クロニクル・オブ・クライム / Chronicles of Crime

(3人でインスト込み2時間半ほど)
【概要&ルール】
ボードゲーム+スマホアプリでコマンド選択式アドベンチャーゲームを遊ぼう!
ここ1,2年で増えたアプリを使った謎解きボードゲームの1つです。特徴としては以下。
・コンポーネントにテキストがほぼなく、アプリ内で進行するストーリーによって人物や場所の中身が変わる。
→証拠品カードに”火器”や”家具類”などふわっとした名詞が書かれてますが、謎解きゲームに必須なストーリーなどの文章はアプリ側にあるのみです。人物などは固有名詞がつけられておらず、同じ顔であってもシナリオが変われば別人物として登場します。
・現場検証をスマホの画面で行う
→VRデバイスを使うことで、スマホを見ながらぐるぐると顔を動かして現場検証します(アニュビスの仮面みたいな感じになります)。
・配信で追加シナリオが提供される。
→一応カード類を追加する拡張もありますが、DLCとして初期の6シナリオに追加されていくようです。逆に、キックスターターからの購入者には拡張も届いてますが、シナリオが配信されてないので遊べなかったりもしますw。
・ゲームの流れ
ゲーム開始時にアプリで遊ぶシナリオを選ぶと、プロローグと最初に話を聞く場所&人が表示されます。
あとは、話を聞いて、行ける場所や関係者を増やしていき、謎が解けたら警察に戻って謎解きボタン→クイズ数問に答えて規定点以上なら勝利、以下なら敗北となり、その後、事件の全体像&エピローグが読めるという仕組みになってます。
・ゲームの進め方
ゲームのコンポーネントには基本的に全てにQRコードが書かれており、それを読み込むことで、移動したり、聴き込む人を選択したり、聞き込み中の人に尋ねる対象を選んだりします。

(これは科学者。科学者に話を聞くためには)

(こんな感じでQRコードを読み取ります。このあと、話を聞きたい証拠品のQRコードを読み込ます)
要はQRコードを読み込むことで、コマンド選択式アドベンチャーゲームのコマンド選択をしてる感じになります。
・現場検証
ストーリーを進めていくと、事件現場を検証する場面があります。そこでは、スマホにメガネみたいなのをつけて一定時間現場を見れます。

(こんな感じ。メガネつける関係で画面が2つにわかれてます。周りをみまわすと現場をぐるぐる見れます)

(
このモードでメガネをつけているプレイヤー(現場検証しているプレイヤー)が現場にあるものを他のプレイヤーに伝えます。伝えられたプレイヤーは証拠品カードのデッキの中から対応するカードを探します。
「スコップが落ちてる」 → ”ガーデニングツール”のカードをデッキから出す
「被害者の胸にナイフが刺さってる」 → ”武器”のカードをデッキから出す
みたいな感じです。
見つけた証拠品は、現場検証モードをいったん終えてからカードのQRコードを読み込ませることで証拠品として登録されます。

(こんな感じ)
証拠品カードには、武器とかガーデニングツールとか、汎用的な書かれ方がしていますが、証拠品として登録することで今後はそのカードはナイフとか、スコップとか具体的なものとして扱われることになります。
・アプリの役割
カードを読み込む(コマンドを実行する)たびに、アプリに表示されている時間が経過します。時間は最後の成績に影響したり、時間経過で新たな展開が発生したりします。
どうでもいい話かもしれませんが、アプリでしっかりフラグ管理がされているようで、本当に事件で登場するカードだろうと、証拠品登録をしてなかったり、まだ話に出てきていない人物だったりは、聴き込んだりすることはできません。
ゲームの最後に事件に関するクイズ(犯人は誰とか、凶器は何とか)がありますが、そこでも、実際に事件中に手に入れてないカードはたとえ正解でも不正解扱いになります。
【プレイ内容】
一味さん、キノさん、僕の3人で。
僕は事前にチュートリアルと1事件を遊んでいたのですが、一味さん、キノさんは初めてだったのでチュートリアルから開始しました。
チュートリアルを始めると上司に呼び出され、事件の説明を受けます。

(話を聞いてる時は、その場所と相手が画面に表示されます。この事件ではどうやら7の人物が被害者になったようです)

