オートマニア/Automania

(4人でインスト込み2時間強)
【概要&ルール】
あなたは自動車メーカーの社長です!エコ重視、スピード重視などなど市場のニーズに応えるために工場に手を加えたり、優秀な社員を雇い、良い車を作っていきましょう。
手番ごとにワーカーを消費してアクションを行い、自動車を作って、それを毎ラウンドアメリカ市場か、ヨーロッパ市場に販売することでお金や勝利点を得ます。
システムは炭鉱讃歌の変則的なワーカープレイスメントというか、可変のアクションポイント制というかです。
1金の車を作る、2金の車を作る、3金の車を作る、契約カードを取るの4つのアクションから1つを選び、メインボード上の該当アクション部分にワーカーを置くのですが、既に別プレイヤーがそのアクションを行っている場合、置かれているワーカー+1を置かなければなりません。その際、置かれていたワーカーは持ち主の元に戻り、再度使えるようになります。
アクションはメインボード上に縦横に4×4のマトリクスを作るように配置されており、アクション実行時に、選んだアクションの行、または列に置かれているタイル(工場の改修または技術者など)も獲得できます。

(アクション選択のマトリクス。ハンドルの書かれたタイルが取りたければ、縦に並んだアクションの1金の車を作るか、横に並んだアクションの2金の車を作るのどちらかを選ぶ必要があります。ワーカーはいずれにせよ3体必要です)
この時、車を作るアクションを選択した場合、自分の工場(個人ボード)に配置されたタイルによってどのような車ができるかが決まり、それを北米かヨーロッパのどちらの市場に出荷するかで各市場のニーズによって価値が決まります。

(この工場の場合、コンパクトカー(アクションでは1金の車)を作ると、濃い紫のベルトコンベア上にあるエコとなんか人の顔っぽいタイルの能力+カスタムマフラー+ウィングをもった車になり、スポーツカー(3金の車)を作ると、白色のベルトコンベア上にある星2つと顔っぽいやつの能力を持った車になります)

(で、これが市場とそのニーズです。ステアリングの能力を持つ車なら星が+4されます)
アクション選択時にパスを選択したら、次ラウンドの手番順を(空いてるものから)選び、そのラウンドからは抜けます。
全員がパスしたら、各市場に出荷された車を星の多い順に、どの価格+勝利点で売るか、または売らずに残すかを選び、その後、アクション選択時にもらえるタイルの補充などを行い、規定ラウンド繰り返します。
規定ラウンド終了時に、最も点数が高いプレイヤーが勝利です。
【プレイ内容】
如月さん、ねんそさん、キノさん、僕の4人で。
1ラウンド目の最初は金もないし、工場もスッピン状態なのでまずは金と工場の強化をやらんとなと、まずは金を獲得するサブアクション(アクション選択時にワーカーを捨てれば1金もらえます)の効果をあげる技術者を獲得、その後は、ニーズに関係なく星印を稼げるウィングを取りに行きました。
まあ、星が稼げるからとかいうよりも、ウィングをコンパクトカーにつけたかったから取ったんですがw。
タイルのついでに車作るアクションがついてくるのか、車作るアクションのついでにタイルがもらえるのか、それは人それぞれなわけですが、それでもアクションは他人に選ばれてもワーカー積めば行えるのに対して、タイルは先に取られたら終わりなので、欲しいタイルがあれば、僕はタイル優先でアクションを選択していきました。
北米市場とヨーロッパ市場の違いは、販売時に北米がお金重視、ヨーロッパが勝利点重視なことと、出荷時にやや北米のほうが勝利点が多い(一定以上の星数の車なら北米が1点高い)です。
タイル優先だろうとアクションは必ず選択され、大抵の場合は車を作るので、大した星の数じゃなくても出荷はできます。お金ないし、北米市場かな~とのんびり構えていたのですが、最初のラウンドでねんそさん、如月さん、僕の3人が北米よりに出荷した結果、キノさんがヨーロッパに車をうった際の高得点ボーナスを独占して一気に飛び出ることに。
更に最初からヨーロッパのニーズ重視でタイルを集めていらしたため、2ラウンド目でも1ラウンド目と似たような展開になりそうな雰囲気が!
これはおえんと技術者の能力で金を稼ぎやすい僕は方針を変えて、ヨーロッパのニーズにあったタイルを集めたりとヨーロッパ市場向けに工場を作っていきました。
ニーズは1ラウンドに1つずつ更新されていくのですが、逆に言えば、1つしか更新されないということでもあります。
最初にどばっと工場を市場のニーズを合わせてしまえば、各ラウンド1つずつタイルをニーズにあうように変えていくだけで星の数は維持できてしまいます。
そんなわけでキノさんがヨーロッパ向けに高い星印の車を作れる状況は変わらないのですが、邪魔はしておかないとと僕&如月さんがヨーロッパ市場に参入(如月さんは、車種でうまいこと北米向けとヨーロッパ向けを両立できるような工場にされてたようですが)。
僕は最初、見た目が面白いからという理由でコンパクトカーにウィングを付け、その後も、マフラーをつけれるようにしたりとコンパクトカー重視だったのですが、コンパクトカーは1金と最も安く作れる代わりにベルトコンベア上におけるタイルが2つと最も少なく、要は星の数を稼ぐのに向いていません(各市場ともニーズは3つ表示されるので当然3つタイルを配置できればニーズと合致した際の星が全部もらえるのに対してコンパクトカーではどうあがいても2つしか合致させようがありません)。
※工場は実は両面使用で、今回は全員同じ表面を使いましたが、裏面を使えば各社コンベアの配置が異なるなど、上記は当てはまりません。
しかし、今からコンパクトカー以外の車種で星が稼げるように工場を作り変えるのは、さすがに間に合いません。ということで、星の数をあげる技術者を取ったり、一時的に星の数をあげるサブアクションにワーカーをつぎ込めるようワーカー数を増やす技術者を取ったりと、別の方面で星印を増やす努力をしてみました。
それで若干は止められていたのですが、完全に3つともニーズと合わせてくるキノさんの車に高得点ボーナスのいくつかは取らせてしまわざるをえず、得点はキノさんが常に先頭を突っ走ってました。
こうなれば、契約カード達成時の得点で巻き返すしかないと契約カードを積極的に取りに行ってみますが、上述の通り、我が社主力のコンパクトカーでは星の数に限界があり、高い星を要求する契約は達成が難しく、また、エコだの積載量だの車の能力を要求する契約は契約達成するにはニーズと合わない車を作らないとダメだったりで、なかなか取れずと八方塞がりなことに。
スポーツカーだったり、ステーションワゴンだったりすればまだ工場に余裕があるのですが、そうはいっても、キノさんは主力がステーションワゴン、ねんそさんはスポーツカー、如月さんはステーションワゴンとスポーツカーと、コンパクトカー重視路線から変更したら変更したで、みんなと被ることになって契約カードの取り合いが熾烈なことになってただけだとも思うのですが。
如月さんは臨機応変に工場を改修して、出荷市場を変えつつ、契約をどんどん達成していくスタイル、ねんそさんはスポーツカー&北米特化ですが、特化故に星の数が多い契約も比較的楽に達成できる工場になっており、その種の契約をうまく達成されていました(最序盤でかなり星の数の多い契約取られて、「これ、どうやって達成するの?w」と仰っていましたが、終盤に見事達成されてました)。
えーーい、それならばと、僕は得点付きのタイルを集めることにシフトして悪あがきしてみましたが…。
やはり車の販売でも負け、契約達成でも負けては勝てるはずもなく最下位で終了。トップは最後の最後、契約達成点でまくられた如月さんが勝利されました。

