タイニー・エピック・クエスト/Tiny Epic Quest

(3人でインスト込み2時間ほど)
【概要&ルール】
ゴブリンたちとのあの伝説の戦いを知っておるだろう?あの伝説の勇者たちのあの活躍譚を。
あの国中をあの勇者たちが駆け回り、数々の冒険をこなして武器を集め、今では“伝説の武具”と呼ばれるようになった、あの3種の神器を手に入れ、ゴブリンたちを殲滅したあの戦いを…。
昔あったゴブリンたちとの戦いを振り返るというような設定で行うゲームです。プレイヤーたちの一挙手一投足が伝説となり、語り継がれているというような体です(ゴブリンを倒すという目的はありますが、既定ラウンド後にコマは残っていても「ゴブリンは全滅し、平和が訪れた」といってゲームは終了します)。
ゲームは既定ラウンド終了後に、手に入れた武器や魔法、達成したクエストなどから点数を得て、それが最も多いプレイヤーが勝利します。
1ラウンドは昼フェイズとと夜フェイズにわかれています。
・昼フェイズ
各プレイヤーは3つずつ自コマを持っています。それらを目的地まで動かすのが昼フェイズになります。
手番プレイヤーが指定した移動方法で全プレイヤーが1コマを移動させ、手番プレイヤーが右隣に移り、また移動方法を指定し…というのを既定回数繰り返します。1度誰かが指定した移動方法は同ラウンド中は使用できません。

(こんな感じに移動手段のカードが並んでいます)
マップ上には、試練を受けられる神殿、倒すべきゴブリン、魔力を上げるためのほこらなどがあり、この後、冒険するための場所に昼の間に移動しておくということになります。
・夜フェイズ
昼フェイズに移動した場所での冒険を行うフェイスです。手番プレイヤーは手番開始時に冒険を続けるか、休憩するかを選択します。
冒険を続ける場合、既定数のダイスを振り、その結果を解決します(振り直し不可)。

ゴブリンの攻撃:プレイヤーがダメージを受けます。
パワー回復:プレイヤーのパワーが回復します。
魔法のキノコ:魔法を習得するためのトラック上をキノコが先に進みます。
巻物、たいまつ:神殿内で冒険しているコマが出目の数に応じて先に進みます。
ゴブリンへの攻撃:ゴブリンと戦っているコマがいる場合、相手のゴブリンにダメージを与えます。
ゴブリンの攻撃とパワー回復の目については、手番プレイヤーから順に1つずつ適用されます(例えば、ゴブリンの攻撃の目が2つ出た場合、手番プレイヤーが2回ダメージを受けるわけではなく、手番プレイヤーと左隣のプレイヤーが1つずつダイスを受け持ち、1回ずつダメージを受ける)。キノコは全プレイヤー共用のキノココマが進みます。巻物、たいまつ、ゴブリンへの攻撃は全プレイヤーが出目分の回数、自分のコマに効果を適用できます。
出目の解決時にパワーを消費することでダメージを回避したり、巻物やたいまつ数を増やしたりすることができます。
手番時に冒険をやめると神殿内でまだクリアできていないコマを除き、プレイヤー自身の城に全てのコマが戻ります。この時、ゴブリンを倒していればライフの最大値が、魔法を習得できていればパワーの最大値があがります。その後、戻ったコマ数分、ライフかパワーを回復させることができます。
もし、冒険をやめる前にダメージが蓄積し、ライフがゼロになったら、死亡ということになり全てのコマが城に戻ります。この時点でクリアしていた冒険があっても無効となります。
いずれかのプレイヤーが冒険をやめるか、死ぬかしたら、残ったプレイヤーで冒険を続けます(ダイス目は冒険を続けている冒険者のみに適用されます)。
全員が冒険をやめるか、死亡したらフェイズ終了で、倒されたゴブリンの補充などを行った後、次ラウンドを始めます。
規定のラウンド数が終了したらゲーム終了で、魔法、クエストクリア数、ゴブリン討伐数、装備している伝説の武器数に応じて点が入ります。最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
・クエストについて
クエストカードというのがあり、場に常に既定枚数が公開されています。クエストにはクリアのための条件が書かれており、達成すると即座に獲得できます。

