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シート記入型(ロール&ライト)GM2018春&大阪新作ゲーム+αクロスレビュー / Roll 'n Write games Cross reviews

BGGのカテゴライズだとRoll’n Write(ロール&ライト)に分類されるランダム要素+シート記入系のゲームが2018年春のゲームマーケットで何故か多数新作が発表されました。その直前のゲームマーケット大阪で発売されたOKAZU Brandさんのメトロックスが大変面白かったことや最近、国産ゲームの傑作、良作が増えてきていることから、どうせなら全部買ってクロスレビューをしよう!ということでクロスレビュー企画です。
ちょうどKDJの候補にガンシュンクレバーというRoll’n Writeのゲームが選ばれたりこないだ遊んで面白かったウェルカム・トゥなどもついでだーと混ぜております。

概要とか書いてたんですが、手っ取り早くレビュー結果が見たかろうということで、記事の流れは、クロスレビュー対象ゲーム名羅列、クロスレビュー結果、対象ゲーム紹介&各レビュアーの評価全文、僕のロール&ライトゲーム全般に対する感想となっております。

【クロスレビュー対象ゲーム】

●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠
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・アルペンツィアン
・エクストリームス
・ダイスワイドシャット
・バスルートをつくろう
・メトロックス

●海外産ゲーム枠
・ウェルカム・トゥ…
・ガンシュンクレバー

※デザイナーやサークル/パブリッシャー書こうか迷いましたが、いつも書いてないので割愛します。

【クロスレビュー】
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(クリックすると大きくなります)

※ゲームは1~10点で評価。基本的にはBGGの評価基準準拠。ざっくりと書くと、
~4点:つまらない
5/6点:普通。誘われればやる/誘われなくてもやる
7点:面白い
8点~:とても面白い
※未評価のゲームはそのレビュアーが未プレイのゲームです。
※匿名ですが中身は全て別の人です(H○号みたいなひとも僕の人格1,2,3じゃないです)。

【ゲーム概要&レビュー全文】

以下、ゲームごとにゲーム概要&レビューコメント全文です。概要はシート記入型ゲームとしての概要でゲームルールなどについては公式サイトなどをリンクしますので、そちらをご覧ください。インタラクションの有無などはH1号氏がレビュー内に書いてくださっています。

※R&WマシンH1号のレビュー前文
ロール&ライトには、ダイスゲームとしての面白さと個別のシートに記入する面白さがある。となると必然運要素が強め、ソロプレイ感強めとなり、ゲームジャンルとしては僕の好みからはズレてくる。本レビューにおいてはロール&ライトの面白さはもちろん、インタラクションをどのように持たせているかに注目したい。なおリメイク作品が含まれるが今回は元ゲームとの比較は行わない。

●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠
・アルペンツィアン 公式サイト
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シート種類:紙(5種類×15枚) ※別売りでホワイトボードマーカー対応のボードあり。また、後日公式サイトから用紙データがDL可能になるとのこと。
最大人数:5人
ランダム要素:ダイス
手番の概念:あり

R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト及び各要素のマジョリティ争い。とはいえ、基本的には自分のやりたいことをやるべきゲームで、その時の選択肢で都合のいいものを選ぶことになる。終盤は多少絡みが出てくる。
線路を敷いたり、家と羊をペアにしたり、システムとして新しいところはないが、安定感のある面白さで絵を描くところも含めてプリミティブな楽しさがある。

