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ソラリウス・ミッション/Solarius Mission

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(4人でインスト込み2時間半ほど)

【概要&ルール】

宇宙にゃロバがいねえから宇宙船で配達だ。おんぼろ船のエンジン強化。惑星開拓、貿易商売、宇宙ステーションも作っちゃうぜ。

宇宙船の持ち主になって、宇宙船の強化をしつつ、資源を積んで配達したり、それを使って宇宙ステーションを作ったりしつつ、宇宙1の船乗りを目指します

プレイヤーは手番にダイスを使ったメインアクションと、ダイスを使わないサブアクションを行います。

時計回りに手番を既定回数行ったら、ダイスをいったんリセットする~を既定回数繰り返し、もっとも勝利点を稼いだプレイヤーが勝利します。

・メインアクション

”ブリッジ”と呼ばれるダイス置場からダイスを1つ取ります。
ダイスの色によってアクションが、ダイス目によってアクションに使えるAPが決まります。
また、ブリッジに長い間おかれていたダイスには、お金や燃料がボーナスでつくようになります。
ダイス目は1,2,3、☆、☆、☆+1となっていて、☆は各プレイヤーの能力で1~4のいずれかの目が入ります。
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(ブリッジはこんな感じです)

3以上のAPになる目のダイスを取った場合、廃棄物も1つ受け取ります。廃棄物は既定数以内なら宇宙船内にためられますが、あふれるとゲーム終了時に失点になります。

メインアクションは4種類+1です。ダイスは4色あり、AP分お金を得る黄色ダイス、AP分燃料を得る黒色ダイス、宇宙船の格納庫を広げる茶色ダイス、☆に対応する目を上げる青ダイスと色とアクションが対応しています。

これに追加して、その色の格納庫にAP分の資源を積み込むというアクションがあります。

格納庫は1、2、3があり、それぞれ価値1、価値2、価値3の積み込めます。格納庫への格納ルールはピラミッド構造になっており、格納庫に価値1の資源が2つあれば、価値2の資源が1つ格納でき、価値1の資源が3つ、価値2の資源が2つあってようやく3の資源が1つ格納できます。
(価値1の資源、価値3の資源などと書いていますが、入手時には価値にかかわらず単に”資源”として獲得し、格納する場所によって価値が決まります)

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(個人ボードの様子。色が同じなので紛らわしいですがブリッジからとってくるアクションダイスとは異なる種類のプレイヤーの能力を示すダイスが個人ボード中央に置かれてます。これを茶色アクションで右に移動すれば格納スペースが増え、青アクションで目を上げれば☆のAPが増える仕組みです。ボード右には特殊能力などのカードがささってます)

・サブアクション

サブアクションは大きく、「宇宙船を動かす」、または、「宇宙船を動かさない」でできることが分かれます。

「宇宙船を動かす」場合

エンジンの数字以下のマス数移動し、移動した先で以下のいずれかを行います。

1.何もしない

2.惑星を開拓する:惑星トークン上で止まった際、トークンが裏向きであれば表にします。トークンにはある条件とそれを満たした際の得点が書かれています。ゲーム終了までに達成できる(または既に達成している)と判断すれば惑星トークンを獲得し、その場に開拓したことを示すディスクを置きます。ゲーム終了時、未達成の惑星トークンは失点になります。
惑星トークンを取らない場合、惑星トークンはその場に残ります。この手番に表にしたのであれば、達成時の勝利点分の任意の資源を得ます。

3.宇宙ステーションを作る:宇宙船が何もないマスに止まっている場合、宇宙ステーションをそこに作れます。作りたい宇宙ステーションの種類で資源の種類は決まり、その資源を個人ボード上に示された数分捨てれば宇宙ステーショントークンをその場におけます。

4.ミッションを達成する:貿易港に隣接するマスに宇宙船が止まっている場合、個人ボードにさしているミッションカード(後述)に示された種類と数(価値)の資源を捨てることでミッションの達成したことになり、達成トークンを港の上におけます。

