コンプレット/ Completto

(4人でインスト込み15分ほど)
【概要&ルール】
自分の前のタイルをすべて昇順に並べるのが目的のゲームです。
コンポーネントは表に1~100までの数字が書かれたタイルのみ。セットアップ時に、すべて裏面にして、各プレイヤーの前に規定数並べます。
場に残っているタイルを取るときに表向きにします。
手番にできるのは、以下の2つのどちらか。
・場からタイルを1枚とり、自分の前のタイル列の裏向きタイル1枚と入れ替える。
・自分のタイル列から裏向きのタイル1枚をタイル列の任意の場所に移動する。
場からとって入れ替える際には、「既に表向きになっているいずれかのタイルと隣接していること」、「左から右に昇順になること」の制限があり、制限に引っかかるタイルは表向きのまま場に戻します。

(表向きになっているタイルに41より小さい数字がない場合に、2のタイルを引くとこうなります。2と41のタイルの間に裏向きタイルを移動してこない限り、3~40の全てがタイル列にいれられず場に戻すことになります。
(※2016.8.19追記)上記の隣接してないとダメというルールは僕が購入したお店が添付してくださっていたルールの翻訳誤りで、本来のルールは隣接していない場所と入れ替え可能です。
が、↓のプレイ内容はその誤ったルール訳で遊んだものなので記述は消さずそのまま残してます。
【プレイ内容】
しまさん、一味さん、シミーズさん、僕の4人で。
シミーズさんだけが初プレイ、残りの3人は何回目かのプレイです。
セットアップで何枚か表向きのタイルを自分のタイル列に追加してスタート。
まあ、スタート直後はどんなタイルを引いてもタイル列に入れられるので、全員で引いては入れ、引いては入れを繰り返すだけで淡々とゲームは進みます。
3巡目くらいまでは、これ、面白いのか…?と初プレイ時には思ったのですが、これはこの後に続く悲喜交々の準備段階です。
表向きのタイルの数字はできるだけ連番で引けた方が良いのは確かですが、そうそううまく引けるわけもなく、25の隣が37とかぼちぼちとタイル間の数字の差が開いた場所ができていきます。
セットアップ時に61と83の間をタイル5枚くらい開けていたとして、63,65,68,70,71と引いた時、61側から見ればそれほど間の開いてない数字が続いてラッキーですが、83から見れば71までそれなりの間が開いてしまってるわけで、まあ、うまく行き過ぎてるくらいうまく行かないと、タイル間の数字は結構開いたところができてしまいます。
そうなると、1手使って裏向きタイルを移動してタイルを入れられる場所を作るか、それとも引き運を信じて引き続けるかですが、僕は少々間が詰まっても、中盤くらいまでは「こことここを引くとまずいけど、まだ開いてる場所は他にあるし」で、終盤は「どこを開けてもそこを引けるかは運次第だし」と、ガンガン引くタイプではあるんですが、今回のゲームでは4巡目くらいから37と45が隣接しているのに42を引いてきたり、67と71だったら間は3つだし大丈夫だろうと思ってたら見事に68を引いたりとなかなかの引きを見せてしまいました。
で、僕がタイル列に入らないタイルを引いてしまうと、そのタイルは表向きのまま場に残るわけで、下家のしまさんが美味しくそれを拾っていく展開に。
しかも、僕に入らないタイルはしまさんにとって連番になるタイルであることが何故か多く、いいトスをだす名セッターの名を獲得してしまいました…。連番になるタイルを自分のタイル列に入れると連続手番となり、もう1回好きにアクションを行えます。
つまり、タイルが入らなかった僕に対して2手分先行することになるわけです。
さらにこの日のしまさんの引きは素晴らしく、連続手番の2アクション目で引いたタイルでさらに連続手番が発生して3回連続アクションをするなどもう手のつけられない状態。
そして、あと1枚タイルが入れば勝利という状況になってから、どこを引く確率が高いかとみていたのですが、たくさんのタイルが残っていそうな場所ではなく、あえて2枚くらいしかタイルが残っていない箇所を選ばれて、
「ここに、ひだりさんから出てきたタイルが入ります」
と宣言。
この宣言当たる気がする…と思いつつも、僕には普通にプレイすることしかできません。次の僕の手番でまだまだ開きの多い僕のタイル列には無事タイルが入り、その代わりにそこにあったタイルを場に出したわけですが、しまさんは迷わずそのタイルを選択されて、表に返すと…、見事に宣言通りの数字!で勝利されました。
【感想】
不思議なゲームです。遊んで楽しいのは間違いないですし、何度遊んでもその面白さは変わることはないんですが、じゃあ、どこが面白いの?と聞かれると、特に目新しいとか工夫の効いているシステムというわけでもないので、なんなんだろうなあと思ってしまいます。
