脱出ゲーム系ボードゲームクロスレビュー(Exit、Escape room、Unlock!)

リアル脱出を意識した脱出ゲーム的なボードゲームが昨年のエッセン以降いくつか発売されました。自分含め、知り合いにそういうのが好きな方が多いので、Exit、Escape room、Unlockの全部を遊び済の方、何人かに声をかけて感想を聞きました。
んで、せっかくなので点数も付けてクロスレビュー形式でまとめてみました。
点数は絶対評価が難しいと判断したので、EXITを基準として5点にしてもらい、それと比較する形でEscapeとUnlock!は、みなさんに点数をつけてもらっています。

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(クリックすると大きくなります)

一部、抜粋の方もいらっしゃるので、以下、ゲームごとにコメント全文です。

EXIT:The Game
脱出マシンH1号:5点、謎解きパズル集である。ひらめきを必要とするものと情報を照らし合わせて作業を行うものがあるが、どれもパッとしないクオリティで、謎解きに連続性がないところも大いに不満。回答用の歯車の出来は素晴らしい。

脱出マシンH2号:5点、一つ一つお題をクリアしていく感じ。良いんじゃないでしょうか。

脱出マシンH3号:5点、何故、“(リアル)脱出ゲーム”と呼ばれているのかあまり理解されていないような作り。具体的には閉じ込められた経緯、謎を解く必然性といった背景、ストーリー性が脱出ゲームとしては大変薄い。唐突に暗号やパズルが出題され、それを解くと理屈はわからんが扉が開くというような「理屈はわからんが、とにかくそういう奴の家に捕まっちゃったから」という理不尽だけどしょうがないよね、だってそういう奴の仕業だからという大変便利な設定にパズル集をのっけただけ。みんなでパズルを解くのは楽しいという点のみがゲームしている。だされる謎(パズル)にもストーリー性などなく、別のものに変わっても何ら問題はない雑さ。
ヒントは数段階にわかれて謎ごとにカードが用意されている形式。ストーリーがないため、突拍子もなく感じて若干解きにくさのある謎ではあるが、個々の謎に対するヒントがそれなりに充実しているのでヒントを見れば解けない謎はないと思われる。解答も入っているので、ヒントを見てもどうしても解けない場合は、解答を見て次に進むこともできる。そのため、ちゃんと最後までいけるのは好印象。

田中さん(仮):5点 「Exitを5点にしてそれを基準にする」といわれたので5点。リアル脱出としての評価は0点


Escape room:The Game
脱出マシンH1号:6点、脱出することとは実際は関係のないクロスワードを主とするスクラップ式脱出ゲームとは違った切り口で、実際の脱出/事件解決の手順をデフォルメして謎解きにしているというのがいいところ。ただそれ故に謎解きに対するとっかかりがなく遊びづらいし、謎を探すこと自体もゲームに含まれているため、投げっぱなし感が強い。目玉である脱出ゲーム機械がちゃちいのと、この機械ならではの面白さに繋がっていなかったのも残念。制限時間があることと時間経過でヒントが出るシステムは良い。

脱出マシンH2号:5点、変な箱で色々やります。良いんじゃないでしょうか。

脱出マシンH3号:7点、ギミックというか、“モノ”にこだわっているのはリアル脱出を意識しているのか非常に良い。ただ、“リアル”にするためにモノが入っていることもあれば、使うと解きやすいから入れてみましたや、なんでこれ入ってるの?みたいなものまであって、加点要素ではあるものの大半は正直微妙。あくまで大半であって、もちろん一部の“モノ”を使う謎解きは楽しいし、活かされている。

入っている4シナリオのどれにも見取り図?というか部屋の様子が書かれた大判の紙が必ずあり、その中から謎解きに必要な情報を探したり、見取り図上でちょっとした作業をして謎解きしたりするのもリアル脱出の楽しさとは何か?を意識した作りで実際に遊んでいて楽しくはある。
モノや見取り図と、全体的にテーブル上に擬似的に脱出空間を作ろうとしている感じでリアル志向といえ、そこは高評価。

ただ、コンポーネントのリアル志向に対して、謎はこじつけ感のあるものが多く、ストーリーとの関連性が薄く、理不尽さを感じるものがあるのが残念。あと、各シナリオとも制限時間は1時間ではあるが、作業量が均一でない(一部シナリオはマジで間に合うのかこれ)のもどうかなと思う。ヒントが経過時間に従って出てくる(用意されているヒントカードを見ても良いと言われる)形式で、プレイヤーが見たいヒントを見れないのはいかがなものかと思う。時間経過による形式にしたせいでせいぜい1時間の間に出せるヒントは10枚という枚数の制限がうまれており、十分なヒントが用意されてるかは少々疑問。といっても、解答も同梱されているので解けなくても解き方を知ることはできる。