(死体発見現場である被害者の家はGにあるようです。このあと、GのカードのQRコードを読んで、Gに移動して捜査開始となります)

(カード類は事件に登場するたびに並べていきます。ひとりでチュートリアルやった時の写真でめんどくさがってボード出してないですが…。右に見える人物カードの山から、事件に登場する人物が指定されるたびにカードを出していくことになります)
チュートリアルはシンプルな事件だったので、こうやって捜査するのかーを学びながら20分もかからずに終了。
次が本番です。シナリオには、イージー、ミディアム、ハードと難易度が併記されています。
選べるシナリオは以下の5本(+DLCの2本)
・The Power Behind(イージー、ミディアム、ハード各1本ずつからなる連作シナリオ)
・Curse of the Pharaohs(イージー)
・Every rose has its thorn(ミディアム)
連作シナリオから始めるべきだったかもしれませんが、面白かったらということにして、まずはイージーのシナリオからやりましょうということになり、『ファラオの呪い』を選択しました。
古代の宝石がミュージアムから盗まれたところから始まります。どうやって盗まれたのか、犯人は誰なのかを調査します。
しかも、その宝石は呪いで人が死ぬといういわくつきのものらしいのですが…。
まずは盗まれた現場で、さっそくの現場検証モードです。
僕が最初に見る役に。
僕:「お? なんだこれ。なんかスフィンクスみたいな像がある。あ、宝石が盗まれてるっぽい展示台があってXXがその周りにある。パソコンと…○○が…」
とやってると時間が来て終了。
続いてキノさんが見ます。
キノさん:「あー、像ってこういうのね。確かにありますね。あと、パソコン、○○。これなんだ? なんか三脚みたいなのないです?」
僕&一味さん:「ないです?って言われても…」
なんか証拠が集まらないので一味さんも現場検証します(続けるごとにゲーム内の時間が経過してます)
一味さんはひと通り現場をぐるぐると見たあとで、△△を見ると、
一味さん:「お! これはなんだ! てか●があるじゃん!」
え?そうなの?見たい見たいと時間経過を忘れて見たがる僕ら。
無駄に時間は使いましたが、これでいいかと現場検証は終了させ、見つけた証拠品を調べ始めます。
現場に残されていた犯人のものと思しきXXを科学者に見せて指紋の有無を確認したり、パソコンをハッカーに調べてもらって中身を確認したりしました(協力者として、科学者、心理学者、医者、ハッカーの4人は必ず事件に登場し、いつでも話を聞くことができます)。

(現場検証が終わったあたり。証拠品も登場人物たちもまだ少ないです)
この後は、博物館の学芸員に話を聞いたり、どんどん増えていく関係者に会いに行ったりして進めていきました。
名前がでた人物に話を聞こうとすると、「その人は今はここにはいない。何分か経ったら戻ってきてくれ」とか言われたり、逆にその場所からいなくなったりと、めっちゃ感じるファミコン時代のアドベンチャーゲーム臭。
新宿中央公園殺人事件であり、さんまの名探偵なわけです。
もうそろそろ話を聞くところがなくなってきたぞ?と思っていたところ、なんと次の事件が発生(どんな事件かはさすがに書きませんが)。
また現場検証モードです。
一味さん:「○○がある」
メガネがまわってきて現場をみた僕:「えー、○○に見えなくないですか」
キノさん:「○○ならたぶんこのカードだから、カード読ませてみましょう」
アプリ:『○○が証拠品として登録されました』
一味さん:「ほら!」
僕:「あれー?」
なんてこともありながら、先に進みます。しかし、うっすらと気づいていた問題が徐々に表面化し始めます。
イージーだからってなめてメモとか取ってなかったので、人の関係や誰に何を聞いたかが把握しきれなくなってきたのです!
あれ?次何やるんでしたっけ? 何やってなかったっけ? 事件が行き詰まってきたこともあって、捜査陣はもうボロボロです。
ほんとにコマンド選択式アドベンチャーゲームみたいに総当たりするしかないのか?と不安になってきたところ、数箇所意味のない移動や聞き込みを行った後、聞いてみたっけ?と試したのが、見事ヒット。一気に事件の真相に近づきます。
事件の全容はほぼすべてわかったんですが、あと1つ。わかってるんだけど、どうしたらいいのかわからんことだけが残りました。
一応、事件は解けてるぽいっし、スコットランドヤードにいってクイズします? もう捜査陣の心は限界だったので、スコットランドヤードに向かって事件解決に向けてクイズに挑みます。

