ハグルと看板娘会
彼葉さんに「ハグルと看板娘を遊ぶ会をやるんですがよければ参加しませんか」と誘われたのでホイホイと参加してきました。
ハグルも看板娘も両方ともプレイ人数が15人クラスのゲームなのでめったに遊ぶ機会のないこのふたつのゲームを一緒に遊んでしまおうということでした。
ハグル

ハグルはシド・サクソンが考案したゲームでシド・サクソンが紹介しているのは16人(プレイヤー15人+ゲームマスター1人)用のものなのですが、看板娘が15人までのゲームなため、それにあわせて15人の会だったようです。
ハグルは、ゲームマスターが決めた得点ルールに従って参加者の中での最高点を目指すゲームです(厳密にはルールによっては勝ち負けが点で決まらない場合もあります)。得点手段もゲームマスターがどう決めるかによるのですが、シド・サクソンがGamut of Gamesという本の中書いているのは、5色のチップが様々な組み合わせでプレイヤーに渡され、それをゲーム中に自由に交換、譲渡をするものです。
ハグルのポイントは、このチップがどういう点数になるかのルールが各プレイヤーに部分的にしか公開されていないというところです。具体的には、15個のルールが各プレイヤーに2個ずつしか渡されません。
チップの交換、譲渡とあわせてルールも交換したり見せてもらったり、教えてもらったりで情報収集していく必要があります。
例えば、「赤チップの点は青チップの2倍」という情報を持っていれば、青チップを渡して赤チップを集めようとするでしょう。しかし、「赤チップが得点になるのは青チップの枚数まで」というルールもあって青チップを手放しすぎていると青冷めることになったり、そもそも、「黄色チップの点は赤チップの2倍」みたいなルールもあったりして、チップの交換以上に情報をどれくらい集めているかも重要なゲームです。
今回は3ゲーム遊びました。
1ゲーム目は彼葉さんによるシド・サクソンオリジナルルールでのハグル(ただし、GM除いた14人で遊べるように少し手を入れたもの)で、2ゲーム目、3ゲーム目は参加者の方が作っていらしたルールで遊びました。
1ゲーム目のオリジナルハグルは初めてのハグルということで、どうすればいいのか手探りで、とりあえず、開始時に近場にいた人にルールを色々聞いて、ある程度ルール情報を集めたところでチップの交換に移っていったんですが、チップの交換がなかなか成立しなくて困りました。そりゃあ、赤が高得点という情報を持っている人が赤を出してくれるわけはないですし、逆に点数が低いチップを受け取ってくれることもないのは当たり前です。
ほとんどの方がハグルが初めてで、たぶん経験者よりはルール情報に関する交換がかなり活発で得な情報、損な情報が共有されていたことももあったかと思います。(自分にとって)大事な情報は隠しておかないと交換で大変不便なことになるようです。
(大抵の場合、同じ情報が複数プレイヤーに配られるため、ひとりが隠しても無駄といえば無駄なんですが)
自分が大事だと思っている情報を知らない人を探しだして、かつ、その人と交換し合えるチップをお互いに持っているという状況にならないと交換がちっとも進まないので、ゲームの前半、情報をある程度集めるところまではスムーズでしたが、後半、チップの交換をなんとかしようとしてからは、ちっとも交換が進まずにもう大変でしたw。
色の指定はなく、ある枚数の組み合わせで持っていれば点数が2倍になるという情報を見てからは、とりあえず、これを目指してみようと決め、その組み合わせになるよう交換してくれる人をひたすら探しました。ベストはこの色ではないという色でもとにかく枚数を合わせようと交換するなどして、なんとか作りたかった組み合わせの枚数になったところで終了。
ゲームマスターである彼葉さんがだんだん交換しなくなるから長い時間は必要ないとおっしゃっていましたが、その通りでうまい時間設定だったと思います(確か15分くらい)。
