バトルシティ・ボードゲーム/Танчики

(7人でインスト込み1時間ほど)
【ルール&概要】
ファミコン中期の名作と呼ばれているらしいバトルシティ大好きなロシアの方が、ボードゲームにしてやる!と作ったゲームです。(Танчикиはロシアでのバトルシティの”unofficial name ”(愛称なのか、海賊版の名前なのか不明)だそうなので、ほんとまんまバトルシティボードゲームです)。
箱絵とかまんまバトルシティのドット絵じゃねえか!大丈夫なのか?と思ってしまいますが、一応、ドット絵に見えるようブロックを組んで作ったような絵なのでセーフセーフ(たぶんアウト)。

ゲームは大きくファミコン版からルールが変わっています。元々は自分の基地(イーグルマーク)を守りながら、湧き出てくる敵を全滅させればクリアという面クリアタイプのゲームでしたが、敵を倒すか、イーグルトークンを取れば勝利点が獲得でき、終了条件を満たした際に最も勝利点の多いプレイヤーが勝ちというゲームになってます。
ゲームはアクションの書かれた手札をプロットして、一斉に解決していくとう形で進みます。
1.プロット:全プレイヤー同時に手札から2ヵ所に手札をプロットします。この時、同種(ターン系とか、前進系とか)のカードは複数出しできます。
2.アクション:2ヵ所のプロットの内、1ヵ所のカードを公開し、その内容通りに親から時計回りに戦車を動かします。
3.プレイヤーの戦車が進んだマス数に応じた行動力分、行動します。
4.プレイヤー&敵の全戦車が攻撃を行います。敵に弾が当たれば破壊して勝利点を獲得し、プレイヤーに弾が当たれば手札を規定枚数減らされます。
5.2枚めのプロット済のカードの解決を2~4と同様に解決する。
6.自分の山札から手札を上限まで補充する。
1~6を終了条件(イーグルトークンが規定数取られる等)を満たすまで行います。
【プレイ内容】
しのぽさん、たる田さん、ねんそさん、さくらさん、一味さん、タロ吉さん、僕の7人で。
1箱で遊べるのは4人までですが、2箱混ぜることで8人まで遊べるようになります。その場に2箱あったのでせっかくだから7人みんなでやろうということになりました。
(ルールでは人数増えてもボードは増やさないんですが、いや、狭いでしょう、信用できないということでボードを追加してた写真が↑にあります。人数増えても移動力変わるわけではないのでボード増やす必要なかったので、数ラウンド後に4枚に直してます)
僕&一味さん「てけててけて、てけててけて、てけててけて、てけててけて、て、ててて(バトルシティのステージ開始時のテーマ)」
(2手ではありますが)数手分プロットするゲームでちゃんと他人の動きを考慮しつつ、自分の行動を決めるというのはかなり難しいというか、ほぼ無理なわけですが、プロット解決ごとに必ず攻撃するというルールのため、かなり阿鼻叫喚の場になりました。
というか、初期配置でまっすぐ進めばイーグルトークン方面に進めたタロ吉さんが、何故か初手で方向転換し、まんまとそこに進んできた僕を攻撃w。得点にもならないのに何故、積極的に殴ってきたのかわかりませんが、もう次の行動までプロットしているのでどうしようもありませんw。
プロット時には、既にそこにタロ吉さんはいないはずだったので、「右を向く」アクションを選んでましたが、右を向くと見えているのはタロ吉さんの戦車の砲塔。
またもや攻撃を食らってしまい手札が減ります。まあ、この手札の減少自体はラウンド終了時に上限まで手札の補充があるので、大丈夫だったとは言え、危うく1ラウンド目から自分の戦車が死ぬところでした。
(手札は7枚、そこから2枚(+α)プロットしてラウンド開始 → 攻撃1回くらうごとに2枚捨てる、手札が足りなければ1機死んでスタート地点に戻るという仕組みなので、3発食らったら死にます。死んでもスタート位置に戻るだけっちゃだけなんですが)
しかし、僕の今いる位置は、1方はブロックに塞がれ、一方は水で進めず、一方はタロ吉さん戦車があり、何もない最後の一方は来た方向と、戻るのも嫌なので八方塞がりです。このラウンドの2回行動を通してタロ吉さんから攻撃されても死にはしないことはわかっているので、ブロックの方を向いてブロックを攻撃で破壊して抜けることにしました。
(ようはタロ吉さん戦車に閉じ込められている状態)
こんな風に僕とタロ吉さんがスタート地点から中々でられずにいる間に、残りの皆さんはさくっと隣のボードに進まれてました。
隣のボードまで行くと敵もいます。
敵の行動ロジックは、「射線の通る位置にプレイヤーの戦車がいればそちらに1マス進む」「複数いる場合は、方向転換の手間の少ない方を優先」「斜線の通る位置にプレイヤー戦車がいなければ1マス前進する」という単純なものなものなので、ある程度は読めはします(といっても近くに他プレイヤーがいるとそのプレイヤーの行動次第で押し出されたりして、敵の動きは読めても自分が思い通りに行動できないこともありますが)し、そもそも、プレイヤーの方に突っ込んできてくれる行動ルーチンなので、方向さえだいたい敵の方向いてれば倒せることも多いです。
そんなわけで、先陣を切って進んでいたさくらさん達が敵戦車を何台か撃破します。
敵は倒される度にストックからボード上に配置されます。配置場所はトークンの裏に書かれているので、いざ配置するときまでどこに湧くかはわからないのですが…、
なんとタロ吉さんに砲塔を向けられている僕の真横にこちら向きで登場。