※アウトポスト:メインボードを構成する各タイルに自分のアウトポストがない場合、惑星開拓、宇宙ステーション建設、ミッション達成のいずれかを実行した際にアウトポストを建築できます。アウトポストには廃棄物を捨てる、お金や燃料を得るなど様々な効果があります。

「宇宙船を動かさない」場合

以下の3つのうちの1つができます。

1.エンジン購入:既定の燃料を払い、エンジンを購入します。

2.カードを引く:カードを2枚山から引いて1枚手札に入れます。

3.カードをプレイする:手札からカードを1枚プレイします。カードには、ミッションとしての使い方と、特殊能力としての使い方があり、使い方に応じて個人ボードの決まった位置に差し込みます。

こうして、メインアクション1つ、サブアクション1つを行ったら、巾着からダイスを1つ取って振り、”ブリッジ”に配置して手番終了です。

既定ラウンド終了後、ゲーム終了時の得点の計算を行い、勝者を決めます。

【プレイ内容】

如月さん、彼葉さん、一味さん、僕の4人で。

彼葉さん以外は2回目です。僕と一味さんは前回のプレイでしょっぱなに宇宙ステーションを建設した結果、資源回復が遅れて苦労したのでそれは彼葉さんにお伝えしてスタートしました。

補充時には価値関係なくピラミッド構造で補充し、支払いは価値分の資源を捨てるというルールなので、価値5分の資源を支払うとした場合、価値1の資源3つ、価値2の資源1つしかない状態でそのすべてを使って支払いに充てるのと、価値1の資源3つ、価値2の資源2つ、価値3の資源1つがある状態で価値2の資源1つと価値3の資源1つを使って支払いに充てるのとでは、支払う資源キューブ数が4つと2つと倍違いますし、元の状態に戻すために必要な資源キューブ数も4つと2つで全然違います。

前回遊んだ際は3AP以上になるダイスを取った時に廃棄物を1つ受け取るというルールを忘れていたため、とにかく大きな目のダイスを取っていけばいいという運ゲーでしたが、今回は廃棄物を取りすぎると最終的に失点になるということで、この大きな目を取っていいのか、そして、個人ボード上で各☆の目を強化するのもどこまで強くすればいいのかをちゃんと考える必要がでてきて、引き締まった展開ではじまりました(細かいルールには辟易するものもありますが、たいてい理由があるもんです)。

ゲーム開始時にカードは2枚ずつ配られます。カードはすべてユニークで30種類以上あるんですが、既定セットアップを使うとおススメカードが配られます。今回は既定セットアップを使ったため、僕に配られたのは、「黄色と青のダイスのAP+1」と「1ラウンドに1回だけ3APまでなら1金で1AP購入できる」の2つの特殊能力のカードです(通常は2金払えば1AP購入なのでレートが半分です)。

とりあえず、この2つのカードは特殊能力として個人ボードに刺して、お金も積極的にAPに変換していく作戦で行くことにしました。前回、資源で苦労した記憶から格納庫も積極的に広げていきます。

僕がサブアクションを宇宙船を動かさない方のものばかり選んでる間に、如月さん、一味さんは宇宙船をどんどん動かしていきます。

惑星トークン関連のアクションはとにかく早い者勝ちなのでのんびりしてるわけにもいかないんですが、幸いなことに如月さんと一味さんは僕の宇宙船のある方向と逆に進んでくれたのでちょっとほっとします(最終的には被るので、早く動いた方がいいのは確かなんですけど)。

その前にと、黒ダイスで手に入れた燃料+初期に持っていた燃料でエンジンを2つ購入して、いよいよ僕の宇宙船も移動開始です。

お金はAPに使う、燃料もエンジン購入に一気に使ってしまったため、お金と燃料はほぼスカンピンなんですが、運の悪いことに僕の進む方向には燃料やお金に関する条件の書かれたものが多いです(惑星トークンは4色あり、アクションダイスの色に対応していて、お金、燃料、格納庫、ダイス目のあげ具合のどの種類の条件が書かれているかは裏向きの状態でもある程度わかります。わかるんで、本来は自分の周りにあるトークンを見て戦術を決めるんでしょうが)