最後まで見ることがなかった情報も5~7つくらいはありましたが、偶然、それらの情報による脱落や失点は回避できており、最終的に思っていた以上に点数が伸びたものの僕と同じで点数が2倍になる枚数の組み合わせのを作っていらした方(要は色の食い合わせが僕と違う)が断トツで勝利されました。
2戦目は情報の種類自体は少なかったのですが、チップに加えてトランプが配られました(情報、チップ、トランプの枚数は全員異なってました)。
1戦目の反省からか情報の授受はそこそこに順位に関係していそうなトランプやチップの交換をみなさん中心に行動されていたように思います。それでも、なかなか成立する交換相手を探すのは難しかったようですが。
そんな中、この2戦目で光ったのは“交易所”の存在。ゲームマスターの隣に設けられたこの交易所は、カードやトランプ、チップなど、今交易所におかれているものを好きなものと交換できる、「拒否されない、必ず交換が成立する場所」で、わざわざ人と話す必要なく交換できるよい仕組みでした。
(詳しくは後述しますが、コミュニケーション中心のゲームなので、あまりこういう仕組みが便利になるのもよろしくないのかもしれませんが、上述のとおり、交換相手を探すのが徐々に大変になっていくのであると助かるのは確かです)
ある条件を満たすと脱落するという情報がいくつかあったので、それを避けるようにはしつつ勝てるようにはしていたのですが、ちょっと情報の解釈を間違えて、答え合わせタイムでは一番初めに脱落した数人に入ってしまいましたw。
脱落した要因は実際に脱落した1つのみで、そこさえ避けれていれば勝てていたようだったので残念でしたが、まあ、それを言い出しても始まりませんね。
3戦目はジャケ写ハグルと銘打たれていて、ゲーム開始後、3分おきにデジカメで写真を撮り、その写真からフォトパーティー(というパーティーゲーム)の要領で点数を得て、合計点を競うというもの。写真の採点は一番最後にまとめてやるのでゲーム中はどれくらいの点数なのかはわかりません。
交換材料として今回配られたのは、得点に関する情報と写真に写るためのチケット。チケットは時間が指定されており、その時間を過ぎると基本的に無用のものになります(正確には違うんですが割愛します)。
最初の写真撮影はあっという間にきますし、そのあとも3分おきにどんどんくるので、この3戦目が一番活発に交換、交渉が行われていたように思います。
設定や得点条件も実際の音楽レーベルやCDのジャケットが元ネタになっているようで知っている方は大変楽しめたようです。僕は疎いのでそういった楽しみはありませんでしたが、ハグルの面白さに加えて、フォトパーティー的な面白さ(得点を取ろうとしてみんなが変な格好で写真に撮られる→変な格好でしばらく止まってないとならない)もあり、げらげら笑えましたし今日のハグルの中では一番楽しかったです。
最後はプロジェクターで元ネタ風に加工した写真と元ネタを並べて見せつつ採点を行い、1位を決めましたが、まあ、順位はどうでもよかったです(といっても、知らない情報で点数が伸びなかったり下がったりすればもちろん悔しいんですし、高得点取れれば嬉しいんですが)。
だいたい3枚くらいずつ写真を撮る機会があったんですが、トップの方は全ての写真で取りえる最高点か、それに近い点を取っていらして、みんなから、おおおおーと賛嘆の声があがっていました。
どういう理由かは忘れましたが、何故か自分の中ではハグルは推理ゲームに近いところにカテゴライズされていました。実際に遊んでみると、そんなことは全くなくて、交渉ゲームであり、とても楽しいパーティーゲームでした。推理ゲームの面白さは情報の授受とその処理部分にあると最近思うようになってきてるので、ハグルでも面白さを感じるポイントは推理ゲームに近いものがあり、遊んでみたプレイ感は別にして、やはり自分の中では推理ゲームと似た面白さのゲームというところにカテゴライズされたままのようではあるんですが。