(これはクリア後に手に入れたカードを並べてるところですが、クエストカードはこんな感じです(※持ち主の方が日本語化されてます))
マップ上で自コマが条件(コマ同士が3マス以上離れているなど)を満たせば達成できるもの、指定された神殿をクリアすると達成できるものの、大きく分けて2種類あります。神殿クリア系のものはカード獲得時に、同時に装備も獲得できます。装備には、移動方法を無視して特定の移動ができるなどの特殊能力が設定されており、コマに装備して使います。
この装備のために自コマであるミープルには、手の部分に穴が開いています。

(装備ラック)
【プレイ内容】
ウキンさん、しのぽさん、僕の3人で。ウキンさんは何回か目、僕としのぽさんは初プレイです。
見た目がすごい良かったので遊んでみたい!とウキンさんにお伝えしていたところ、持ち込んでいただけたので遊んでみました。
昼にできることは、夜の冒険に備えて神殿などに移動しておくか、もしくは、移動後即発動する特殊効果の書かれたほこら?(うろ覚え)にいって何らかの効果を発動させるかです。
初プレイの1ラウンド目で右も左もわかりませんが、とりあえず、夜フェイズのダイス目は普通にいけばある程度分散するだろうと、自分の3つのコマを
・魔法の習得
・神殿の探索
・ゴブリン討伐
に向かわせました。
魔法の習得はダメージの支払いを無しにしたり、伝説の武器の効果を発動させるのに使うパワーの上限をあげてくれます。ここの仕組みがちょっと変わっていて、今の自分の魔法レベルに対して、いくつレベルをあげるか?を考えて、習得にあった神殿?(だったかなー)にまず、コマを移動させて夜を迎えさせます。今のレベルが3(クモマークのとこ)だとしたら、レベルを3あげたければ、クモから3つ上のイルカの神殿に、1つでよければ犬だかウサギだかの神殿に移動しておくことになります。
その後、夜フェイズでキノコの目がでるたびにマジックトラック上をキノココマが進みます。マジックトラックは0のエリア、1のエリア、…、3のエリアと区切られており、プレイヤーが冒険をやめることを選んだ時にあげようとしていたレベル以上の数字のエリアにキノココマがあれば、目的達成ということで、魔法レベルアップ→パワー上限アップとなります。
このマジックトラックはゴブリンからのダメージ量も表していて、0~1エリアではダメージ1、2エリアではダメージ2、3エリアではダメージ3とキノココマが進めば進むほど、ゴブリンから攻撃を受ける目がでた時に受けるダメージがあがります。

(マジックトラック)
プレイヤー1人が移動方法を選択して、その移動方法でみんな1つずつ移動、次のプレイヤーが移動方法を指定~というちょっと変わった移動方法に最初はとまどいましたが、このラウンドで行きたいところを初めに決めておいて、そのなかに特定の移動手段でないと移動できない場所があれば、それを忘れないようにするというやり方でだいたい思い通りの移動ができました。
各ラウンド1つは選ばれない移動手段ができること、何人(何コマ)入れるか上限が場所ごとに設定されていることから、どうやっても無理!という場面もなくはなかったですが。
各プレイヤー、伝説の武器を手に入れるために必要な冒険が設定されており、例えば、僕なら伝説の剣を手に入れるために、炎の神殿をクリアした後に氷の神殿をクリアする必要があります。
伝説の武器は、剣、盾、杖と3つあり、それぞれ特殊能力が設定されているのですが、カッコいいから程度の理由で剣から手に入れようとこのラウンドでは炎の神殿に挑みました。
そして、初めての夜フェイズ開始です。
ウキンさん、しのぽさんはおふたりともゴブリンと神殿探索×2。魔法いったの僕だけかと思いはしますが、このゲーム、振り直しがないので他人にしか利益のない目でも振ってしまうとそのまま確定するので、人と欲しい目が被っている/いないのメリットデメリットはあまりありません(自分のやりたいことが終わるまで冒険をやめられないので、被っていた方が最終的には得と言えば得です。自分だけ残ってダイスを振るのはダメージ&死亡のリスクが高いので)。
1ラウンド目でパワーもライフも初期値とはいえマックスなので、全員、無事に全冒険を達成してから冒険をやめると選択できました。
神殿探索は巻物かたいまつの目で先に進め、最初の内は1ダイスで1歩なのが、後半には1歩進むのに2つダイスが必要と若干進みにくくなるんですが、パワーを消費すれば巻物/たいまつの目がもう1つあることにできるので、それを使ってなんかクリアできました。

