カール大帝

(初回:2人でインスト込み1時間。2回目:2人で40分弱)
【概要】
カール大帝は強大な帝国を支配していたが、その後継者は未だ決まってはいなかった。後継者候補たちは帝国内の貴族に根回しを行い、各領土に自らの城を建て、帝国内での立場を強めることで、正統後継者としてカール大帝に認めてもらうのだ。
【ルール】
貴族への影響度を強めたり、直接騎士を送り込んだりしつつ、帝国内の領土に城を多く建てたプレイヤーの勝ち。
各ラウンドの開始時に全プレイヤーが1~5のチップのいずれかを提示し、小さい数字のチップを提示したプレイヤーから手番を行います。(他人と同じ数字は出すことができない&チップは1~5を使いきるまで手元に返ってこない)
手番は、以下の手順で行います。
①手持ちのキューブからから3つを選択し、貴族への影響度を高めるか、貴族の騎士を領土に送り込む。
②カール大帝を動かす(条件を満たしていれば城を建てる)。
③サイコロを振り、キューブを補充する。
上記手順を繰り返し行うことで、各領土に城を建て、領土を増やしていきます。城を建てる条件は、「領土内に存在する貴族の過半数の支持を得ていること」です。
貴族がどのプレイヤーを支持するかは、各プレイヤーの貴族への影響度に因ります。プレイヤーの持つボードの横に置かれたキューブの数がそのまま影響度になります。貴族は5派閥(5色)存在しており、影響度は色ごとに判定されます。
全プレイヤー中、最も影響度が高いプレイヤーが、該当する派閥(色)の貴族を味方につけていることになり、例えば、ある領土に、黄2青1とキューブが置かれている場合、手番プレイヤーが黄色貴族の支持を得ていれば、条件を満たしているので、カール大帝をその領土に移動させることができれば、城を建てることができます。
①で影響度を高めずに、騎士を送り込む方を選択した場合、より直接的なプレイになり、例えば、黄2青1の領土に青キューブを2つ騎士として送り込むと、黄2青3となり、城を建てるためには青色貴族の支持を得ている必要があります。
また、過半数は支持を得ている貴族のキューブの合計でよいので、黄2青1の領土に、緑キューブを2つ送りこんでも、青と緑の貴族の支持を得ているのであれば、支持3、不支持2となり、城を建てる条件は満たします。
さらに、隣り合った領土に城を建てた場合、領土が合体します。中間の領土に城を建てると一度に複数の領土が合体することもあります。
ただし、城を建てたとしても、それは永久ではありません。貴族の支持を奪われたり、支持を得ていない貴族の騎士を大量に送りこまれると、領土内の貴族の支持の過半数が他プレイヤーに移ってしまうことがあります。
この状態の時に、過半数を占めているプレイヤーの手番にカール大帝が、その領土に移動してくると、城の建て替えが行われます。
(つまり、もともとあった城はプレイヤーの手元に戻され、手番プレイヤーの城が建つ)
ただし、城も貴族1と同じ価値としてカウントされるため、合体して大きい領土になればなるほど、城の建て替えは起こりにくくはなります。
城を10個建てたプレイヤーか、領土が4つ未満になった際に、最も多くの城を建てていたプレイヤーが勝者となります。(4人プレイ時は2-2の協力プレイになるので、プレイヤーを陣営と読み替えた感じになります)
【プレイ内容】
序盤は、相方が3色、僕が2色の貴族の支持を得て、進んだため、相方優位の盤面となりました。しかし、相方は領土の合体をあまり考慮せず、単純にいま勝てそうな領土中心で城を建築していたため、城の数は相方、1つの領土の大きさは僕という形になりました。
カール大帝はかなり気軽に後継者候補のいうことを聞いてくれるので、大帝と言うよりも気のいいおっさんと化してました。
中盤、相方はいま優位に立っている3色のうち、2色は絶対に僕に渡さないという決意で、その2色への影響度をがんがんあげていきましたが、そのせいで僕が1色を奪うことに。
この1色が大きく、相方が城を建てている領土の乗っ取りに成功しました。
相方は、僕の領土を奪おうとしますが、色のめぐりあわせが悪く、そうもいかず、そうこうしている間に僕が全ての城を建てきって勝利しました。