理想的には全ての情報を手に入れて、最高点になる得点要素の組み合わせを特定し、得点要素の交換でそれを見事に手に入れるということになりますが、情報や得点対象の交換相手全員が競争相手である状況では、理想のプレイをするのは無理ですし、勝ち負けを真面目に考えて勝ちに行こうにもちょっと運要素が大きすぎる(自分が情報収集を止める前までに高得点につながる情報を手に入れ、かつ、高得点に必要な得点要素(チップやカードなど)を手に入れ、かつ、自分の知らない情報で自分が不利益を受けない必要がある、もしくは原因はともかくすべての他人が自分より点数が低い)ので、パーティーゲームとしてとらえてしまいますが、大変面白いゲームには違いありません(チームを組んで、その中の誰かが勝つのを目指したり、何戦もやって勝率をあげていくゲームとしてとらえれば、話は違うのでしょうが、そういう要素を入れれば話が変わるのは他のゲームでも同じなので、あくまでひとりで1回きりで遊ぶとしたら、やはり他のゲームと比べてパーティーゲームよりだとは思います)。
まあ、ある程度以上盛り上がるには、システム的には投げっぱなしなので参加者の大半が、(運ゲーじゃねえかなどと冷めたりせず)情報共有や交換など積極的に勝つための行動をとる必要はありますが、交渉、交換自体が楽しいことですし、徐々に全体像が判明していく過程もまた楽しいので、ここは危惧するような点ではないと思います。
シド・サクソンのルールでは15人となっていますし、大人数で行われることが多いようですが、10人でも5人でも、分割されている情報を集めるというだけでも面白いので、『ハグル』ではなくても、機会があればそういった遊びをやってみてください。
たぶんですけど、ワトソン&ホームズとか、謎解き系のゲームの情報を参加プレイヤーが分割して持って、お互いに交換したり聞きこんだりして情報を集めていくという遊びは大変楽しいものになるのではないかと思います。
看板娘

続いて看板娘の15人戦で遊びました。
看板娘は2003年のSDJ候補にも選ばれているフリーゼのゲームで、アクションポイントを消費して、ゲームボード上を移動して様々なお店により、商品の購入や売却をしたりしつつ、神像を既定数集めるが目的です。プレイヤーが魚屋に入ると、野菜屋で野菜が生産されるというようにお店同士に相関があり、また、ボード上に同じ商品が多ければ安く買えたり、少なくなれば高く売れたりというような、システム上で制御されている商品とお金の動きをうまいこと捉えて、手に入れた商品と神像を交換していって目的を達成するようなゲームです。
このゲーム、通常は3~5人用なんですが、入っているコマの形によって、A、B,Cと箱に書かれており、その3つをそろえることで、最大15人プレイが可能になるという変なゲームです(“最大”なんでたぶん10人くらいいれば3つ使って遊べます)。
通常は、1つのボード内で神像を3つ手に入れれば勝利なんですが、15人プレイ版では3つのボードごとに手に入る神像が異なっており、各ボードで1つずつ神像を手に入れる必要があります。もちろん一番初めに神像3台を手に入れたプレイヤーが勝利します。
この15人版の楽しそうなところは、アクションポイントを消費することでプレイヤーがボード間を自由に移動できるというところです。
始めは各ボード均等にプレイヤーを割り振ってスタートしますが、1つのボードにつくプレイヤー数に制限がないので、あるボードでは15人のうち8人も集まっているけど、一方で他のボードでは1人しかいないという状況が発生します。さらに手番は時間制とかではないので、早く回そうと思えば他のボードとどんどんアクション数の差ができていきます。
そういう同じゲームをやっているのに、ボード(実質的にはテーブル)ごとに進行スピードが異なるという、リアルタイムゲームの要素が入ってくるというか、通常であれば盤外のことでありメタゲーム的な要素が実際のゲームプレイの要素に入ってくるのが大変面白そうというか、フリーゼらしいです。
看板娘自体を僕は初プレイだったんですが、1つのボードに限ってもプレイヤーの動きと島に配置されているお店の自動処理で経済が形造られているところはなかなか他にないプレイ感で面白かったです。
さらにお店は全部で何十枚か用意されているうちの12枚だけを抜き出してボード上にランダムに配置して使うので、お店の種類や配置で経済の回りやすさがプレイのたびに変わるようですし。