R&WマシンH2号 5点
他人のボードも見つつ、ダイスを選択していくのは面白い。
微妙なお絵かき要素が好き。

R&WマシンH3号 7点
得点要素が複数あり、あの目はここに書こう、この目はこちらとダイス目の種類に応じて高得点になるよう考えるのが楽しい。シートへの記述も文字を書いたり、チェックを入れたりではなく(簡単ながら)絵を描くので、やはりこれまた楽しい。「煙突付の家の隣におっきな羊が~♪」とか言いながら遊べる。
ただ、ダイスのドラフト&書き込みエリアの先取りはインタラクションではあるけども、ダイス運の方がでかすぎて、自分の思い通りになりやすいラウンドとなりにくいラウンドを段階的に作ってる(手番が早い方が有利)だけな印象で、ドラフト&先取りと聞いて想像するような絞りあい要素は薄く感じました。けど、ゲーム性とはあってると思います。ダイス目でやったー/出てないじゃーんと盛り上がり、ドラフトで取らないで!/欲しいの残ったーと盛り上がります。
振り直し無し、(欲しい目やエリアは限定的なので素早く)ドラフトでダイス決定というシステムは、ダウンタイムもほぼなく、スピード感があって良かった。
かるーいけれど、得点要素の多用さ、ドラフト&先取りとゲームやってる感ありつつ、ダレルこともない。もう少しゲーマー向け寄りが好みではあるけど良いゲームだと思います。

R&Wマシン4号 未プレイ

田中さん(仮) 6点
かわいい。お絵かき楽しい。線路は無視したかったのにそれしか選べない時が何度かあるのが嫌だった。

鈴木さん 5点
どんどんダイスのピックが苦しくなるところで好みが分かれそう。個人的にはこの苦しさはあまり好みではない。

・エクストリームス ゲームマーケット紹介ページ
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シート種類:紙(100枚) シート単体での販売あり
最大人数:無制限
ランダム要素:タイル
手番の概念 無し

R&WマシンH1号 7点
インタラクション:なし。完全にスコアアタックである。人の得点を見て、ビハインドならリスクを負って逆転を目指すといったことはできるけれどもシステム的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなく、タイルドローを採用しているため、ゲームが進むにつれ、何が残っているか待ちが広いのはどこか等理屈が通用するようになってくる。システムとして終盤に向かって盛り上がるようになっている。

R&WマシンH2号 6点
ストリームスが帰ってきた。ラウンド制が追加され逆転も可能に。
正当進化といったところで面白さも継続。

R&WマシンH3号 7点
3マスから1マスずつ7マスまで増えて5ラウンドを行うA面と25マスと長いB面でストリームスを行うゲーム。ランダムに引かれる数字を昇順に並べるだけではあるものの、特にA面は連続するマス数が1マス違うことよる得点差が大きく常に逆転性をはらんだままゲームが進行するのですごいスリリングです。
(ストリームスの時から言われてましたが)エクストリームスはマス数の少ないA面、多いB面問わず、プレイヤー間で配置が似通ったり、時には全く同じになったりするゲームです。この複数人で同じ(ような)状況になるのが、数字タイルが引かれる前後の共感につながっていて、遊んでいてすごく楽しいです。チームプレイ的な楽しさというか、嬉しさ、喜びを共有できる楽しさが大きく、反対にすごく喜んでいる人がいるからこそ、欲しいタイルがこなかった時の落胆も大きくなるんですが、そこにも同じく落胆している仲間がいるわけです。

個人プレーなんだけど、プレイヤー間で似通う部分が出てくる(数字の並びだけで複雑さがないのがまた効いてると思います)おかげで、悲しみは半分に喜びは2倍にが味わえる良いパーティーゲームです。
少人数でも楽しいですけど、人数を縛るようなコンポーネントの制約はないですし、大人数で遊ぶのが良いと思います。

ただ、他のゲームと一緒に持ち運ぶと周りのゲームを傷つけそうで怖いので木箱(しかも角が尖っている)はやめて欲しかった。僕は木箱は家においてシートとタイルだけ持ち運んでます。

R&Wマシン4号 6点 
いまある意味話題のゲーム。表面で練習して裏面で本番
ここまで番号(前作はカード)を引く人が怒られるゲームはなかなかない。
確率論が得意な人とプレイするとものすごく楽しいです。
※だいたいその人の言うとおりにならない

田中さん(仮) 6点
楽しいけど地味。A面の1,2回目意味ない。B面を沢山の人でやりたい。

鈴木さん 7点
A面、B面の2部構成となっており、A面の状況により、B面の戦い方を変えられるのが好み。

・ダイスワイドシャット ゲームマーケット紹介ページ
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シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり

R&WマシンH1号 5点
インタラクション:ダイスドラフト。他人が取りたいものというのが明確であるため、邪魔が容易で、インタラクションは強め。
シートへのチェックの縛りが緩く、もうちょっと個人シートへ記入する楽しさがほしい。

