アヴェ・ローマ/Ave Roma

(4人でインスト込み3時間ほど)
【概要&ルール】
ようこそローマへ!あなたはローマのお偉いさんです。征服した色んな土地から資源やお金を巻き上げ、ローマのために兵士や建物、後援者につぎ込みましょう!そうして、最もローマに寄与したプレイヤーが勝利します。
ワーカープレイスメントのゲームです。
プレイヤーは手番に1つずつワーカーを任意のアクションに配置してその効果を得るというのを全員のワーカーがなくなるか、パス抜けするまで繰り返し、ワーカーを補充して次ラウンド…を終了条件を満たすまで行います。
ゲームの特徴として、ワーカーに1~5の数字がふられており、アクションの効果やワーカーの配置場所に数字で制限がかかります。
アクションは以下の8つ(カッコ内はアクションエリアの色)。
・軍団長(赤):ワーカーの配置場所に対応した戦争カードを資源を払って購入する。
・建築家(黒):ワーカーの配置場所に対応した建物カードを資源を払って購入する。
・元老院(緑):ワーカーの配置場所に対応した後援者カードを資源を払って購入する。
・財務官(黄):配置したワーカーの数字の2倍のお金を得る。
・造営官(茶):配置したワーカーの数字に対応したエリアカードに書かれた4種の資源を得る。
・属州総督(青):配置したワーカーの数字に対応したエリアカードに書かれた4種の資源のうち2種を得る。その後、追加で1つ資源を得るか、手元の建物カードか戦争カードをタップしてエリアへの影響力を上げる
・商人(白):手元にある任意の資源を売り、その後、配置したワーカーの数字に対応したエリアカードに書かれた資源を規定数購入する。
・ローマ(オレンジ):配置したワーカーの数字分、コロシアムの自コマを進める。進んだマスに応じて資源を払う。人マークのマスを通過したら、政治影響力を1つ上げる。
・ワーカーの補充について
ラウンド終了時、次ラウンドで使用するためのワーカーを補充します。
この際、手番順の逆にプレイヤーはひとりずつアクションエリアを指定して、そこにある全てのワーカーを手に入れます。これを全プレイヤーのワーカーが5つになるまで繰り返します。ワーカーが6個以上になる場合は、指定したアクションエリア内の任意のワーカーを手に入れます。
その後、各プレイヤーは手元のワーカーの数字を合計し、合計数が小さい順に手番順を入れ替えます。
・ゲーム終了時の得点
ゲーム終了したら、ゲーム中の得点に加え、政治影響力、エリア影響力、後援者カードからの点数を追加し、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
如月さん、しのぽさん、たる田さん、僕の4人で。
最初は全員1~5の数字が書かれたワーカーを1つずつ持ってます。
色々とアクションの選択肢はあるんですが、カードを買うにはいずれも初期に持っている資源ではコストを払えないので、資源やお金をもらうアクションを選ぶことになります。
資源はボード上に並べられた5枚のエリアカードで全て手に入るものが異なりますし、このゲームではプレイヤーごとに資源の価値が違う(個人ボードごとに資源とお金の変換レートが異なる)ので、誰がどのエリアカードの資源を取りに行く(どの数字のワーカーを使う)かは人それぞれなんですが、お金はとにかく置いたワーカーの数字×2金もらえるので、でかい数字のワーカーが置かれることになります。
今回も5545とでかい数字が黄色アクションに集まって埋まり(4人プレイ時は1種のアクションには4つしかワーカー置けない)、次に資源がたくさんもらえる茶色アクションが埋まり、そこから各人の色がでてくるような展開になりました。

(集まり過ぎな高い数字のワーカーさん達)
で、何を中心にゲームを進めるかで、ゲーム中に細かく点を稼ぐか、終了時にもらえるボーナス点でどーんと行くかのどっちにしようかと考えました。ゲーム中に得点を稼げるのは、戦争カードと建物カードを購入する方法のみで、どちらのカードも購入時にカードごとに指定されている資源を払う必要があります。細かく何が必要かを見て、やりくりするのは大変そうだ!と終了時にどーんの方針にしました。