(赤い戦車が僕、青い戦車がタロ吉さん、灰色の戦車は敵です)
これ死ぬんじゃないのかと一瞬慌てましたが、もう攻撃は終わっているので、攻撃があるのは次ラウンドの行動が終わってからです。
次ラウンドのプロットで冷静に敵戦車の方を向くカードを選択し、こちらも撃たれはしたもののそのまま敵を撃破します。
僕、ねんそさん、タロ吉さん、たる田さんは撃破するたびに近くに敵がわくのでその撃破を優先しますが、しのぽさん、一味さん、さくらさんはイーグルトークン獲得に真っすぐ進みます。
しのぽさんは敵の弾が当たらなくなる効果のある”森マス”の上に止まって敵弾を避けながら、カウンターで敵を撃破するといった華麗なムーブを見せつつ、イーグルトークンに向けて先頭を維持されています。
さすがに追いつけないなあと、先頭組は諦めつつ、近くの敵の撃破を続けます。

原作では赤い敵だけでしたが、ボードゲームでは敵を倒すと必ずアイテムがその場所に出現します。
敵が行動しなくなる”時計”や手札補充ができる”星”などです。時計は敵の行動が読みやすくなるので大変ありがたいアイテムだったりしますが、すごいのは”手榴弾”。
僕の倒した敵が落としたので獲得しましたが、その効果は「指定したマス中心に3×3の範囲を攻撃する」という爆撃みたいな効果で、獲得時にイーグルトークン手前に集まっていたプレイヤーを巻き込みつつというのも面白そうでしたが、真っ当に倒せる敵の数が一番多い所を選択しました。
その直後、しのぽさんがイーグルトークンを取ったところで、時間的に厳しくなったため、途中終了にしました。
終わった後、とりあえず処理は最後までやろうと、敵も行動させた結果、敵2体&さくらさんに3方向から撃たれて僕は1機死んだりもしましたが…。

【感想】
めっちゃくっちゃバトルシティじゃねえか!でお腹いっぱいになってしまうくらいバトルシティなんですが、意外なことにゲームとしても面白かったですw。
行動をプロットして一斉に解決するゲームだと、他人の行動とのバッティングをどう避けるか、確実に避けつつ手堅く行くのか、それとも、相手が避けてくれるのを期待してリスクを取るか…などといった真面目な読み合いのゲームと、わちゃわちゃと思いもよらない事が起こるのを楽しむゲームとがありますが、バトルシティはわちゃわちゃ寄りではあるんですが、一応真面目な方もいい具合に混ざってるゲームでした。
前述のとおり、2手ずつのプロットとは言え、他プレイヤーの行動を予測することはほぼ不可能なわけで、そのせいでわちゃわちゃするわけですが、勝利点の獲得に関して言えば、単純なルーチンでこちらに向かってきてくれる敵の撃破と、移動することのないイーグルトークンの獲得の2つなので、別に読み合いとかする必要もありません。
攻撃も自動的に行われるので、偶然、敵を倒したということもよくあるくらいです。
そんなわけで、ゲームの勝ち負けに関するところは、ほぼ思惑通りにプレイできるゲームだったりします。そこにランダム要素というかハプニング要素として他プレイヤーの行動が絡んでくるという感じです。
プロットが2手というのも、(手番順によっては他人の影響が大きくなることがありますが)比較的なんとか制御の効く1手目と、もうわちゃわちゃでなんじゃこりゃーってなりがちな2手目と、うまいこと完全にパーティーゲームというわけでもないというバランスに貢献してます。
勝つためには真面目にプレイしないとダメだけど、どうしてもドタバタが巻き起こってしまうというようなゲームです。
他プレイヤーや敵からの攻撃が当たると手札が削られていき、0枚になったら戦車が爆発して、スタート地点に戻るというのも、2アクションごとに手札はマックスまで補充されるので少々弾が当たろうが、全く問題にならず、ドタバタ具合だけを増幅してますし、戦車が爆発するまでダメージを受けるというのもそうそう狙ってできることはなく、また、自機の位置が変わるだけと、勝ち負けに深刻なダメージになることもそうないので、いい感じにファミコンの初期のゲームによくあった「仲良く喧嘩する」だけの要素を再現してます。
ファミコンのバトルシティとはルールは違うところはあるものの、その真面目さとドタバタのバランス、ゲームとしての楽しさはファミコンゲームを必至にコントローラーを握りしめながらも家族や友人たちとげらげら笑いながら遊んでいたそれに近く、ボードゲームになってもやっぱりバトルシティは最高でした!
(非ライセンス品ではあるですが…)