R&WマシンH2号 6点
ダイスドラフトで他人のボードが気になる系。後半の緊張感が良い。
映画オマージュも好き。

R&WマシンH3号  6点
振ったダイスを2個ずつ取って手元のボードにチェックを入れる。縦にチェックが並べば高得点、ただし横にそろってしまうとチェックが分断されて点数が下がるという仕組みのゲーム。
振ったプレイヤーから順にドラフトで2つずつ(1つの場合もある)ダイスを取っていく&色の縛りもあるゲームで、そこがプレイヤー間のインタラクションになってるわけですが、要素は赤青2色のみ&得点ルールもシンプルということで、あの人、これがくると困る、あいつはこれが欲しいはずがわかりやすく、また起こりやすくなっているように思います。
横一列揃うと起こる断絶(ダイスがワイドにそろうとシャットされるってことですよね?)もあからさまに点数下がる(というか、減点要素はこれだけ)のでくらいたくないという気持ちが強く、横にそろいそうになるとダイスが振られるたびにドキドキします(楽しいです)。
ただ、それはチェックが増えてきてからの話で、だいたいは速攻で終了条件を満たして終わらせてしまうプレイヤーがいる(というか、長引かせる必要性があることがあまりない)ので、断絶ドキドキするーというところにいかずに終わってしまうのが残念です。終了条件がもう少しチェックが多くなるようなものの方が僕の好みでした。

R&Wマシン4号  7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
ダイス系のシート記入ゲームとしてはシンプルな方で初心者向き。
断絶のルールはプレイしてみるとあまり発生せず、機能していない様に感じる。
青列速攻埋めプレイばかりやっているので今度は赤列を攻めてみたい。

田中さん(仮) 5点
映画オマージュなのはわかるけど箱のウサギがキモい。特にトム・クルーズの方のウサギ。
ゲームは淡々としてて普通。

鈴木さん 6点
ダイスピックでシートへの記入の選択肢がそれなりにあり遊びやすい。ピックが苦しいというより、どの選択がより効率良いかを考えるところが好み。

・バスルートをつくろう 公式サイト
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シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:カード
手番の概念:あり(ほぼ同時進行)

R&WマシンH1号 5点
インタラクション:先取性のあるルート構築及び課題達成。後から進入するとペナルティがあるのだけれど、偶発的なインタラクションであり、特に駆け引きを発生させるものではない。
ランダマイザとしてダイスではなく、引き切りのカードデッキを使用しているため終盤は読みが利くように出来ているはずなのだけど、あまり引き待ちができるシステムではないので論理的に立ち回るというのは難しい。長期的な戦略として目的カードがあり、短期的な戦略として待ちを広く取る、中期的な戦略として各要素を取っていく、というデザイン意図はわかるのだけれど、やれと言われていることに対して、引きの比重が大きくアンコントローラブルな印象。ただ一方で遊べば遊ぶほど上手くなっていく実感もある。このゲームに対してどのように取り組むべきか測りかねている。

R&WマシンH2号 4点
ボーナス点数が大きいので最初の方で大体のルートを決めたらそれに従い進むしかないような。
他人とルートがかぶっても点数が大きければ行かざるを得ないといった感じであまり効いてない。
なんか淡々としてしまう。

R&WマシンH3号 5点
京都観光楽しい!というのがこのゲームの全てな気がします。京都観光は3,4回いったことがある程度ですが、それでも、お寺や神社、大学などゲームに登場するランドマークは覚えてますし、あー、懐かしいという気にもなります。そこは楽しいです。
システム的には勝負ごとの面白さに寄与するようなものはなく、その場その場でパーティーゲーム的に盛り上がるもののみです(ガチにならずに盛り上がれるという方向で評価すべきなのかもしれませんが)。

例えば、同じ道を後から通ったプレイヤーは減点されるなど、共通ボード上でインタラクションがあるようになってますが、プレイヤーにはどうすることもできず運ゲーです(先得要素があるのにプレイヤーの意思が介在せずに移動力の差がランダムにうまれる時点でガチゲーなわけはないんですけど)。いや、それくらいのインタラクションの方が良いという人もたくさんいるということはわかってるんですが。
とはいえ、インタラクションは、プレイヤーの選択の結果生まれるようにして欲しいです。曲がる方向を決めたり、(減点されますが)経路変更をする余地はプレイヤーにあると言っても僕には裁量がなさすぎるように感じられました。