終了時にボーナス点がもらえる要素は、各エリアへの影響力と後援者カードについてる「持っているXXごとに○点」みたいなのと、政治影響力の3つ。
各エリアへの影響力を上げるには旗マーク付きの戦争カードか建物カードを購入して青アクション時に使用する必要があり、結局戦争カードか建物カードを買う必要があるのでパス。
後援者カードで得られる点数は上限が低そうだったので政治影響力からのボーナス点を重視することにしました。(エリア影響力が最大27点、政治影響力が30点のところ、後援者カードは1枚につき5点前後のようだった)
後援者カードにはゲーム終了時にもらえる点数以外にも、ゲーム中特定アクション実行時におまけがもらえる(黄色アクションでお金をもらった時に+2金とか、白アクション実行時に任意の資源が1つもらえるとか)効果がついてるのですが、効果を得るには単にカードを手に入れただけでなく、政治影響力を上げる必要があります。政治影響力を1あげるごとに1枚の後援者カードの効果が得られるようになり、最大5枚の効果が得られます。
んじゃ、政治影響力をあげて後援者カードのおまけ効果もたくさん得て、うはうはプレイ。そしてゲーム終了時に後援者カードからの点もゲット。これだ!
そんなわけで僕はオレンジのローマアクションと緑の元老院アクションを中心に回すことに。
ローマアクションでは、置いたワーカーの数字分、円周上になっているマスを進めることができ、3マスごとに政治影響力が1あがります。駒を進める時は、通過または止まったマスに書かれたお金や資源を払う必要があるのですが、別プレイヤーのコマが置かれているマスについては支払う必要がなくなります。最初はみんな同じマスにいるので「先にコマを動かすと他プレイヤーを督させてしまう」というゲーマーらしい心理が働いて、お見合いしていたのですが、走ると決めたのだから少々の損であーだこーだ言ってる場合じゃないと先人切ってコマを動かしました。
その後、もちろんありがとうございまーすと踏み台にされましたけどw。
そんなこんなで1ラウンド目終了。ワーカーの補充に入ります。前述の通り、スタート時は1~5のコマを1つずつ持っていたのですが、ここからは補充次第で数字に偏りができます。最後手番のプレイヤーからワーカーは補充できるということで、最初の補充は僕から。
お金を得る黄色アクションに5554と大きい数字のワーカーが固まってます。後援者カードには1枚10金以上支払う必要があるものが見えてましたし、ローマを走るには大きい数字のコマの方が有利なので、偏らせていいのかな?と不安にも思いながらも、このワーカー群を獲得。残りの1つも盤面に余っていた4を獲得して、55544と超偏重なワーカーになりました。
手番順はワーカーに書かれた数字の合計が小さい順なので当然僕は最後手番です。
数字が大きいワーカーのほうが有利なアクションがあればもちろん小さいワーカーの方が有利なアクションもあります。
戦争カード、建物カード、後援者カードは毎ラウンド5枚ずつ並べられますが、数字1であれば好きなカードを選んでとれます。しかし、5だと各カード左端に置かれた1枚しか取ることができません。
一応、1ターンソフトパスすることでワーカーの数字をプラスマイナスするということもできますが、各カードは当然早い者勝ちですし、その他のアクションスペースものんびりしてると埋まってしまいます。
そんなわけで好きなカードが取りたければ小さい数字、ローマやお金を取るアクションを選ぶなら大きい数字のワーカーが有利ということになります。
エリアカードを使うアクションはエリアカードの内容次第なのでどの数字が良いということは人と状況によります。
僕が大きい数字をたくさんとったのでみなさんお金を得たり、ローマを走るアクションは若干効率が落ちましたが、カード獲得系のアクションでは選択肢が大きくなってるわけで、実際、そういう流れになりました。
