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オリエント急行殺人事件ゲーム/ Orient Express

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(4人でインスト込み1時間ほど)

【概要&ルール】

あなたは探偵です。たまたま乗り合わせたオリエント急行内で殺人事件が発生したことを知ったあなたは解決に乗り出しました!これまたたまたま乗り合わせた他の探偵よりも早く事件を解決してみせましょう。

謎解き系の推理ゲームです。オリエント急行内の様々な場所に移動して、関係者への聞きこみや場所の調査を行い、殺人事件の犯人を当てるのが目的です。

プレイヤーは手番にサイコロを振り、出た目の数だけ移動します。そして移動した先の部屋、もしくは部屋にいる人に関する情報ペーパーを見ることが出来ます。この時、情報ペーパーは参加者全員に公開されます。
ただし、サイコロの目、1~6のうち、1と6では移動できず、その場にとどまります。この場合にも、その場所に関連する情報ペーパーを見ることが出来ますが、この場合のみ、自分一人で見ることになります。

こうして情報を集めて答えがわかったなら、その旨を宣言してゲームから抜けます。規定ラウンド経過して列車がイスタンブールに到着するか、プレイヤー全員がゲームから抜けたなら解答を確認し、正解者の中で最も早くゲームから抜けていたプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

このゲーム、前々から気にはなっていたのですが、訳してしまうとその当人は遊べなくなる類のゲームなのでちょっと手を出せずにいたところ、キノさんが日本語版を手に入れたとのことで、遊ばせてもらいました。
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(1985年発売のゲームで、発売後1987年くらいにかけて各国語版が作られたようです。日本語版はBGGには登録されていませんが、同じ頃に製造販売されたものと思われます。箱は英語版で内容物(ルールブックと情報ペーパー)が日本語化されています)

この日集まったのは、キノ探偵、一味探偵、彼葉探偵、そして、ひだり探偵の4人。原作小説を持ってきたり、探偵っぽいハンチング帽を被ってきたりと形から入る名探偵たち。
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※ゲーム自体は舞台が同じというだけで、アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』とは事件内容も犯人も違います。というか、ゲームには10のシナリオが入っています。(どのシナリオを遊んだかはふせます)

キノ探偵:「ルールブックのヒントによると、最初に医者のところに行けとありますね。医者からどこでどんな事件が起きたか教えてもらえと」

このゲーム、シナリオが別冊でついていたりはしないので、どこで誰が死んだかもよくわからないが、とにかく殺人が起きたぽいのでちょっと自分の名探偵ぶりを見せつけてやろうというよくわからない設定になっています。なのでプレイヤーたちはどこに調べに行くのが良いのか最初は全く指針がありません。

とりあえず、僕が初手番だったので医者に行こうかと思ったのですが、出たダイスの目が大きく、医者のところにいくと目があまりそうだったので、そちらは他の探偵さんに任せますといきなり客車にいる容疑者たちに聞き込みに行きました。
その次手番のキノ探偵も医者はスルー。そして、彼葉探偵がようやく医者のところに移動しましたが、

彼葉探偵:「情報は見ずに手番を終えます」
他探偵:「情報独り占めするつもりか!?」
彼葉探偵:「え?だってそりゃあそうするでしょ?」

移動してきてすぐに情報ペーパーを確認すれば、全員に公開されますが、移動した次手番以降に1か6の目を出して、その場にとどまれば自分だけが情報の内容を見ることが出来ます。
そう、我々は協力して事件を解く仲間ではなく、競争しあう間柄で、しかも、ゲーマーでもあるので、まあ、そりゃあ仕方ないとゲームを先に進めます。

しかし、その後、2,3ターンの間、1、6が出ずに医者の部屋に彼葉探偵は居座り続け、結局、諦めて別の部屋に調査に向かわれたのですが。

始まって5ラウンドもすれば、大体の事件の背景と犯人を特定するためにどういう情報を集めればいいかわかってきました。
わかってきたのですが、(原文からそうなのかもしれませんが)情報に書かれている日本語があいまいで何を言っているのかよくわかりませんw。情報をうまい順番で公開していけばまた話は違うのでしょうが、唐突に「さっき探偵に調べろと言われたXXを調べてきた」とか、「僕のAは○○だよ」とかの話が出てきて、え?いつそういう話になったの?と、とっさに何を言っているのかわからない話も出てきます。

しかし、ほとんどの情報は全員に公開されているので、全員がちゃんと理解しながら進めていては事件を解くタイミングが同じになってしまいます。そんなわけで、読む暇、考える暇もないくらいに手番の早回しが行われました。「いや、まだこの話わかってない…。こいつ何言ってんだーー?」「とにかくサイコロ振って下さい」というような。

詳しくはネタバレになるので書けませんが、「背の高い黄色い帽子を被った男の子の祖父」って背が高いのは誰なんだとか、そういう類のわからなさを落ち着いて解釈していく作業を各探偵行った結果、キノ探偵がまずわかったとゲームから離脱、その次ラウンドに彼葉探偵が離脱。僕と一味探偵は最後の最後、イスタンブールに着くまでわからんわからんと言っていましたが、僕はわからないなりに回答を書いて離脱。一味探偵はヒントもご覧になったようですが、それでもようわからんと回答を書かずにゲームから脱落。

そして、解答を見たわけですが、全員不正解。なんでだ?と解説を読むと…、

全員:「何言ってるかわからんw」

少しずつ噛み砕くように解読した結果、あー、なるほどと納得できましたが、事件の難しさというよりも日本語表現にやられた感じとなりました。

【感想】

移動はサイコロですし、(今回のシナリオに限れば)謎解きというよりも、「AはBの隣にはいない」「BはCの真正面」とかいう、いくつもの証言を組み合わせるだけで解答にたどり着くものだったので、ゲームとして面白かったかと言われると正直、NOです。

でも、楽しかったかと言われると、YES!なんですよね。オリエント急行という設定、徐々に明らかになっていく情報、規定の駅に止まると協力者から電報が届いて徐々に容疑者たちの正体が明らかになっていく展開、諸々トータルの雰囲気は素敵で、遊ぶ前の盛り上がった気持ちそのままで楽しく遊べました。

以前、一般的に推理ゲーム呼ばれる/名乗るゲームの条件は何か?というのをちょこっと考えたことがあります。
このオリエント急行殺人事件や先日遊んだワトソン&ホームズのような謎解き系のものや、クルーのように消去法で答えを導くパズルっぽいものなど、”推理ゲーム”と呼ばれるものには様々な形態のものがありますが、僕の結論としては、別にゲーム中に占める”推理”の度合いとかどうでもよくて、小説や映画、2時間ドラマといった推理(ミステリー)ものの雰囲気やテーマがそのゲームにあるかどうかで、”推理ゲーム”と呼ばれる/名乗るんじゃないのかと思ってます。
(もっとも、”推理”するゲームだから、そういうテーマを被せてることが多いってだけなのかもしれませんし、とある推理ゲームへのBGGでのコメントで「これは推理じゃなくてパズル。4点」というのも見たことあるんですけど)

そういう点で、オリエント急行殺人事件ゲームは(謎の出来はともかく)最高に近い楽しさの推理ゲームでした。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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