得点要素は複数あるものの差別化ができているようには思えず、結局なんでもいいからたくさんアイコン集めればいいじゃんと思ってしまいました。確かに、こうしたい、ああしたいを考えれば考えるほど楽しいゲームというのはわかります。あと1人通勤客拾って駅に行きたいなとか、こっちにいけば観光客ひろえるぞとか。最初に遊んだ時はそのように遊んで楽しかったんですが、どうも一度冷めるとそうは遊べませんでした。
これまで凝ったシステムのゲームを作られているサークルだったこと、今回比較対象とした同時期のシート記入型ゲームがシステム的にも見るべき点があるゲームばかりだったことなどのせいか、単純にワイワイキャーキャー楽しむゲームならそう楽しめばいいのにそうできなかった僕が悪いです。

R&Wマシン4号 5点
盤面がキレイ、みんなで共通のボードを使用するので書いてて楽しい。
反面、ゲームで使用するカードが共通なので、途中で脱落事故がおきたり
目的地到達やボーナス点獲得が無理とわかっちゃうのは記入ゲームとしてどうなのかなー。
最後まで僅かながらでいいから達成の可能性を残して欲しかった。

田中さん(仮) 7点
京都懐かしくてキャーキャーいってしまった。ボードもかわいいし、ペンの色がカラフルなのもいい。
おじいちゃんと学生は降ろさなくていいのか気になる。

鈴木さん 6点
共通目標、渋滞の仕組みによるインタラクションがあり面白い。人数が少ないといまいちかもしれない。

・メトロックス 公式サイト
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シート種類:紙 (2種類×100枚)
最大人数:6人 (実質的には無制限)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し

R&WマシンH1号 6点
インタラクション:先取性のある課題達成。とはいえ、狙ってできるものではなく基本的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなくカードデッキを使用しているが、さらにランダムでシャッフルが入るという読みが"ある程度"利くという調整。パズルであるからして毎回同じ展開では飽きてしまう。引き切りのカードデッキにして終盤カツカツな運のマネジメントを求めるのも結構だが、本作はより揺れを重視している。強いカードがたくさん出ることもあればさっぱり出ないこともある。この絶妙なバランス感覚がゲームを面白くしている。

R&WマシンH2号 7点
さすがのOKAZU BRAND。
共通マスの扱いや早埋め要素など色々悩みどころが多い。

R&WマシンH3号 8点
面白いです。
めっちゃくちゃ運がよくないと全路線でゴールするのは無理!と最初につきつけられる、または序盤にわかるので、逆に、どこで得点しようか?とふっきった形で悩めるのは良いと思いますし、無理めな難しさがあるからこそ、点数の高い低いに関わらず、自分なりにうまくやったぞ!という達成感が得られるのも良いです。
各路線のゴール点と、路線が交差してる駅に星の効果を使って得られる交差点という2つの得点要素が進むことで得られる点と、止まっている(都合の良い交差点まで進めて星が出てくるまで待つ)ことで得られる点という相反してるのも悩ましくて当然で、どちらも高得点を取りたいと思ってプレイするので、あれ?これ止めてたのについ先に進めちゃったとか、進みたいけど止まりたいーと謎の煩悶が楽しめます。
ただし、頭を使う個所になる部分のルールは聞くだけだとややこしく、インスト難易度は高いです。初回で誤解なくプレイできるようルールを説明したり、聞き取ったりするのはかなり大変だと思います。でも、東京マップと大阪マップが入っていてプレイ時間も短いので、2戦1セットにすれば問題ないですね!