相方が、序盤は楽しかったけど、中盤以降は何もできなくなって楽しくなくなったと言うので、続けてもう1プレイしました。
今度は、お互い、バランスよく影響度を伸ばしていき、手番が変わるごとに僕が3色、相方が3色ところころ貴族の支持が入れ替わります。
相方が狙ってやったのか、偶然なのか、5,6つほど、連続して相方支持の貴族が過半数を占めている領土が続いている場面があり、相方は巨大領土を完成させます。その勢いで、僕が優勢だった土地にも騎士を送り込み、2つ目の巨大領土を完成させました。
この時点で残された領土は4つで、あと1回領土の合体が起こるか、相方が最後の1つの城をどこかに建てればゲーム終了という状況になっていました。この時点で、僕は3色の貴族から支持を受けていましたが、相方の領土がどれも大きいため、騎士を一気に3キューブ送り込んだとしても、城の数による相方の優位は崩せそうにありませんでした。これは負けたかな?と思いつつ、ふと相方の影響度を見ると、なんと、相方が支持を得ている2色とも、僕がキューブを影響度をあげれば、すぐに逆転できる程の僅差になっていました。その時まで、全く気付いていませんでしたが。
これはもしやと、一気に5色の支持を得て、相方の最大の土地にカール大帝を呼びます。
相方が領土合体時に騎士を少し送り込んでいたため、城の数をキューブ数が上回り、巨大領土が僕のものとなり、大逆転勝利となりました。

中盤の写真。ここから相方が巨大領土を作り上げます。
【感想】
補充するキューブの色はサイコロ次第なため、運の要素が大きいと紹介されていることが多いですが、キューブのマネージメント(影響度か送りこむか)の選択において、相手の思惑や現在の領土状況等をいかに考慮するかという駆け引きの方が趨勢を決める際には重要な気がします。
1ラウンドに使用するキューブが3つのところに、手元には常に7つのキューブがあるので、少なくとも2ラウンド先までは、ある程度の戦略は立てれるわけですし、欲しい色のキューブがこない=負けるってことにはならんでしょう。
キューブに応じて別の作戦を立てることは可能なわけですから。
最終的に、欲しいキューブがこなかったから自分の作戦が完遂できない!のであっても、それは相手も同じですし、戦い方はどうとでもなるんじゃないかなと思います。
というわけで、サイコロで補充キューブが決まるのは気になりませんでした。
まあ、結局のところ、上記の内容はぶっちゃけ好みだと思います。
僕には許容できる、というかむしろ好感の持てるレベルの運要素でした。
説明書に「最初のうちは影響度に、終盤は送り込むことが増えるでしょう」とありましたが、実際にそうなりました。単純な話で、「送り込んだキューブ=影響度に置かれたキューブの個数差」になるので、序盤に送り込む方を選択すると長い間、相手の優位が築かれがちです。
後半までは影響度の綱引きを相手と繰り広げ、一発逆転というか、ここぞ!というタイミングに読んで、送り込む選択ができるかが1つのポイントだと思います。
現に、僕は2戦目、送り込むことで取れる領土がありましたが、そこを取ったとしても相方に城の数で追いつかなかったため、実質的な支持の変化や領土の増加は捨てて、影響度をこつこつと伸ばすラウンドが1,2回ありました。
相方は、がつんがつん送りこんででかい領土を作っていました。
その結果が、最終的な逆転につながったわけです。
しかし、逆転できたのは影響度1差で支持を得たからであり、逆に相方が、送り込む数を1減らして、影響度をあげていたら逆転はできなかったということです。
相方の送り込みタイミングは決して悪くはなかったのだと思います。
(キューブ運も含め、僕がちょっと運がよかった&相方がちょっと見逃しをしていただけです)
サイコロと言う運が絡むことで気軽にプレイでき、相手の動向を予想するところで頭も使い、逆転がゲーム中に数回登場するということで達成感も得られる、しかもプレイ時間は30分で、2人プレイも可能(というよりも2人プレイが本番)という貴重なゲームだと思います。
相方的には、コンポーネントがかわいらしいというのもポイント高いようですし。そもそも合体!という行為が楽しいので、いちいち盛り上がります。
あと、協力プレイになる4人プレイも面白そうなので、是非機会を作ってやってみたいです。