ポーカーブル/Poker Bull

(6人でインスト込み3,40分ほど)
【概要&ルール】
ダイスゲームの“ブラフ”をトランプを使ってするようなゲームです。
全プレイヤーに手札として既定枚数のトランプを配ります。次に手番プレイヤーが全員の持っている手札をあわせればできるだろうと思われるポーカーの役を宣言します(5のワンペア!とか)。これを左隣の人が受けて、“さらに強い役を宣言するか”、“そんな役はない!とダウト宣言するか”のどちらかを行います。
強い役が宣言される間はどんどん隣の人へ隣の人へと手番が移っていきます。ダウト宣言されたら全員が手札を公開しその時宣言されていた役があるかを確認します。
全く同じ役が全員のトランプをあわせて作れれば、ダウト宣言が失敗、役が作れなければダウト成功です(宣言よりも強い役が作れたとしても宣言の役が作れなければダウトになります。例:5のスリーカードの宣言にダウトされて、5のスリーカードは作れなかったがKのスリーカードは作れる状況だった。これはダウト成功です)。
(トップの画像が全員が手札を公開したところです。この時だと10と8のワンペアができてます。が、宣言されてなければ場全体でどんな役ができていようが関係ありません。)
失敗したプレイヤーはチップを受け取ります。このチップが規定数に達したら脱落です。
最初に配られるカードの枚数はチップの枚数と等しいので、失敗すればするほど手札は増えます。つまり、ゲームが繰り返されるほど登場するカードが増え、より強い役の宣言が通りやすくなります。
宣言できる役は、1枚、ワンペア、ツーペア、スリーカード、フルハウス、フォーカード、ストレートフラッシュです(普通のストレートとフラッシュはなし。ジョーカーもないのでファイブカードもありません)。
【プレイ内容】
Blueroseさん、一味さん、タロ吉さん、ウキンさん、JOSSさん、僕の6人で。
ここ2、3ヶ月で僕のよく見るブログやツイッターのTL上でよく遊ばれるようになってきたゲームで、ちょっと気になっていたのですが、ちょっと長時間ゲームが続いて疲れたが、解散前にもう1ゲームというタイミングでBlueroseさんに遊ばせてもらえました。
最初はみんな1枚ずつしか配られないので、全員分でも場には6枚しかありません。これは流石にワンペアすら危ういだろうということで、「8が1枚」などの1枚の宣言で手番がまわっていきます。競り上げないとならないので、ワンペアというしかないことになった方が、これまでに宣言されていた数字の1つを使ってワンペアと宣言されましたが、ダウトと指摘されて公開→当然ダウト成功。
そもそも僕が「9が1枚」と宣言したとして、僕が持っているカードが9なのかどうかはわかりません。しかし、それくらいしか情報がないので、まあ、全く新しい数字を言うよりもマシかと、どなたかが「9のワンペア」と宣言して…と続いて、いざ全員のカードを公開したら9は1枚もないということがありえます。が、そんなもんです。
1枚もないじゃないかーとか盛り上がるのでOKOKです。
全員の手札が2、3枚になってくるとワンペアは当然できてきます。
先手番の人がワンペアと宣言したのと同じ数字が手札にあれば、スリーカードすら宣言できるようになってきます。
まあ、これも同じで先手番の人が手札だけでワンペア持ってるわけというわけでもなく、むしろ、他人の手札にその数字があることを期待しての「ワンペア」宣言だったりするので、スリーカード!とか言われると、元々ワンペアと宣言した人は、え!?そんなにあるの!?と内心驚いてたりすることもよくあります。
スリーカードがでてくるようになると、別の数字のスリーカードにするよりはマシと判断される方が多かったのか、すぐにフルハウスがでてきます。もうすでに宣言されている数字のスリーカード+自分の手元にある数字のペアでフルハウスというわけです。
数字を全部合わせる必要があるので、フルハウスまでくるとそうそうあわないんですが。
みんな手元の数字とこれまでの宣言を参考にしつつ競り上げていくことが多いのですが、そんな中で、
「Kのワンペア」
「Kと5のツーペア」
「Kと9のツーペア」
「6のスリーカード」
と、これまで宣言されてなかった数字で一気に競り上げてくると、意味なくリスクとらないだろうから、これは手札に揃ってるな!?と、突拍子のない宣言のほうが妙に説得力があります。