R&Wマシン4号 6点
ゲームとしての完成度はピカイチ、8点だしてもヨイくらい。
プレイ人数ほぼ制限なし、カードめくりにひねりの効いたルール。
エクストリームスと同じくカードめくりする人が怒られます。
ただし肝心の記入シートが小さすぎて辛い。ひたすら辛い。ここが減点。
初回は記入間違いが発生しがち。1回目は練習と割り切りましょう。

田中さん(仮) 7点
必死に説明してもらったけどルールがわかりにくかった。最後、はじめのとこに空白があったのでやっぱり間違ってたらしい。
レビュー対象の中ではゲームぽい面白さは一番かな。箱もかわいい。

鈴木さん 6点
あっちを狙えば、こっちを諦めなければならないという悩ましいかんじが面白い。誰かがゴールしたら「自分もゴールさせる〜」というカルバ的なアレがあります。

●海外産ゲーム枠

・ウェルカム・トゥ 公式がフランス語なので当ブログ記事
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シート種類 紙 (100枚)
最大人数:無制限 (ドラフトルールを入れる場合はカード枚数的に上限あり)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し

R&WマシンH1号 7点
インタラクション:先取性のある課題達成及び終了フラグ。他人の進捗を確認しつつ、チェックしていく必要がある。長期的にみて効率のいいチェックをするかそれとも即物的なチェックをするか。
ランダマイザとしてダイスではなく、カードデッキを使用しているのだけれど、本作は山札が三つあり、常に3択が確保されているというところで個々のプレイに揺れを持たせている。
数字を書いていくだけではなく、数字の連なりを柵で区切ることで得点化されるというところや区切った部分の得点を加算するアクションなど、パラメータマネジメントのような面白さがある。
インタラクション、パラメータ操作の楽しさ、適度な選択肢、頭一つ抜けている印象。

R&WマシンH2号 7点
毎回3つの選択肢がありそれぞれ違う町になるのが面白い。
おすすめ。

R&WマシンH3号 9点
おしゃれで1点追加。
基本的にはストリームスをしながら街づくりというゲームで、毎ラウンドの書く数字は全プレイヤーが同じ3つの候補から1つを選ぶという形だったり、ストリームスをやる(数字順に書く)ラインが3本あったりと自由度がめっちゃ高いです。
街づくりも制約(例えばXXの隣は〇〇でないとダメとか)はほぼなく、「とにかく数字を昇順に並べてくれ、あとは任せた!」みたいな作りです。
それが楽しいのかというと、これが楽しい。

前半逃げ切り型の都市計画重視、後半追込み型のプールや公園などの素敵な住宅地重視、バランスタイプなど、カードの出方次第ではありますが、都市計画のお題から方向性を決めたり、そんなのガン無視で自分の好きな街を作ったり色んな進め方、色んな街づくりが楽しめます。
制約が薄く、自由度が高いと言ってもシートが埋まってくるに従って、欲しい数字や街の要素はどんどんピンポイントになってくるので、苦しくはなってきますが、書けない状態で長引いたりするなど不満が溜まってくる前に終了条件を満たす調整がされてるように思います。

都市計画の達成タイミングなどインタラクションはごく一部にしかなく、システム的には基本的にソロプレイですが、見栄えするので他人の街を見たい、比べたいという1点のみ強インタラクションです。
一応、カードをドラフトするルールもありますが、このゲームらしい面白さは通常ルールの方だと思います。

R&Wマシン4号 7点
箱絵と中のシートがステキ
昇順にうめていくよくあるタイプのゲームなんだけど、住宅街を作ってる気分になる。
終わった後に他人のシートを見てそっちの得点ルート行ったんだ~みたいな感想戦もやりやすい
めくりが3枚ずつなのでめくり担当も怒られにくいのもグット!
なお上級ルールでドラフトするとお互いゴミカードを流し合う泥仕合となる模様(笑)

田中さん(仮) 7点
プールや公園を作るのは楽しい。何故数字を並べると住宅が建つのか。数字みたいな人が住んでると思うと面白い

鈴木さん 8点
共通目標と戦略の幅の多さが面白く、繰り返し遊びたくなる要素となっている。国内流通お願いします。

・ガンシュンクレバー メビウスゲームズの紹介サイト
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シート種類:紙 (100枚)
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり

R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト。カットはあまりする意味がなく基本的にはソロプレイなのだけど、手番プレイヤーが選ばなかったダイスを使用できるので、自分の番では強い出目を、他人の番では弱い出目を使うことになるというのは一つの指針となる。
シートにチェックをしていくコンボゲームで、そこの楽しさありきのパズル。正のフィードバックで満たされている。

R&WマシンH2号 7点
KDJノミネートおめでとうウォルーシュ。
マークをつけることによるコンボが爽快。
逆にコンボさせないと勝てないので有る程度集中させるべきか。
ボーナスの使用などのダウンタイムがあるので他に比べ時間がかかる。

R&WマシンH3号 7点
ダイスゲームの今時点の最終形じゃないかと思います。
コンボの概念で爽快感アップ、他人の出目を気にさせることで自手番以外もゲームに参加させる作り、間延びせずにさくっと終わるプレイ時間、制限やマイナスをプレイヤーにあまりかさないストレスレス設計です。

手番プレイヤーは通常3回サイコロを振って、3つのサイコロを選びますが、基本的に振り直しが無しであることと、選んだダイス目以下のダイスは手番外プレイヤーのモノになるというルールがあるので、できるだけダイスが減らない目を選びたくなることの2点があるので、比較的手番プレイヤーの選択はスピーディーですし、手番外プレイヤーが手番プレイヤーのサイコロを選べるようになるという特殊能力が回数制限付きながらあるので、ダウンタイムはほぼ感じません。
ダイスゲームというと、どれもいらない…、どれとっても苦しい…という場面が出てくることが多いですが、ガンシュンクレバーはあまりそういう印象がありません。得点要素の受けが広いかったり、どれも選べない(使えない)なら通常の選択範囲から広げて選んでよかったり、欲しいダイス目をプレイヤーの誰かが振ればそれを自分も取れる能力があったりなどなどの工夫がされているからだと思います。
さすがにダイス選択に制約が全くないという訳ではないですが、かなりピンポイントで欲しいダイス目があっても、おそらく必要な目が出る確率が1/6を下回ることはないんじゃないかと。大抵1/3くらいだと思います。

R&Wマシン4号 7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
いろいろ弄ったダイスゲーム。
どの記入ルートもよく考えられていて調整力の高さは感じる。
楽しいんだけど、楽しいんだけど、もう少しシンプルな方が好みかなー。
4人戦1回だけなので、2人戦をやってみたい。
1人でも出来るらしいけど、これ1人でやって楽しいのか?
 
田中さん(仮) 6点
ゲーム中サイコロを降る回数が少ないのがいい。
普段は他人を気にしないけど、これは他人が振ったサイコロも取れるので気になる。+1がもっと欲しい。

鈴木さん 6点
コンボを決めてウホウホするのが楽しい。ダウンタイムが少し気になる。

【シート記入型ゲームについての総括】

“ロール&ライト”、“シート記入型のゲーム”と括られはしますが、これは単にゲーム中のメモをとれるようにした、または、コンポーネントの節約した結果の形式で、それ自体が(例えばワーカープレイスメントのように)固有のシステムを指すわけではないので、面白さが担保されたり、好みなどと直結することはありません。
ということに気付いてなかったので、シート記入型ゲームクロスレビューなんて企画してしまったわけです。システムとして面白さが担保されてるわけじゃないと気付いた時には失敗したと思いましたが、まあ、楽しかったので良しとします(書いてませんが買って遊んで、うーん、ぼちぼち!なゲームが結構ありましたw)。

※ロール&ライトと書いてますが、ロールしないものもBGGには同カテゴリに登録されてたりします。シート記入型のゲームの総称でよいかと思います。ただ、見た目で誤解を与えてしまうので、以下では明らかにBGGのカテゴリを示す時以外はシート記入型で統一します。

メモ書き、コンポーネントの節約という話にちょっと触れておきます。ロール&ライトというジャンルがBGGに登録されたのは案外新しく、(色々物自体はあったのでしょうが)数が増えてくるのは、クウィックス以降です。それ以前だと、ヤッツィー、ダイスビンゴ、ロールスルージエイジズあたりくらいしかあがってません。
メモ書き、コンポーネントの節約というのは、例えばヤッツィーで、基本的にダイスがあればゲームはできます。できますが、全部覚えておくんかい!というわけで、シートにメモしたり、メモすることで役を作った際に受け取るタイルなどを節約できるというわけです。
シートへの書き込みルールでバリエーションや複雑さを作れるものの基本的にはシート記入型でないと実現できないというゲームはないはずです。
(基本的に“消す”というアクションが難しいので、もらったリソースを消費して、また増やすみたいなことはできず、不可逆的なゲームの方がシート記入型には向いてはいますが)