このゲームでは各資源は3つまでしか持つことが出来ず、それ以上を獲得した場合、”余剰資源”という特殊な資源か、お金に変換できます。資源は茶色アクションでは4つ手に入り、資源は1~3金で売れるので全部売れば平均8金、最大12金獲得できるので、実はお金を直接もらう黄色アクションに必死こいて5のワーカーを置くのは(楽ではありますが)特に効率が良いというわけでもなかったりします(あくまで資源を使わずに最大まで常にためているという前提ですが)。

(お金と勝利点以外の要素は個人ボード上で管理します。この写真だと見づらいですが各資源の下にその資源が何金で売れるか、買えるかが書かれてます。この資源の変換レートは個人ボード毎に異なります。僕は赤い資源(たぶん鉄と壺)の価値は両方とも1金ですが、人によっては2金だったり3金だったりします)
資源があれば戦争カードや建物カードを獲得できますし、そのための資源を取るアクションを行う際に選択された数字のエリアは繁栄度=影響力の最大値があがるので、資源を手に入れる&繁栄度をあげる、その資源でカードを手に入れる、影響力を上げる…というループができてきます。
建物カード、戦争カードはぶっちゃけた話効果は同じです(※)。効果は同じなのですが、ひとくちに資源を払えば獲得できるといっても、戦争カードは通常資源よりも余剰資源が主に必要になり、建物カードは具体的に色んな種類の資源が必要になるという色分けがしてあるので、プレイヤーの資源の管理方針によってどちらを重視するかが異なります。
※1枚ごとに見れば効果はほぼ同じなんですが、このゲーム「セット効果」という要素があって、同じ名前のカードを獲得した時に何かしらもらえるのですが、建物は2枚ずつ、戦争は5枚ずつと同じカードの枚数が異なるので購入に必要な要素が異なるだけの同じものというわけでもないです。
そんなわけで、たる田さんは戦争カード特化、如月さんとしのぽさんは建物カード中心というように影響力をあげようとプレイされてはいても買うカードは分かれてました。
たる田さん、しのぽさん、如月さんの3人が資源を中心に取っていくのでどんどん繁栄度もあがり、影響力からの点ってかなりすごいことになるのでは?とも思ったのですが、戦争カード、建物カードの山から影響力をあげられるカードが案外出てきません。
影響力を上げるカードと直接点数を得るカードが半々くらいの割合で点数効率はたぶん似たような感じだとは思うのですが、さすがに繁栄度が最大近くまで上がってると影響力のほうが点数効率は良さそうで、その分助かりました。
僕はそのラウンドのワーカーでローマを走れるだけ資源とお金が手に入ったらひたすらローマを走ります。
ワーカーは全部で5つありますが、一番走ったときはそのうちの3つをローマに置いてたような気がします。
繁栄度があがる際、エリアカードはそのエリアを使ったプレイヤーの手元にいき、新しいエリアカードが置かれます。これによって手に入る資源などがどんどん変わっていくわけですが、エリアカードがなくなるのもゲームの終了条件のひとつで、僕が政治影響力をそろそろ最大にあげきるという辺りでエリアカード残り枚数的にゲーム終了がちょうど見えてきてました。
さらに後援者カードにあげていた政治影響力に応じて点数が入るカードや特定の後援者カードから得る点を2倍にする後援者がでてきたので、んじゃ、数字の大きいワーカー中心にとるのはやめて、後援者カードの取り合いのために手番をあげる!と方向転換。
無事欲しかった後援者カードも手に入れ、政治影響力もマックスにまでなったので戦争カードや建物カードの購入合戦に僕も参加。得点のためにとった後援者カードでしたが、任意の資源を余剰資源に変換できるなどの便利な特殊効果がついているものもあり、政治影響力上げ中心にプレイしててよかったわーと思ってたところでゲーム終了。
ゲーム中に点数が入るアクションをほぼ行ってなかったので最後のボーナスを計算することころまでは最下位でしたが、政治影響力と後援者カードからの点数でガン!ガン!と大量得点(全体の7割位)して勝つことが出来ました。

(終了時)
【感想】
なんというか、システム的に目立つポイントとゲーム的な面白さを感じるポイントがずれていてちょっと不思議な面白さのゲームでした。