(神殿はこんな感じで各マスに進むのに必要なたいまつ/巻物の絵が書かれてます)
僕としのぽさんは神殿の探索は伝説の武器を手に入れるためだけに行いましたが、ウキンさんはあわせてクエスト「XX神殿をクリアせよ」も同時に達成されてました(場に対象カードが公開されてないとダメなので運といえば運なんですが)。
これでウキンさんが手に入れたのは、(伝説のではない)杖。装備したコマは選ばれた移動手段を無視して隣接マスに移動できる能力がついてます。どういう能力かはクエストカードに書かれているので、見ればいいんですが、条件しか見てなかったこともあり、かなり強めの能力がついてるんだなーと軽く驚きました。
移動系のクエストは達成が簡単なこともあり、みんな順繰りに達成しているような形に。最初は移動回数が1ラウンド4回しかないので、夜フェイズに行っておきたいところがうまくクエストのお題と被ってないと難しいと思っていたのですが、『任意のコマを最大3コマ移動させる』即時効果のほこらをうまく使えば移動回数を確保しつつクエスト達成できるというのをウキンさんが初手からやってくれたので、真似してました。
神殿探索系のクエストは、装備が手に入るのはいいんですが、コマが3つしかないので、今回のウキンさんみたいに伝説の武器の条件と一致しないとなかなか行き難いです。
などと考えていたら、2ラウンド目、いくつかの移動系クエストをクリアして新しく出てきたクエストはまさに僕の伝説の武器獲得の条件となっている神殿探索が達成条件に!
しかも2枚もそうなったので、よっしゃよっしゃとこのラウンドは神殿探索×2とゴブリン討伐にいきます。
しかし、しのぽさんも(武器の種類は異なるものの)伝説の武器と被っていたらしく、全く同じ神殿にやってきます。
この場合、先に最奥までたどり着いたプレイヤーではなく、最奥までたどり着いている状態で、冒険をやめるを選択したプレイヤーが「先にクリアした」扱いになり、クエストカードを手に入れられます。
冒険をやめる/続けるの選択は、手番がまわってきた時なので、ベストなのは自分の上家のプレイヤーのダイスロールで最奥到達→自手番でやめる選択の流れです。
どちらが先に最奥にたどり着けるかドキドキしていましたが、お互いにダイス運が悪く、全然神殿で先に進める目がでません。じりじりとした展開になりましたが、結局、ウキンさんの手番でしのぽさんが2つの神殿とも最奥に到達。その次の手番である自手番で冒険やめてクエストカードを2枚とも持って行かれてしまいました…。
まあ、仕方ないですが、装備を手に入れられているのは正直うらやましいです。
僕も今回の神殿クリアで伝説の剣はゲットできました。伝説の剣の効果は「ゴブリンへの攻撃時、パワーを消費するごとにダメージを追加できる」です。