(結果。短時間で解いた際の加点(一番上)は無し。一番下の問題が前述の”わかってるんだけどどうしたらいいのかわからん”やつ。まあ、そりゃあ、やってないんだから減点だよねということで合格点だったものの、完全解決にはなりませんでした)

(最終的な状況。場所、人物、証拠、イージーでもこんだけの数になりました)
イージーはサクッと解決してミディアムもやりますかとか話してたんですが、イージーで2時間以上かかってしまったので、ミディアムの事件は時間がたりなさそうということでまた次回となりました。
【感想】
面白いか面白くないかと言われれば面白いです。
面白いんですが、これは傑作!次のシナリオも早くやりたい!という感じかというと、まあ、現状ではそこまでではないです。
謎解きものをみんなで集まってあーだこーだとやりながら遊ぶこと、現場検証モードで証拠品を探していくとこは楽しいんですが、詰まった時の「え? これ全部総当たりするの?」という絶望感が半端ないです。
シナリオはよく作られていて、人物同士の関係性やどんどん捜査が進んで広がっていく感じはとても楽しいのですが、その分、一度詰まると見落としを探すのを大変に感じてしまうというか。
とはいえ、流石に昔のゲームみたいな一本道で見落としがあるとどうしようもないということはなく、複数のルートから捜査が進むようになってはいます(Aさんのとこにいくために、現場にあった●という証拠品について科学者に聞くルートと、△の証拠品を登場人物に聞くルート、どちらからでもAさんにはたどり着けるとか。今回のファラオの事件でも実は証拠品は半分くらいしか手に入れてませんでしたが事件は最後まで進めましたし上記の通りの成績になってます)。
現場検証も見落としがあると先に進まないじゃん!と思ってしまいますが、実はキーとなる証拠品を見逃してる時は、現場にもどれみたいな注意が表示されますし、一応ガイドはあります。
どうしようもなくなっても、及第点は取れない前提で最後のクイズに挑むこともできますし、最後の手段で、すでにBGGに質問スレッドがたくさん立っているのでそこでネタバレ読めばなんとか、本当になんとかはできます。
最近の推理ゲーム、謎解きゲームというと、EXIT、アンロック、ワトソン&ホームズ、ディテクティブなどかと思います。
EXIT、アンロックはヒント完備でとにかくクリアさせよう(楽しませよう)という仕組みになってます。ワトソン&ホームズ、ディテクディブは時間制限(ワトホーは他人に解決される前にという時間制限ですが)はありますが、基本的に必要な情報は手に入ります。ディテクディブに関して言えば、捜査過程で手に入れた情報も重視してくれるので、”謎が解けない”というストレスは少なくなってます。
そんな中で、必要な情報が手に入るかは自分の実力次第で、かつ、全部手に入ってるかどうかはわからない。謎解きのヒントもない(解けない時は一生迷宮入り)という、まあ、正直言って、今風ではない古臭い、男らしい仕様のゲームが出たのは驚きました。
”ボードゲームである”ことの必然性、ゲーム性がもう少しあればだいぶ感じは違うと思うんですけど。現状だと”集まって遊ぶ楽しさ”だけなんですよね…。
しかし、今回の事件を教訓に次回以降の事件では現場検証の腕前が上達している自信はありますし、なんだかんだで古臭いおっさんなので、懐古的な意味も含めて、こういうゲームは好みではあります。
そういうわけで、もう少し色んなシナリオを遊んでみたいと思います。
書き忘れてましたが、テキスト量は結構あります。そこまで難しい言い回しなどはありませんでしたし、スマホ上に表示されるのでスクリーンショットをとって翻訳アプリに突っ込むというのも手としてはあります。好きな気持ちがあればなんとはなるんじゃないかと。
まあ、日本語版でたらいいですねw。