(この後、フルハウスの流れになったんですが、案の定、6のスリーカードは成立してませんでしたw)
勝負自体は、手札が多い人が情報多くて正解の宣言を言ってるように見えたり、負けてない人を狙ってダウトしたりということで、全員がバランス良く2枚→3枚→4枚→5枚になって脱落者が二人出たとこで終了しました。
僕は途中までは調子良かったんですが、みんな4枚になってスリーカードの場になってたので、まあ、ダウト宣言されないだろうとしたAとKのツーペアという宣言を、ウキンさんに「間がなくて競りあげづらい」とダウト宣言されて失格になりましたw。
(Aのペアはあったんですが、Kが1枚しなかった)
【感想】
正直な話、開始した直後の数戦、みんなの手札が1、2枚の時は、あまりに宣言に根拠をつけられないので、(根拠と言っても所詮勘ではあるんですが)大丈夫なのか?面白くなるんか?と思ってました。
が、みんなの手札が2,3枚になるくらいになると相場感というか、これくらいの役ってあり得るんだという感覚が徐々に出来上がってきて、相手のその感覚を如何にぎりぎりで下回れる宣言ができるか、または、自分の好手札を活かして相手をだませるか(ダウト宣言させて失敗させられるか)という、いつものブラフゲームの楽しさがちゃんと出てきました。
5,6人で遊んだとして、最初は場の全カードが5,6枚でワンペアでさえなさそうな枚数、終盤、全員の手札が3,4枚になってきた時には場の全カードが20枚前後でツーペアはできてそう、スリーカードは数字に依ればというような枚数になります。ちゃんと確率計算すればはっきりわかるんでしょうが、まあ、感覚的には終盤でも(このゲーム、役だけでなく数字も宣言しないとダメなので)フルハウス、フォーカードでの宣言をするのは大変厳しそうです。
でも、毎回毎回、ダウト宣言後には場の全カードを公開して、宣言の役ができているかを確認する際に、否が応にもどんなカードがあったのかは目に入るので、あ、この枚数でもスリーカードできるんだとか、フォーカードできてるじゃん!というのが、全プレイヤーの頭に刷り込まれます。
この刷り込みが効いてきて、冷静に考えてその役出来てないだろと考える頭と、でもさっきの場だともっと上の役ができてたんだよな…という頭とで迷いも生まれます。ブラフゲームはありえないほどの高ビッドがでてなんぼですからね!
宣言失敗するたびに手札が増えていくのも、カード増えてるんだし、ワンチャンあるかも…と“あり得ない高ビッド”に向かわせる良い仕組みだと思います。
確率的にはありえないレベルの高ビッドになるのは、数字の種類がブラフなどと比べて多い(ブラフだと1~6なのに対して、ポーカーブルは1~13)ため、手役の価値が非常に高いというのも関係していて、手札が3枚あれば手役だけでかなり強い役であるスリーカードが成立→通常ではほぼ成立しないフルハウスも視野に入るという流れも関係してます。プレイ内容に書いたような急に宣言が引き上げられるのも、ああ、手札がいいんだろうなと信じてしまうんですよね。
これが全部間違いで必ずダウトされていれば、話は違ってくるんでしょうが、あり得ないだろーと思っていても、ゲーム中に数回はそのあり得ない高ビッドが成功しちゃったりするので、高ビッドでもあり得るかも?とつい思ってしまい、高めの宣言が飛び交う展開になって盛り上がるので良いところです。
引き直し(自分の持っている情報の更新)がないのが、ブラフゲームとしてこのゲームの独特な部分で、このおかげで最終的には相手の引き運、ダイス運をその場その場で判断することなりがちなブラフゲーム(※)の中で、これまでのプレイヤーの宣言の変遷がどうだったからとかいう、経緯を元に判断するゲームになってます。
※カードの引き直し、ダイスの振り直しがあるため、その時の宣言に対してその時点で有効なカードが引けたか、ダイス目を振れたかのみをそれまでこととは無関係に確率と相手の今の振るまいから察することになります。
まあ、それで面白さが劇的に変わってるわけではないんですが、1ゲームごとに公開されたカードを見ながら感想を言い合うところで、当事者同士と関係なく常に全体を見た発言がでるようになったり、他ゲームでは他ゲームが宣言の強さに上積みするのに対して、ポーカーブルでは宣言の強さよりもそれまでの流れを加味した宣言しやすさが重視されたりと、(意識して遊ぶわけではありませんが)このゲームなりのプレイ感を生んでるように思います。