サミット/Summit

(3人でインスト込み2時間ほど)
我々は山頂(サミット)を目指す。時には協力し、時には競いあいながら、自然の脅威に立ち向かい、その頂きを征服するのだ。
※サミットは協力ルールと競争ルールがありますが、この記事では競争ルールについて書いてます。
山登りをするゲームです。
プレイヤーは登山家の一人になり、山の頂上を目指します。ハーフキャンプ、山頂、ベースキャンプに到達した順位と山での行いに依る点を合計し、最も高いプレイヤーが勝利します。
各プレイヤーが自分の状態を表す個人ボードを持っています。所持している食料、酸素、荷物の重さ、ライフ、歩行スピードが示されます。
食料や酸素、アイテムは一定量持つと”重さ”があがり、重さが一定以上あがったり、ライフが減ってくると歩行スピードが落ちます。重さが下がる(軽くなる)、ライフが回復すると歩行スピードがあがります。

(個人ボードです。ダンベルアイコンの上を食料や酸素を示すキューブが通過すると、そちらの方向に重さを示すキューブが移動します。重さやライフのとこにあるクツアイコンの上を通過すると歩行スピードを示すキューブが移動します。また、各パラメータお最大値や重さ/スピードの変化のしやすさは個人ボードごとに異なっています。写真の赤はパワータイプなので、重さの最大値が高く、食料などに依る変動も少ないです)
手番には、歩行スピードの数字分、ボード上にある結び目を進めます。もし、結び目がない(登山ルートが確保されていない)ところにきたら、結び目の書かれた手札をプレイして登山ルートを作って、その上を進みます。
また、進まずに手札を入れ替えることなども出来ます。
その後、天候ダイスとイベントダイスを振り、出た目の指示に従います。天候ダイスは大抵雪が降って食料を失い、イベントダイスはイベントの目がでたらろくでもないことが起こるイベントカードを引きます。
これを時計回りに、全員が死ぬか、ベースキャンプに戻るまで続けます。
・カルマカード
他人に手を貸したり、嫌がらせをしたりする特殊カードです。使用制限は特になく、使うと補充されますが妨害系のカードはカルマが下がり、手助け系のカードならカルマがあがります。
・得点
登山時に、中間キャンプ(上り)、山頂、中間キャンプ(下り)、ベースキャンプに到達した順位により点数が入ります。
また、カルマが高ければプラス、低ければマイナスの補正が入ります。
【プレイ内容】
キノさん、一味さん、僕の3人で。
キャラクターごとに個人ボードが細かく違うので、本当はどういうキャラクターがいいか考えて選んだほうが良いとは思うんですが、ランダムで選んだ結果、力は無いがライフの最大値とスピードが高めのドイツ人に。
一味さんはパワー重視、キノさんはライフが低い代わりに食料をたくさん持てるキャラです。
ゲーム開始時にアイテムカードをドラフトします。
山札から3枚引いて、1枚とって左に渡し…というやつですが、アイテムには全て重さがあり、食料や酸素を持つ量によってはほとんどアイテムを持てなかったりするため、取らないという選択肢もあります。
僕は重いアイテムばかり来たので1枚も取らずにゲームスタート。一味さんが獲得された「アイテム1つの重さを無効にする」アイテムがとても羨ましかったですが、まあ、仕方なし。
ベースキャンプや中間キャンプでは、好きなだけ酸素や食料を補給できますし、手番を消費すればアイテムも山から引けます。
アイテムは何かしら持っていた方が良いかと思うので、何回かドローしてみましたが、なんかイマイチだなあということで、ダメージを1回軽減できるヘルメットと、1手番だけ移動力をあげるロープだけ確保しました。
あまり力のあるキャラクターではないので、とりあえず中間キャンプまで行ければいいやと酸素や食料は少なめにして、歩行スピードを確保しました。
それでも手番差の関係で一味さんが先にスタート、それに僕は慌てて続く格好に。
キノさんはアイテムを集めるということでまだキャンプに残られました。
同時にスタートしていますし、お互いに最短ルートを進もうとするので、同じ登山ルート状を登ることになります。”ルート”といっても結構な厳しい山を登っているので、ロープをガッシガッシと掴んで登っているため、他人を追い抜く時、前の人に追い抜いていいかを確認するルールになってます。
許可してもらえれば普通に先に進め、許可した側はカルマがあがります。断ればカルマは下がりますが、他プレイヤーをブロックできます。
一味さんと僕はお互いに抜きあってカルマをあげながら登山です。
キノさんからずるいという声もあがりますが、まあ、そういうルールですし…とはぐらかしますが、それ以上にキノさんは荷物持ちすぎ!僕と一味さんが4歩ずつくらい登るのにキノさんは2歩しか移動力がありません。食料や酸素を捨てたらいいんじゃないかなと思いますが、競争でもあるので人のことは置いといて先に進みます。
(道中、食料、酸素、アイテムは自由に捨てられます。酸素とアイテムは捨てた場所にトークンが置かれ、後からどのプレイヤーも自由に拾えるようになってます)
もう少しで中間キャンプ!というとこで、イベントカード『滑落』を引いてしまい、ダメージとともに数マス下がることに。何気に天候ダイスで減る食料も痛く、中間キャンプにもぎりぎりたどり着くくらいの量になってしまいました。