今回はスタート時にいた島(ボード)の神像を手に入れてから、右隣の島の神像を手に入れたところで、他の方が3つの島でそろえてしまいゲーム終了となってしまいました。
まあ、せっかくの機会だしと、3人が終了条件を満たすまで続けたところ、この島にいるの自分だけだ!というこのゲームなりの面白さ(複数人で遊んでいるのにソロゲー)も味わえましたし、満足です。

(ずっと俺のターン!(他の卓にはすごい数の人がいることになります))
大変楽しいゲームなんですが、真面目に考えると作りは大変荒いです。
お店の種類や配置がボードごとに異なるのでそもそも経済の回りやすさがスタート時点からプレイヤー間で格差がありますし、他のボードよりも早く手を回した方が当然有利なので、ボード内に早回しプレイヤーが多いか少ないかで、また差ができます。
今回のプレイでは1ボード、早回しのメンツが集まったテーブルがあり、しかも、そこのお店の配置がお金や商品を手に入れやすかったようで、ゲーム終了条件を満たした3人は3人ともこのボード出身でした。
このボードだけサプライからお金がなくなるほどサプライからお金がプレイヤーにわたってましたし、まあ、妥当な結果ではありました。
この差も含めてわいわいと楽しむゲームだとは思いますし、実際楽しかったので、いい経験でした。
1手番の時間が決まっていて、実際にボードについてる人数に手番のまわるスピードが依存した方がゲームとしてはいいんでしょうけど、それやって、競技性あげてもそう面白くならなそうな感じはするんで、これでいいんだと思います。
プレイヤー間で手番のまわる早さが異なるというのも面白いなーと思ってたんですが、よくよく考えてみると、デッキ構築だったり何らかのルーチンを作るゲームで擬似的に実現されてるんですよね。そういうようなゲーム遊ぶことが今後あれば、ちょっと意識してみようかと思います。
15人集めたり、ハグルの用意をしたり、看板娘を3種集めたりは大変だったかと思います。貴重な機会に誘ってもらえたのは彼葉さんにひたすら感謝感謝です。
ハグルも看板娘も両方ともプレイ人数が15人クラスのゲームなのでめったに遊ぶ機会のないこのふたつのゲームを一緒に遊んでしまおうということでした。
ハグル

ハグルはシド・サクソンが考案したゲームでシド・サクソンが紹介しているのは16人(プレイヤー15人+ゲームマスター1人)用のものなのですが、看板娘が15人までのゲームなため、それにあわせて15人の会だったようです。
ハグルは、ゲームマスターが決めた得点ルールに従って参加者の中での最高点を目指すゲームです(厳密にはルールによっては勝ち負けが点で決まらない場合もあります)。得点手段もゲームマスターがどう決めるかによるのですが、シド・サクソンがGamut of Gamesという本の中書いているのは、5色のチップが様々な組み合わせでプレイヤーに渡され、それをゲーム中に自由に交換、譲渡をするものです。
ハグルのポイントは、このチップがどういう点数になるかのルールが各プレイヤーに部分的にしか公開されていないというところです。具体的には、15個のルールが各プレイヤーに2個ずつしか渡されません。
チップの交換、譲渡とあわせてルールも交換したり見せてもらったり、教えてもらったりで情報収集していく必要があります。
例えば、「赤チップの点は青チップの2倍」という情報を持っていれば、青チップを渡して赤チップを集めようとするでしょう。しかし、「赤チップが得点になるのは青チップの枚数まで」というルールもあって青チップを手放しすぎていると青冷めることになったり、そもそも、「黄色チップの点は赤チップの2倍」みたいなルールもあったりして、チップの交換以上に情報をどれくらい集めているかも重要なゲームです。
今回は3ゲーム遊びました。
1ゲーム目は彼葉さんによるシド・サクソンオリジナルルールでのハグル(ただし、GM除いた14人で遊べるように少し手を入れたもの)で、2ゲーム目、3ゲーム目は参加者の方が作っていらしたルールで遊びました。