まあ、ちょうど格納庫を広げたところだと惑星トークンは表に返しただけで獲得はせずに資源を獲得する方で使います。

さらにミッションのために引いたカードの特殊能力が「廃棄物を得るたびに任意の資源を1つ得る」というなかなかのもの。ミッションに使いたかったけど、これは刺すかーとさらに資源関連の能力を強化しました。
いい加減廃棄物が宇宙船からこぼれそう…というところで、定期的に廃棄物を破棄できる宇宙ステーションを建設したり、ミッション達成時のアウトポストの効果で廃棄物を3つ捨てたり、なんだかんだで廃棄物の処理もうまくいってます。

しかし、宇宙ステーション建設、ミッション達成はまだだれも来ていないタイル上だったのでうまくいってたんですが、ボードを時計回りに移動していた僕と反時計回りに移動してきた如月さん、一味さんがついに同じタイルにそろってしまいました。
宇宙ステーション建設やミッション達成、惑星開拓時にボーナスとしてもらえるアウトポストは、「そのタイルに自分のアウトポストがまだないこと」という条件に加えて、「各種1つ目のアウトポストボーナスを3種とももらった後でないと2つ目のボーナスはもらえない」というものもあり、僕は1回は惑星開拓を行わないと、これ以上宇宙ステーション建設やミッション達成してもアウトポストボーナスはもらえません。

アウトポストボーナスの効果が結構でかく、無視するのも勿体ないので、なんとかして惑星開拓もやりたいのですが、ここから先にある惑星は如月さん、一味さんが取らなかったものしか残っていないわけで、しかも、僕が達成できる可能性あるのは茶色と青の惑星のみです。あるかな…?とボード上を見てみると、僕と一味さんの間くらいに茶色の惑星が1つあります。次の手番までこれが残っていれば…と祈るような気持ちで一味さんの手をじっと見ます。
惑星はアウトポストボーナスがなくても、比較的軽いアクションなので移動のついでに取られる可能性があり、大丈夫かなー?と思ってたんですが、無事にその惑星は取られずに僕の手番が回ってきました。よっしゃよっしゃと獲得して惑星開拓の1つ目のアウトポストを無事配置。ボーナスも獲得しましたし、これで各種2周目のアウトポストも配置可能になりました。

ようやく宇宙ステーション建設、ミッション達成、惑星開拓の3つのアクションを実行できたわけですが、実はもうゲームは終盤も終盤。

資源をためるのに一生懸命になりすぎていたようで、使い切るには手番が全く足りません。
うーん、失敗したーと思いはするものの、とりあえず、最後までにもう1周分のアウトポストボーナスをもらうよう計画を練ります。
宇宙ステーション建設と惑星開拓は条件が緩いのでたぶん実行可能。問題はミッション達成で、カードを引く、カードを刺す、宇宙船を動かして港までいってミッション達成とサブアクション3回分が必要です。一応、メインアクション時に1ラウンドに1回のみ廃棄物を受け取ることでカードを引く/プレイするができるので、1回分サブアクション回数は減り、ぎりぎりアクション回数は足りました。

最後はアグリコラとかのように、この得点項目ではX点、こちらの得点項目ではXX点…というように得点計算していくんですが、僕が最後になんとか2回目を達成したミッションを如月さんは3回も達成していたり、惑星開拓も実は惑星トークンの色でセットコレクション要素があり、全色万遍なくとっていくのがいいんですが、これも如月さんは全色そろえてたり。どれだけボード上に自分のトークンを配置したか(たくさん自分の足跡を残したか)でも、如月さんがトップで、とにかく如月さんすげえ!って感じで、合計点も団子の下位集団と断トツ如月さんとなってました。
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(終了時の宇宙)