田中さん(仮):6点 Exitより多少はマシ。リアル脱出を目指してリアル脱出になれなかった悲しい存在

Unlock!
脱出マシンH1号:8点、カードとカードを組み合わせるというのがアンロック式。例えば、缶と缶切りを組み合わせることで、缶が開くのような感じ。このシステムによって、実際にその場にいた際にとる行動をシミュレートでき、クリエイティブな謎解きが可能になっている。謎のクオリティもただの情報整理というのはほとんどなく、閃きが必要だったり注意力が必要だったりと脱出ゲームの醍醐味を味わうことができる。アプリによる時間制限やヒントの出し方も秀逸。多少無茶な謎もあるけれど総合的な満足度は高い。

脱出マシンH2号:6点、ヒントが豊富で詰まったときにストレスが少なくて良い。おすすめです。

脱出マシンH3号:9点、モノにせよ見取り図にせよ全てをカードにしてしまい、数字やアルファベットで間接的に示せるという形式にしていること、2つのモノを組み合わせる際にはカードの番号を足し合わせる、アプリを使うというこのゲームなりの3点がゲームを面白くさせる、プレイアビリティをあげることに寄与していて、高評価。

リアル脱出ゲームをテーブル上に納めるというコンセプトは他の脱出ゲーム系ボードゲームと同じものの、あくまでボードゲーム(カードゲーム)の枠組みの中で実現させようという全然違うアプローチなのが興味深く、また、実際にボードゲーム(カードゲーム)としての面白さが加味されている。

基本的にはカードの組み合わせで謎を解くというフォーマットのため、謎の難易度は全体的に高くはない(僕が理不尽さを感じたものは1つのみ)。ヒントも、アプリから出されるため更新ができるという強みがある(発売後に何個かのヒントは改善されている模様)上に、全てのカード単位にヒントが設定されているため、1つの謎につき最低2つはヒントがでるなど、かなりヒント周りは充実している。ただ、「解答を見る」という選択肢はないため、アプリにパスコードを入れる部分で詰まるとクリアが不可能になるのは欠点(カードの組み合わせがわからなければ残りのまだ公開されていないカードを全て見るという禁じ手もとれはする)。
1シナリオ60枚ほどのカードのみというコンポーネントのため、拡張性が高いのも良い。

田中さん(仮):7点 リアル脱出ゲームとは別物。昔のコマンド選択式アドベンチャーゲームぽい。楽しくはある

【総括というか雑感】
※僕もレビュアーの誰かひとりではあるんですが、3つ遊んでみて思ったことをつらつらと。

何人か集まってみんなで謎を解くという行為自体が楽しい&協力し合うこと自体が楽しいので、基本的には3つとも僕は楽しめましたし、謎解きや協力という行為自体が嫌いな方以外はどれも楽しめると思います。

ただ、今回の4人とも理由の差や得点差はあっても、アンロックを一番面白いと言っていることは間違いないですし、やはり謎の出来、遊びやすさなどの面で、リアル脱出系ボードゲーム黎明期の作品といえど、出来栄えの差はあります。

リアル脱出系のゲームを遊ぶ際に面白さに直結するほど重要なのは、“如何に解かせるか”だと思っています。簡単すぎればやり応えがなくなり、それはそれでダメではあるのですが、難しすぎるよりは遥かに良いです。容易に解けない難易度の謎を作り、その問題が解けないまま何分も経たせると、どんどんゲームに対する不満がたまっていきます。解くためには基本的には解き方をひらめくしかないのですが、悩む時間と解き方をひらめく確率が比例するかというとそんなわけはなく、一定時間以上ははっきりいって無駄な時間です。悩んだ時間が長いほど解いた時のカタルシスは半端ないという考えもあるでしょうが、何人か集まってゲームとしている中で、ひとりのカタルシスのために残りのメンバーに不満を感じさせるのは良いこととは思えません。

そんなわけで、ヒントの出し方、使い方が脱出ゲーム系ボードゲーム自体のポイントであり、遊ぶ際のポイントでもあると思ってます。脱出:ザ・ゲーム、アンロックと日本語版も予定されていて、多くの方が遊ばれるでしょうが、さくっと見てしまおうぜとか、何分詰まったら見ようとかといった、ヒントの使い方は事前に軽くでも話しておいてもいいかと思います。繰り返しになりますが、ヒントを見ないで延々と悩むのは何人かでボードゲームを楽しむという観点からみれば大いに間違っていると僕は考えます。解答が添付されているゲームなら、さくっと解答を確認することすら僕はおススメします。
これらはあくまでボードゲームの一種であり、ボードゲームであるからには参加した面子が、等しく楽しい時間を過ごせることが理想かと思いますので。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
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