(滑落! 落下?とにかく落ちるイベント)

(無事、中間キャンプに到達。キャンプ内では天候ダイスのダメージは受けませんし、ベースキャンプと同様に酸素も食料も好きなだけ補充できます)
中間キャンプではライフ回復もできるのでここまでの道中で受けた傷を直したり、酸素などを補給して体制を整えます。
ここからは道を譲ってくれるとは思えないので、なんとか一味さんより先に出発したいところですが…。
残念ながら一味さんが先に出発!このまま後をついていっても負けるだけだしということで、悪魔的なルートを構築。

(中間キャンプを中心に環状のルートにしてしまいました!)
通常は自分が進む場所にしかルートタイルはおけないので、普通はなかなかできないのですが、自分から離れたとこにもルートタイルを置けるというカルマカードがあったので、なんとかなりました。
これでトップ争いはリセットされたというか、キノさんがトップに。とりあえず、僕と一味さんはいったん中間キャンプに戻って、中間キャンプの下にある分岐から新しい山頂へのルートを作らないとと、下山していきます。
天候ダイスでブリザードの目がでたりして、酸素や食料もちょっと減っているので中間キャンプでまた少し休憩だなと思っていると、イベントカード『災害』をドロー。中間キャンプが消え去ります。
僕と一味さんはたどり着いただけでまだ補給前だったため、少ない装備で放り出された格好になってしまいました。
これやばいんじゃないのか?と思いながらも先に進む我々に更に追い打ちで『雪崩』が発生!

(配置してたタイルはなくなるは、ライフは減るわで大変なことに)
イベントカードはダイス目次第では引かれない手番もあるものの、5割以上はひかれるので、これは近いうちに死ぬなと判断。
急いで山頂に到達し、到達時トップを取る必要があります。
しかし、当然、それはみなさん同じ考え、僕より前にいる一味さんが抜かそうとする僕をブロックすることを選択。
キノさん:「あ、ブロックしました?ブロックできなくするカルマカードを使います。自分以外を助けたのでカルマ+2です」
一味さん:「なんだとーー」
僕:「やったぜー!!」
カルマカードは色々と妨害や手助けの効果があるのですが、キノさんが一味さんに妨害したり、手助けしたりを一気に使い、なんだこの人、情緒不安定なのかみたいなことになりつつもトータルではカルマをプラスします。
カルマカードは直にダメージを与えるものなどもあり、気心の知れた面子とは言え使用をためらっていたのですが、使われたんなら使っていいかの精神で一気にカルマカードが飛び交う場に(カルマカードは大抵他人の手番でも使えます)。
僕はブロックを解除してもらったこともあり、移動力を増やすロープを使ったり酸素や食料を捨てたりでスピードを上げ、一気に登頂!山頂到達点はトップを獲得しました。
そして、僕には奥の手がありました。