1ゲーム目のオリジナルハグルは初めてのハグルということで、どうすればいいのか手探りで、とりあえず、開始時に近場にいた人にルールを色々聞いて、ある程度ルール情報を集めたところでチップの交換に移っていったんですが、チップの交換がなかなか成立しなくて困りました。そりゃあ、赤が高得点という情報を持っている人が赤を出してくれるわけはないですし、逆に点数が低いチップを受け取ってくれることもないのは当たり前です。
ほとんどの方がハグルが初めてで、たぶん経験者よりはルール情報に関する交換がかなり活発で得な情報、損な情報が共有されていたことももあったかと思います。(自分にとって)大事な情報は隠しておかないと交換で大変不便なことになるようです。
(大抵の場合、同じ情報が複数プレイヤーに配られるため、ひとりが隠しても無駄といえば無駄なんですが)
自分が大事だと思っている情報を知らない人を探しだして、かつ、その人と交換し合えるチップをお互いに持っているという状況にならないと交換がちっとも進まないので、ゲームの前半、情報をある程度集めるところまではスムーズでしたが、後半、チップの交換をなんとかしようとしてからは、ちっとも交換が進まずにもう大変でしたw。
色の指定はなく、ある枚数の組み合わせで持っていれば点数が2倍になるという情報を見てからは、とりあえず、これを目指してみようと決め、その組み合わせになるよう交換してくれる人をひたすら探しました。ベストはこの色ではないという色でもとにかく枚数を合わせようと交換するなどして、なんとか作りたかった組み合わせの枚数になったところで終了。
ゲームマスターである彼葉さんがだんだん交換しなくなるから長い時間は必要ないとおっしゃっていましたが、その通りでうまい時間設定だったと思います(確か15分くらい)。
最後まで見ることがなかった情報も5~7つくらいはありましたが、偶然、それらの情報による脱落や失点は回避できており、最終的に思っていた以上に点数が伸びたものの僕と同じで点数が2倍になる枚数の組み合わせのを作っていらした方(要は色の食い合わせが僕と違う)が断トツで勝利されました。
2戦目は情報の種類自体は少なかったのですが、チップに加えてトランプが配られました(情報、チップ、トランプの枚数は全員異なってました)。
1戦目の反省からか情報の授受はそこそこに順位に関係していそうなトランプやチップの交換をみなさん中心に行動されていたように思います。それでも、なかなか成立する交換相手を探すのは難しかったようですが。
そんな中、この2戦目で光ったのは“交易所”の存在。ゲームマスターの隣に設けられたこの交易所は、カードやトランプ、チップなど、今交易所におかれているものを好きなものと交換できる、「拒否されない、必ず交換が成立する場所」で、わざわざ人と話す必要なく交換できるよい仕組みでした。
(詳しくは後述しますが、コミュニケーション中心のゲームなので、あまりこういう仕組みが便利になるのもよろしくないのかもしれませんが、上述のとおり、交換相手を探すのが徐々に大変になっていくのであると助かるのは確かです)
ある条件を満たすと脱落するという情報がいくつかあったので、それを避けるようにはしつつ勝てるようにはしていたのですが、ちょっと情報の解釈を間違えて、答え合わせタイムでは一番初めに脱落した数人に入ってしまいましたw。
脱落した要因は実際に脱落した1つのみで、そこさえ避けれていれば勝てていたようだったので残念でしたが、まあ、それを言い出しても始まりませんね。
3戦目はジャケ写ハグルと銘打たれていて、ゲーム開始後、3分おきにデジカメで写真を撮り、その写真からフォトパーティー(というパーティーゲーム)の要領で点数を得て、合計点を競うというもの。写真の採点は一番最後にまとめてやるのでゲーム中はどれくらいの点数なのかはわかりません。
交換材料として今回配られたのは、得点に関する情報と写真に写るためのチケット。チケットは時間が指定されており、その時間を過ぎると基本的に無用のものになります(正確には違うんですが割愛します)。