(終了直前の販売の様子。北米市場は赤のねんそさんが強く、ヨーロッパには緑の僕と黄色のキノさんが大量に車を出荷してます。青の如月さんは両方と色々特色が出きました)
【感想】
ワーカーを追加すれば既に選ばれたアクションを選択できたり、そのせいで、手元にワーカー戻ってきたりと、先の展開を予測するのは難しくはありますが、 ラウンド開始時のタイル配置が終わってから、ラウンドの間はアクション選択に運要素はなく、人の思惑を読み合いつつのキリキリとした展開が楽しめるゲームです。
アクションに1対1でおまけがついているというわけでなく、そのアクションに対応する行/列からタイル(おまけ)を選べるというシステムなので、欲しいタイルが取られなくとも、都合のいいアクションを抑えられたり、反対に、やりたいアクションは残ったけど、狙ってたタイルは別アクションを選んだ他の人に取られたりと、人と絡みやすくなってるアクション選択の形式が非常に良いできだと思います。
といっても、洗面器ゲームのように苦しい展開が続いたり、やりたいことが思うようにできないという展開の重さがあるわけではなく、受ける印象はむしろファミリー向けというか、それを抑えられると辛くはあるけど、別にこちらの選択肢でも構わないわというゆるさ、遊びやすさの方が目につきます。
契約達成や他人の車を上回るのに多少星が足りなくても、ワーカーを捨てて星追加できますし、金もワーカー捨ててもらえるので融通はかなり効きます。たぶん、どうにもこうにも行かないのは、欲しいタイルが先に取られてしまうことだけだと思います。
それでも、オンリーワンのタイルはありませんし、ゲーム全体で抜け道が用意されている、プレイしやすいゲームです。

(終盤になると星追加のために塔になるほど大量にワーカーが捨てられますw)
逆にいえば、それだけではぬるいゲームになるところを、アクション&タイル選択部分のシステムのおかげで引き締まったゲームになっているといえます。
一方だけでは厳しすぎ、一方だけではゆるくなるところがうまくバランスとられてるかなと。
他にも、販売台数に制限あるのも、もっと売りたいのにーと制約になることもあれば、その制限のおかげで余るワーカーを贅沢に捨てて星や金に変えられたりと判断を思い切れたりと、ほんと同じルールでもコロコロと自分の中で感じ方が変わって面白いです。
また、タイル獲得を考えれば先手番が有利ではあるんですが、どのタイルもオンリーワンではありませんし、よほど星の数で差をつけない限りは出荷後に後手番の人に被せられたりと、本当にゲーム中の大抵の要素で「どちらが有理か一概には言えない(けど、どの選択でも有利さは感じるので気分よくプレイできる)」ゲームになってます。
難を言えば、契約カードの引き運だけはどうしようもないので、どんなにうまくゲームを回していたとしても、そこだけで負けてしまうこともあることです。一応、何枚かオープンされたカード+山札からのいずれかから選ぶ形式なので、運は軽減される作りではあるんですが、作れる車のバリエーションに対していえばオープンされるカードの枚数は圧倒的に少ないので、まあ、運を感じるのは仕方ないかとも思います。プレイ時間は伸びますが、全カードから好きなの選ばせてもいいように思うんですが。
今回、僕がコンパクトカーにウィングつけてやったーとかやってますが、ゲームの勝ち負けと関係なく、うちの工場ではこんな車作るぜーとやれるのも楽しく、良い点かなと思います。それやっても、勝負には絡めますしね。