(メモみのある画像)
3ラウンド目、ウキンさんがインスト時に4人プレイだと倒されすぎてゴブリンが足りなくなると聞いていたのですが、3人だから大丈夫かと思っていたら、ふと見たストックが案外少なかったので、よし、武器もとったしゴブリン退治に精を出してみるかと3コマともゴブリン退治に派遣してみました。
が、これが大失敗。
ゴブリンへ攻撃する目が全然でません。初めに1つでてから、ずーーっとでず、ようやく出たのでパワーを注ぎ込んでなんとか1体倒せましたが、マジックトラック上をキノコがすごい勢いで進み、2ダメージ、3ダメージとゴブリンからの攻撃のダイス目1つから受けるダメージがどんどんあがります。いや、これ死んじゃうわとまだ1体しか倒せてませんが、冒険をやめるのを選択して退却。
僕はこのラウンド得たものはゴブリン1体のみと、明らかに点数的には失速してます。
こりゃあ、まいったなあと思い、初心に戻って地道に色んな冒険にコマを散らし、出目が偏らなくても大丈夫なようにしました。
とりあえず、これがうまくいき3ヶ所とも今度は成功。さらにようやく神殿のクエストをクリアして装備も手に入れられました。とはいえ、ライフを任意のタイミングでパワーに変換できるという、使うタイミングが難しいやつでしたが。
(夜フェイズ前にダイスを振ってゴブリンに先制攻撃できる効果のや、パワーを回復できるのとか、隣接マスにいるゴブリンを殴れるのとかあります)
最終ラウンドもバランス戦術でゴブリン退治、神殿探索、魔法習得の3つを選択しました。
この前のラウンドで伝説の杖を獲得していて、冒険をやめる時にパワーを消費すればマジックトラック上のキノココマを実際の位置より前にあることにして、魔法習得の判定ができるようになってます。ゴブリンからのダメージを減らす伝説の盾はありませんが、昼フェイズの内にライフを回復できるほこらに行ってライフはほぼマックスになってます。パワーは3程度しかなく、ちょっと不安ですが…。
僕は途中の失敗がありましたが、みなさんの得点要素を見たところ、ウキンさんは魔法レベルは高いですが、クエストのクリア数が少ない、しのぽさんはクエストのクリア数が僕らより2つほど多いです。ゴブリンの退治数はみんな同じくらいです。
全ての得点要素は数が増えれば増えるだけ得点効率がよくなり、かつ、魔法レベル、ゴブリン退治数、クエストクリア数の中では、クエストクリア数の得点効率が一番高いです。ということで、しのぽさんにこれ以上、クエストクリアされると他の項目で勝っていても負ける可能性が非常に高いです。
そんなわけでクエストクリアはなんとかして、とめたい…と思っていると、僕と同じ神殿探索のクエストをクリアされようと、同じ神殿にコマを移動させました。
ちょっとこれは負けるわけにはいかんな!とちょっと神殿内を進むために多めにパワーを費やし、先に最奥までたどり着きました。しのぽさんはほぼパワーがないので、運がよくない限りは奥までこられることはないです。しかし、今回はキノコの目がでず、ゴブリン退治も終わってるのに魔法の習得に必要なところまでキノコが進んでくれません。
しかも、しのぽさんが巻物の目をご自分で2つだし、最奥に到達。そして、僕の手番に。
伝説の杖の効果を使おうにもパワーがないので、使えません。魔法をあきらめて冒険をやめるか? でも、それだとたぶん点数が足りない。たぶんしのぽさんは次手番で冒険をやめるので、クエストカードを取られてしまう…。うーん、どうするか!?と悩んでいましたが、あ!とクリスタルの存在を思い出しました。
ライフは幸いまだほぼ満タンだったので、必要な分だけパワーに変換、伝説の杖の効果にまわして、キノコを進めた上で冒険をやめてクエストカード獲得!魔法も習得成功!
やったぜ!と気分が盛り上がってゲームは終わりましたが、3ラウンド目の失敗が効いて、得点要素1つ分くらいの差でしのぽさんが勝利されました。

(最後のうちのコマ達)
【感想】
冒険をこなしていって徐々に自コマが成長していく過程が楽しいゲームです。神殿をクリアすると装備が手に入るとことか、デジタルゲーム(ゼルダとか)ぽくて、遊んでて楽しいです。
システムは非常にライトです。
夜に関してはどこまで残るか、それとも先に抜けるかという選択や、パワーの消費タイミングをどうするかというちょっとした悩みどころはありますが、振り直しもなく、一投で全部決まるため、基本的にはかなりの運ゲーですし、昼もどうすれば行きたい場所に全てのコマを移動させられるかというパズル的な考えどころはありますが、考えたら最適解がひらめくというようなものでもなく、行きたいのにどうしても行けないという状況がでてくるだけで単純なものです。
昼の移動に関しては今回のプレイでも(書いてはいませんが)、残りの移動手段はこれだから、ここに移動してしまえば下家の移動先をなくしてしまえるなというような手が打てる場面が数回ありましたが、そこで絞り合ったり悩んだりするようなゲームではないとは思います。
まあ、今回は3人プレイで移動先に結構余裕があったせいでゆるいなという感想になってしまっていて、4人だとちゃんと相手の行きたい神殿を考えて、被りそうなら先に行くようにするなど考えるゲームになるかもしれませんが。
勝ち負けに関しても、クエストクリアは神殿が伝説の武器のとこと被ったり、移動系クエストで目的地と条件が被ったりすれば、有利は有利ですし、クエストクリアの点数は効率的にかなり良いので、都合の良いクエストが手番開始時にある人と、ない人では点差はでます。
とはいえ、そもそも、クエストカードの得点効率を落としたり、共有の場に置くのではなく、個々人に持たせる、神殿を特定しないなどなど、運の偏りを回避する方法はいくつかあるのに、それをしていないということは、そこまでガチガチに遊ぶゲームなのではなく、ロールプレイ的に冒険に行く先を決め、ダイスで一喜一憂し、装備をつけたコマをみてニヤニヤしあうという楽しさよりのゲームなのだと思います。
(そして、それが楽しかったので、それで良いのだと思います)