最初の写真撮影はあっという間にきますし、そのあとも3分おきにどんどんくるので、この3戦目が一番活発に交換、交渉が行われていたように思います。
設定や得点条件も実際の音楽レーベルやCDのジャケットが元ネタになっているようで知っている方は大変楽しめたようです。僕は疎いのでそういった楽しみはありませんでしたが、ハグルの面白さに加えて、フォトパーティー的な面白さ(得点を取ろうとしてみんなが変な格好で写真に撮られる→変な格好でしばらく止まってないとならない)もあり、げらげら笑えましたし今日のハグルの中では一番楽しかったです。
最後はプロジェクターで元ネタ風に加工した写真と元ネタを並べて見せつつ採点を行い、1位を決めましたが、まあ、順位はどうでもよかったです(といっても、知らない情報で点数が伸びなかったり下がったりすればもちろん悔しいんですし、高得点取れれば嬉しいんですが)。
だいたい3枚くらいずつ写真を撮る機会があったんですが、トップの方は全ての写真で取りえる最高点か、それに近い点を取っていらして、みんなから、おおおおーと賛嘆の声があがっていました。
どういう理由かは忘れましたが、何故か自分の中ではハグルは推理ゲームに近いところにカテゴライズされていました。実際に遊んでみると、そんなことは全くなくて、交渉ゲームであり、とても楽しいパーティーゲームでした。推理ゲームの面白さは情報の授受とその処理部分にあると最近思うようになってきてるので、ハグルでも面白さを感じるポイントは推理ゲームに近いものがあり、遊んでみたプレイ感は別にして、やはり自分の中では推理ゲームと似た面白さのゲームというところにカテゴライズされたままのようではあるんですが。
理想的には全ての情報を手に入れて、最高点になる得点要素の組み合わせを特定し、得点要素の交換でそれを見事に手に入れるということになりますが、情報や得点対象の交換相手全員が競争相手である状況では、理想のプレイをするのは無理ですし、勝ち負けを真面目に考えて勝ちに行こうにもちょっと運要素が大きすぎる(自分が情報収集を止める前までに高得点につながる情報を手に入れ、かつ、高得点に必要な得点要素(チップやカードなど)を手に入れ、かつ、自分の知らない情報で自分が不利益を受けない必要がある、もしくは原因はともかくすべての他人が自分より点数が低い)ので、パーティーゲームとしてとらえてしまいますが、大変面白いゲームには違いありません(チームを組んで、その中の誰かが勝つのを目指したり、何戦もやって勝率をあげていくゲームとしてとらえれば、話は違うのでしょうが、そういう要素を入れれば話が変わるのは他のゲームでも同じなので、あくまでひとりで1回きりで遊ぶとしたら、やはり他のゲームと比べてパーティーゲームよりだとは思います)。
まあ、ある程度以上盛り上がるには、システム的には投げっぱなしなので参加者の大半が、(運ゲーじゃねえかなどと冷めたりせず)情報共有や交換など積極的に勝つための行動をとる必要はありますが、交渉、交換自体が楽しいことですし、徐々に全体像が判明していく過程もまた楽しいので、ここは危惧するような点ではないと思います。
シド・サクソンのルールでは15人となっていますし、大人数で行われることが多いようですが、10人でも5人でも、分割されている情報を集めるというだけでも面白いので、『ハグル』ではなくても、機会があればそういった遊びをやってみてください。
たぶんですけど、ワトソン&ホームズとか、謎解き系のゲームの情報を参加プレイヤーが分割して持って、お互いに交換したり聞きこんだりして情報を集めていくという遊びは大変楽しいものになるのではないかと思います。
看板娘

続いて看板娘の15人戦で遊びました。
看板娘は2003年のSDJ候補にも選ばれているフリーゼのゲームで、アクションポイントを消費して、ゲームボード上を移動して様々なお店により、商品の購入や売却をしたりしつつ、神像を既定数集めるが目的です。プレイヤーが魚屋に入ると、野菜屋で野菜が生産されるというようにお店同士に相関があり、また、ボード上に同じ商品が多ければ安く買えたり、少なくなれば高く売れたりというような、システム上で制御されている商品とお金の動きをうまいこと捉えて、手に入れた商品と神像を交換していって目的を達成するようなゲームです。