ワーカーの数字によるアクション選択の制限やラウンド終了時にどの数字のワーカーを補充するか/できるかというのは、プレイ内容に書いたとおり、縛りではあるんですが1手番待てば数字はある程度なら操作できますし、戦闘や建物などのカードの補充をした後にワーカー補充という順番なのでどうしても欲しいカードがあれば、操作無しでそのカードが取れる数字のワーカーを補充すれば良いですしで、窮屈なプレイにはなりません。
もちろんワーカープレイスメントなので数字に融通が効いても先に取られるのを防ぐことはできませんが、どうしてもこのカードでないと、このアクションでないという場面はほとんどなく、ワーカーに関してはプレイ感は厳しさとは無縁です。
数字のワーカーの仕組みがポイントぽい割にそこがゆるくていいんかいと思ってしまうんですが、1や5は便利に使えるワーカーがあるせいで、エリアに関するアクションで2,3,4のワーカーがよく使われるようになり、システム的には何の差も設けられてないエリア間で繁栄度の差が自然とできてくるのはちょっと感動しました。

(別に写真左側の5のエリアにでてきたカードがほかと比べて劣っていたということは決して無いんですが、自然と写真中央と右側の4,3のエリアがよく使われるので繁栄度(茶色キューブ)がかなりあがってます)
こうして数字ごとに使える箇所の得手不得手があり、厳しさはないものの後半になるほどその特色を踏まえてワーカーをやりくりしている感じがでてきて面白かったです。
ワーカーのやりくり部分に厳しさがないといっても、きちんとゲーム的に難しさを感じるところ、悩ましさを感じるところはちゃんとあって、それは、お金、資源、余剰資源という3種の管理です。
これも特別他ゲームと比べて難しさがあるというわけではないんですが、資源やお金を余剰資源に変換できても余剰資源は資源やお金に戻せないという点と、お金と資源の変換レートがプレイヤーごとに異なっていてゲーム内で一意でないという点の2点のせいでなんか変な感じになります。
よくあるゲームだと資源から余剰資源に変換するとしたら安くて大量に手に入る資源を使って、高くてめったに手に入らない資源は大事に取っておくというのが定石になるわけですが、このゲームではシステム的には全ての資源が等価値なのでめったに手に入らない資源というのは存在しない(各プレイヤーの個人ボード次第で自分にとって高価値な資源は他人にとって安い資源ということがある。盤面によっては寧ろ高価値な資源の方が手に入りやすかったりする)ので、
あれ?この資源、余剰資源に変換するのもったいなくないか?
→価値が1金の資源を集めて余剰資源に変えた方がお金的にはもったいなくない
→でも、1金の資源は気楽にカード獲得のために支払っちゃって手元にたまりにくいからアクション効率的には悪いのか?
→じゃあ、3金の資源をカード獲得で使って1金の資源は余剰資源用にためておこう
→あれ?それも手元の資源価値的には下がってるってことだよな…?
とか、まあ、わけのわからんことになるのが楽しいです。
カード獲得やローマなど、何かを支払う系のアクションでは大抵の場合で余剰資源が必要になるので、ゲーム中常に余剰資源をどうやって確保するのかを考えざるを得ない作りになっており、自分なりの余剰資源確保ルールを作ることになります。
定石や、一概にこちらのほうが得という考え方が通じないのが面白く、また、悩ましいです。
ちょっと変といえば、ある建物カードがある資源4つと余剰資源1つで6点だったとして、この資源4つは人によって4金の価値だったり、12金だったりします。お金と資源の変換が基本的に自由にでき、さらにそれらを勝利点に変換できるのに資源の価値がプレイヤーごとに異なるってのがやっぱちょっと変で興味深かったです。
そういえば、今回記事にしたのはキックスターター版にだけついているプロト版のデザインのボードなんですが、製品版のボードの方が視認性が悪い悪いと言われてるのも面白かったですw。プロト版は視認性はいいんですが地味で、(そのせいだけでもないでしょうが)キックスターターのプロジェクトは1回ぽしゃってるので、華やかなデザインにしたのはやむ無しとは思いますけど。
写真撮っとけば載せられたんですが、失念してました。