ゲーム自体はタイルを1枚ずつ引いて、自分のタイル列に入るか見て、入れば入れる、入らなければ場に戻す。本当にこれだけです。
プレイヤーにできるのは、待ちが多くなるように裏向きタイルを移動させるか、えいやっ!と引くの決断をするかの2つのみです。
しかし、そのシンプルさのせいか引きにまつわるジンクスや他人との絡みからの楽しさが倍増してますし、そういう作りになってます。
引きにまつわるジンクスというのは、例えば、左手で引くとか、誰それさんの前のタイルは引かないとか、確率的には違いはないんだけどもなんとなくこちらの方が良いタイルが引けるはず!というあれのことで、コンプレットもAさんのタイル列から出てきたやつはいいタイルなことが多い!(ように感じる)とか、そこをあえてBさんの前から引く!とか、俺は自分のとこから出てきたタイルを信じるぜ!とかとか。
コンプレットでは、セットアップ時にタイル列を自分の前に作りますが、その中で裏向きになっているものは自分のとこにありはせど、単にスペースを表しているだけで、別に数字タイルと別のものを使ってもシステム的に不具合はありません。(むしろ不便かもしれませんが)ボードを用意してその上にタイルを並べても変わりはないです。場にあるタイルも適当におかれてますが、山を作ってもかまいません。
でも、それでは、上記のような引くだけで楽しい、どこから引くかで盛り上がるということは起こらないんですよね。
このゲームならではの楽しさではあるもののぶっちゃけると他のゲームでもすぐに取り入れられる仕掛けではあります。例えば、カタンのダイスを複数用意して振る人に選ばせるようにしたり、なんらかのゲームの補充用の山札を4つくらいに分けて好きなところからとれるようにしたり。でも、それは本来そのゲームが提供しようとしている面白さとは異なる面白さ、楽しさですし、ゲーム本来の面白さをぼやけさす可能性もあります。
しかし、他要素を減らして、ジンクス的な要素の面白さに特化することで、思う存分それが楽しめる、コンプレットはそういうゲームになってます。
次に、他プレイヤーとの絡みですがめちゃくちゃシンプルな分、これもまたわかりやすく、しかも、プレイヤー全員が持つ公開、非公開の情報が全く同じなので、プレイヤー全員で絡みの共有、共感が容易にできる作りです。
本当に面白いんですが、誰かがタイルを引いて、それがその人のタイル列に入らないと、あっという間に、誰に拾われるか(個々人が自分に入るかどうかを確認してるだけともいえますが)の話がでてくるんですよね。
「あー、しまったー。はいらなかったー」
「お!よし16!? 俺のとこで連番になる数字!」
「いや、その前にBさんが拾えますね」
「ふふーん」
「Bさん、お仕事よろしくお願いしまーす」
みたいな話がぱぱっと出てきます。
連番になると連続手番というのがきいてて、人によってタイルの価値が異なるので、これまた盛り上がりやすくなってると。
こういうパーティー的な盛り上がりだけでなく、場に表向きにタイルが出された際、すぐに入れられないと数字であっても、他プレイヤーのタイルを確認して、いま開ければそのタイルが次手番にとれるのか、それとも、逆に、1人しかそのタイルをいれられないから焦って取らずに他タイルを優先しようとするのかといった他プレイヤーの手を考慮した自分のアクションをうつという、当たり前ではあるんですけど、ちゃんと渋めの絡みもよく起こって、それもまたプレイの面白さになっています。
もちろん麻雀的によしいいところ引いた!とか、カンチャン入ったーというような楽しさもありますし、むしろハマってくるとタイルの扱いが麻雀牌みたいになってしまってましたw。タッ、ターン!みたいな。
(タイルと書いてますけど、むしろ麻雀牌に近い大きさ厚さの木片です)
どの辺りの数字が残っているのか、全プレイヤーのタイル列の表向きのタイルを見れば当然わかりますし、数えてのプレイは僕もやったんですが、終盤になると数えるのも大変になりますし、ルール上、反対にしても数字が読めるタイル(99とか18とか)はどちらの数字として使ってもよいとなっていてカウンティンぐがややこしくなったりで、少なくとも僕は本当に序盤の序盤しかやってませんでしたw。勘と勢いでもなんとかなりました。
それでも序盤から中盤にかけてはしっかりタイル移動を使って数字の間は開けるようにしないと、他人にとするばかりになってしまうケースが多々起こり得るのでゲームを壊さないためにも数を数えなくてもいいので10以上数字が開いてたらタイル移動するとかした方が良いですと自戒の意味もこめて。