【感想】

渋ーいリソースマネジメントのゲームです。個人ボードがあって自分の宇宙船の強化というアクションもあり、個人ボードに挿す事で付与される特殊能力もそれなりに強いものが結構あるんですが、能力がぐわわわっと上がってやれることが増えたり、その効果がどんどん強くなったりするゲームではないです。能力の上昇曲線は控えめですし、終盤までアクションを能力強化に充ててると得点化が間に合いません。つまり、結構地味です。中盤くらいまでに低めの山ができて、能力はそのままリソースを得点化していくという感じになるかと思います(強化しまくってもいいんですが得点に結びつくかというと微妙な気はします)。

メインアクションが資源獲得と宇宙船強化のどちらを取るか、サブアクションが資源(&お金とか)を消費した得点行動とカードによる強化のどちらを取るかという構造になっていて、ゲームを進めていく中でどの程度、どちらを優先するのか、何を先行させるのかの選択、もろもろ含めたリソースマネジメントに面白さがあるゲームで、今回のプレイ記では十分に書けませんでしたが、惑星トークンなどボード上の一部要素でおこるプレイヤー間の先取り争いが小さい規模なりに最後には効いてくるような渋い作りになってます。

同作者、同パブリッシャーのラグランハは特殊能力や手番のフリーアクションの自由さでリソースの入手や得点化はそこまで計画的にやらなくてもある程度以上になんとかなった(1手番中にそこにあるリソースを最大限使ってやりくりして、なんとかするところに面白さがあった)のに対して、ソラリウスミッションもそれなりにフリーアクションは用意されてはいますが、1手番中に得点化の機会はどうやっても1度きり(効率無視すれば最後手番だけは手がないことはないですが)なので、リソース入手や得点化にどうするか頭を悩ませないと機会を逃す、中長期的な計画に面白さのあるタイプのゲームに感じられました。

リソースは貯めこみすぎても得点化する時間がないし、かといって早めに使ってしまえばその補充ルールのためにリソース補充に手番を費やしてしまう…みたいな感じです。
ラグランハみたいに毎ラウンドカード補充とプレイを最低1枚はやらせるだけでも結構印象は変わったと思うんですが。まあ、それだと似たようなゲームになるのでそうはしなかったのかもしれません。

「宇宙らしさがない」という感想を何人かの方から聞いたのですが、たぶん、ここらへんの派手さが足りないせいなんじゃないかと思います。地味ーなので。

ダイスロールが毎手番入るのでそこでもっと一喜一憂があるパーティーゲーム的な盛り上がりももっとあるかと思ってたんですが、案外、そこも淡々としてます。いや、また1かよーとか、お!3!とかありますし、特に手番の最後にダイスを振るシステムなので、自分の振ったダイスを基本的に他人が使うため、ぎゃー、こんないい目だすなよ自分!とかも確かにありはします。
ただ、ブリッジに既にのってる他のダイスとブリッジによる補正含めてダイスの選択をするので、その場その場で振られたダイス目はそこまで重要ではないというか(アクションの種類に関係しているので、目よりも巾着から出したダイスの色の方が、おおおっとなってたかもしれません)。さらに、廃棄物の処理に関する余裕の有無、☆の価値、やりたいアクション、カードの特殊効果などの要因でプレイヤー間でダイスの価値感に違いがあるので、ダイス目に対する感情が共有しづらい場面が多いんですよね。

ダイスの種類や出目、カードや惑星トークンの引きなどのランダム性に(アクション数の少なさから)完全に対応しておくのは無理なのに対して、できる限り対応しようとするのか、自分の運にかけるのか。もう少し軽めのゲームにたまにあるような、どこまでギャンブルするかという要素が最終的な勝ち負けには絡んでくるような気がしますが、運要素高めなのははじめからわかりますし、惑星トークンやカードは引いた後からなんとでもしようと思えばできるので、少なくとも僕はこのギャンブル性はそこまで気になりませんでした。

リソースをどれくらい手に入れていつから得点化していくのか、自分の強化に割く手番数は?などと同じように、どこまでランダム性を許容できるよう備えるか、それとも先行して惑星トークンやカードを引いてそれを指針に行動するかというようにギャンブル性も各プレイヤーが個々の思惑でコントロールする対象としている、そんなゲームでした。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
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