(カルマカード『爆弾』。酸素を消費することで同じタイルにいる他プレイヤーにダメージを与える(追加酸素で追加ダメージあり)の鬼効果です)
一味さんは次手番で山頂のあるタイルにくるはずなので、そこで爆弾を爆発してやるぜ…。俺も死ぬがトップは守れる、HEHEHEと思っていたのですが、まあ、ちょっとさすがに酷すぎるなということで使用を中断!
死ぬ前に急いで下ります!
まあ、意気込み合っても無理だよねということで僕は次の手番に死亡。

(ライフゼロ!)
山頂にタイルに洞窟?かまくら?を作るイベントがでたおかげでちょっとは延命したものの一味さんも続いて死亡。
最後のキノさんですが、かまくら内ではライフ回復したり、天候の影響を受けないなどなどのアイテムを持っていたため、かまくらのある山頂にいる限りはほぼ死なないという謎の現象に。
キャラクターの能力であるアイテムをドローするを使い、一気に下山できるアイテム(ジャンプスーツだったか、とにかくダメージは受けるし、めっちゃ重い代わりに一気に下山できる効果を持つ)をドローするまでひたすらアイテムの山を掘ります。
掘り続け、そろそろでるか?というところで、イベントカード『盗賊』を引いてしまい、ここまで生き延びさせてもらってきたアイテムを失い、普通にダメージを受ける身体に。
死ぬか先にドローできるか、はたして!?というところでしたが、順当に死亡。

3人の登山家たちは登頂は成功したものの下山時に死亡という結果になりました。
(一応得点では僕の勝ちでしたが、まあ、どうでもいいこと)
【感想】
はちゃめちゃだけど山は何が起こるかわからないから仕方ないな!みたいなゲームですw。
協力ゲームってかなり絶望的なイベントが起こってもそれをみんなで覆すのが面白さというか、絶望的だからこそよいみたいなところがあるかと思うんですが、普通にプレイヤー間で競争してるところに協力ゲーム並みの絶望をぶっこんだらどうなるか?みたいなゲームです。結論は楽しかった!です。
妨害効果のカルマカードさえ使わなければ協力ゲームバージョンとほぼ同じ(好意的なアイテム受け渡しがないですが)なので、強烈ではあるもののイベントカード運次第という感じはせず、きちんと準備して考えて進んだ人が有利になる作りにはなっていて、わちゃわちゃとイベントでの右往左往を楽しむパーティーゲームという感じは受けませんでした。
今回あった雪崩など、イベントカードのマイナス効果は基本的に全員が受けるのでそこら辺がフェアに感じたのかもしれません。
全体から見れば登頂してベースキャンプに戻るというのは非常に難しいことを求められているかと思うのですが、中間キャンプ、山頂、下りの中間キャンプ、ベースキャンプと得点の入る目標地点が複数あるので、ゲームの展開(主にイベントの出方)に依らず、その都度、目標とする場所がプレイヤーの中で設定されたり、厳しいイベントが続けば今回みたいに実質的に山頂がゴールになったりと、どんな展開でも楽しめる、区切りの着く仕掛けになってるのも、ちゃんと競争できるという意味で大きいと思います。
持ち物やライフが重量とスピードに連携している個人ボードは非常に視覚的にわかりやすく、歩行スピードの計算など、計画を立てるのもやりやすくなってます。
ダメージを受けてライフが減ると、あからさまにスピードが落ちるキャラとかだと、これはもうあかんというのもすぐ見えてしまうのかもしれませんが。
あとは、カルマカードの効果がかなり直接攻撃よりのものが多いので、人を選ぶかもしれません。カルマが下がった分、得点も下がるので一応抑止力はあるんですが、得点機会が山頂などのチェックポイント到達時のみで、カルマによる点数補正もはっきりわかるので、相手を殺せる/瀕死にできる場合に、相打ちでも勝てるからいいやとやられると、嫌な人は嫌だとは思います。
競争ゲームでは、捨てたアイテムや酸素を後で別プレイヤーが拾えるというのはあまり機能しませんでしたが、協力ゲームでなら互いにパスしあったり、全員でちょっとずつ余分を持って、パラパラとばらまきながら登ったりと色々楽しいことにつながりそうで、是非協力ゲームバージョンも遊んでみたいです。