このゲーム、通常は3~5人用なんですが、入っているコマの形によって、A、B,Cと箱に書かれており、その3つをそろえることで、最大15人プレイが可能になるという変なゲームです(“最大”なんでたぶん10人くらいいれば3つ使って遊べます)。
通常は、1つのボード内で神像を3つ手に入れれば勝利なんですが、15人プレイ版では3つのボードごとに手に入る神像が異なっており、各ボードで1つずつ神像を手に入れる必要があります。もちろん一番初めに神像3台を手に入れたプレイヤーが勝利します。
この15人版の楽しそうなところは、アクションポイントを消費することでプレイヤーがボード間を自由に移動できるというところです。
始めは各ボード均等にプレイヤーを割り振ってスタートしますが、1つのボードにつくプレイヤー数に制限がないので、あるボードでは15人のうち8人も集まっているけど、一方で他のボードでは1人しかいないという状況が発生します。さらに手番は時間制とかではないので、早く回そうと思えば他のボードとどんどんアクション数の差ができていきます。
そういう同じゲームをやっているのに、ボード(実質的にはテーブル)ごとに進行スピードが異なるという、リアルタイムゲームの要素が入ってくるというか、通常であれば盤外のことでありメタゲーム的な要素が実際のゲームプレイの要素に入ってくるのが大変面白そうというか、フリーゼらしいです。
看板娘自体を僕は初プレイだったんですが、1つのボードに限ってもプレイヤーの動きと島に配置されているお店の自動処理で経済が形造られているところはなかなか他にないプレイ感で面白かったです。
さらにお店は全部で何十枚か用意されているうちの12枚だけを抜き出してボード上にランダムに配置して使うので、お店の種類や配置で経済の回りやすさがプレイのたびに変わるようですし。
今回はスタート時にいた島(ボード)の神像を手に入れてから、右隣の島の神像を手に入れたところで、他の方が3つの島でそろえてしまいゲーム終了となってしまいました。
まあ、せっかくの機会だしと、3人が終了条件を満たすまで続けたところ、この島にいるの自分だけだ!というこのゲームなりの面白さ(複数人で遊んでいるのにソロゲー)も味わえましたし、満足です。

(ずっと俺のターン!(他の卓にはすごい数の人がいることになります))
大変楽しいゲームなんですが、真面目に考えると作りは大変荒いです。
お店の種類や配置がボードごとに異なるのでそもそも経済の回りやすさがスタート時点からプレイヤー間で格差がありますし、他のボードよりも早く手を回した方が当然有利なので、ボード内に早回しプレイヤーが多いか少ないかで、また差ができます。
今回のプレイでは1ボード、早回しのメンツが集まったテーブルがあり、しかも、そこのお店の配置がお金や商品を手に入れやすかったようで、ゲーム終了条件を満たした3人は3人ともこのボード出身でした。
このボードだけサプライからお金がなくなるほどサプライからお金がプレイヤーにわたってましたし、まあ、妥当な結果ではありました。
この差も含めてわいわいと楽しむゲームだとは思いますし、実際楽しかったので、いい経験でした。
1手番の時間が決まっていて、実際にボードについてる人数に手番のまわるスピードが依存した方がゲームとしてはいいんでしょうけど、それやって、競技性あげてもそう面白くならなそうな感じはするんで、これでいいんだと思います。
プレイヤー間で手番のまわる早さが異なるというのも面白いなーと思ってたんですが、よくよく考えてみると、デッキ構築だったり何らかのルーチンを作るゲームで擬似的に実現されてるんですよね。そういうようなゲーム遊ぶことが今後あれば、ちょっと意識してみようかと思います。
15人集めたり、ハグルの用意をしたり、看板娘を3種集めたりは大変だったかと思います。貴重な機会に誘ってもらえたのは彼葉さんにひたすら感謝感謝です。