あとはコストバランスの問題なんじゃないかと僕は思ってます。複雑なコンポーネントを用意する時点でシートではなく普通にコンポーネントを用意すればいいんじゃない?となるんじゃないかと思いますが、そこらへんはようわかりません。どの程度売れるかとかもあるはずです。
カルバやテイクイットイージーだってタイルは1セットのみであとはシートに書き込ませても構わなかったはずです、(細かいところうろ覚えではありますが)ブルゴーニュもメインボード以外はシートで遊べるはずです(違ってたらすいません)。それでもそうはなっておらず、ちゃんとしたコンポーネントをつけて売られているわけです。

僕が考えるシート記入型ゲームの利点は、安く済むところとプレイヤー人数に制限をなくせるところです。
ガンシュンクレバーやアンコールなどは、とても面白いダイスゲームです。とても面白いものの仮にちゃんとしたボードを付けて、チェックする代わりに使うタイルやキューブなどをプレイ可能人数分付けてしまうと、結構なお値段になるはずです。僕はガンシュンクレバーの国内流通価格が1800円というのはとても安いと思いますが、その一方で4000円とかしたら面白さとのバランス的に微妙とも思います。

シート記入型にすることで、ボリュームや面白さにあったお値段で提供できるのは売る方にも買う方にもWin-Winなんじゃないかと。

もう1つのプレイヤー人数の制限をなくせるのはそのままで、全プレイヤーが共通で書き込んだり何かを配置するようなコンポーネントンのないゲームは何人ででも遊べます。ウェルカム・トゥ…は、プレイ可能人数100人となってます(これは購入時にシートが100枚入っているからだと思うので、その理屈だと遊ぶごとに最大プレイ人数が減っていってしまい、ちょっと面白いです。もちろんシートさえあれば何人ででも遊べると思います)。
ダイスの選択など、プレイヤーごとに時間が必要なゲームだと(理屈の上ではともかく)一定以上の人数で遊ぶのは厳しいとは思いますが。

これを書いている時点で自分以外のクロスレビューの結果を僕は知りませんが、得点やレビュー内容はおいといて、シート記入型ゲームの利点を活かしているという点で、今回のレビュー対象の中では、ウェルカム・トゥ…、エクストリームス、メトロックスの3つがシート記入型ゲーム大賞だと思います(利点活かしていても面白くなかったら意味がないんですが、少なくとも僕はこの3つのゲーム内容については高評価です)。
※前述の通り、シート記入型は何らかのシステムではないですし、基本的にどのようなゲームでもシート記入型にできるので、その利点を活かしてないといってゲームが面白くないということではありません。

シート記入型ゲームだからこそ実現できるゲームは確かにあります(アンコールなどにしてもまともにコンポーネント用意しないとダメだったら発売されてないと思う)。しかしそれは、お金の問題というゲーム自体の面白さとは無関係だったりします。
プレイ人数無限というのは面白さに寄与していますが、もうちょっとゲーマー好みのシステム的な面白さのある、シート記入型だからこそ生まれたシステムであり面白さを持ったゲームがいつか登場しないかなーと思ってますし、それがいつか登場するのがちょっと楽しみです。

蛇足。今は売られていない昔のシート記入型ゲームをレビューのために遊ぼうと、とあるボードゲームカフェ/スペースに遊びに行きました(ボドゲーマさんは、カフェ/スペースから置かれているゲームを、またはゲームから置かれているカフェ/スペースが検索できるので便利です!)。
そしたら、箱には使用済のシートとサイコロとルールだけが入っていて、未使用のシートが入ってないゲームが有りましたw。
まあ、そりゃあそうですよねというしかないんですが、カフェ/スペースの中の方、使う方、ご注意くださいませ。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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