今回キノさんが使ったカードみたいに)一部の特殊効果カードが強い気はするんですがドラフトゲームなので絞ればいいですし、ハチャメチャを楽しむゲームなので、これ強いだろ!というのも含めて楽しめばいいかなと(まあ、だからこそ他人が何やってるか全くわからないのが致命的に残念ともいえるんですが)。

(ちなみにキャラは16種類から選べますw 絵柄が異なるだけでなく初期能力は一応ユニークです)