タイニータウン/ Tiny Town

(インスト込み30分ほど)
【概要&ルール】
俺がぁ、レンガをぉ、取るって言ったらお前らもレンガを取るんだよ。お前が石が欲しいって言ったらみんな石取るから。
それで誰が一番いい街作るか勝負な。
4×4のスペースにリソースを配置して建物を作り、町を作っていくゲームです。
町に建てられる建物は7種類あり、セットアップ時に建物ごとに今回のゲームでどういう効果(と材料)になるのか決めます。
6種類については、全プレイヤー共通の効果になります。各建物コマごとに効果が異なる数種類のカードが用意されており、建物コマごとに1枚を選び、場に公開します。
ランドマーク(紫の縦に長いコマ)は、各プレイヤー固有の効果で、各プレイヤーに2枚ずつ配られたカードから1枚だけ手元に残します(ゲーム終了時に公開します(だったはず))。
ゲームが始まると、手番順に以下を行います。
1. 欲しいリソースを宣言し、全プレイヤーがそのリソースを手に入れる
2. 自分のボード上の任意の空きマスにリソースを置く
3. (任意)建物のカードに書かれた必要リソース&配置された形を満たしていれば、リソースを捨てて、そのリソースの置かれていた場所のいずれかに建物コマを置く。
※1の宣言以外は手番プレイヤーと他プレイヤーでやることの差はありません。
これを手番順に繰り返します。空きマスがなくなり、リソースを配置できなくなったらゲームから抜けます。最後の1人が抜けたら得点計算です。
・得点計算
建物のカードに「縦横に並んだ建物の種類につき1点」とか、「隣接する建物Aごとに1点」などの得点方法が書かれており、建物種類ごとに得点計算をし、最後に個人ボード上の建物の建っていないマス数分を合計得点から引いたものが最終得点になります。
【プレイ内容】
さくらさん、おがわさん、僕の3人で。
人が集まるまでの空いた時間ですぐにできるのでとさくらさんにインストしていただきました。
今回使う建物は初回ゲームのおすすめ的なものだそうで、確かにそれっぽい効果のものが並んでいます。
ひと通りさくらさんに建物とその効果を説明してもらいましたが、
コテージ:食料が供給されていれば3点
農場:最大4つの建物に食料供給できる
教会:食料供給されている建物につき1点
と3つの建物が、おらーどうだー組み合わせて点を取りたくなるだろー?というものだったので、とりあえず、コテージ4つ、農場と教会1つずつというのを作ることにしました。
コテージを作るための資源は、
黄
青赤
と、黄青赤の資源がL字に並んでいる必要があります。
※このゲームでは資源の種類だけでなく場に並べられた形も建築条件になります。

(こんな感じで効果と必要な資源&配置はカードに示されてます)
まあ、最初ですしとおがわさん、さくらさん、僕が手番順に黄、青、赤と宣言してコテージを建設。
そして、コテージ作ったら次は農場ですかねと農場に必要な資源(茶と黄を2つずつ)を宣言。
よし、とりあえず、農場から供給可能な数だけコテージ作ろうかなと思っていると、さくらさんが宣言されたのは「灰色」。
コテージには不要な色ですが、教会や劇場を造るのに必要です。
教会もコテージ&農場セットで点数になる建物なので、このまま乗っかってもよかったんですが、あえて、
僕:「赤色」と教会や劇場には不要で、コテージには必要な色を宣言しました。
「赤色ぉ?」と声が上ずった声を出すさくらさん。次のおがわさんが教会や劇場に乗るのか、はたまた、コテージに乗ってくれるのか。
おがわさんは「黄色」を宣言。これも教会や劇場には不要でコテージには必要な色です。お、これはありがたいとコテージを作れるように黄色を配置します。
この後、とりあえずコテージ4つを作り切っちゃってから次の建物のことを考えようという僕とおがわさんはコテージに必要な青赤黄を連呼。
このゲーム、資源が手元ではなくボード上に置かれる&建築時に場所も見られるため、思惑と違う資源(キューブ)の置き場所次第で、他プレイヤーが作ろうとしていた建物が、必要な資源の種類は個人ボード上にあっても形が条件を満たしてないために、作れなくなったりして面白いです。
よしよしコテージが欲しかった数そろったなと資源から一気に建物に変換するかと盤面をよくよく見てみると…、
僕:「あ」
コテージは
黄
赤青
と赤を基準に黄色と青が垂直に置かれている(回転&鏡OK)必要があるんですが、
黄
青赤
と青を基準においてしまってました。
やっちまったー!といくら思っても、後の祭り。仕方ないので、
黄
青赤
□黄
と黄色を別の場所に新たに置いてコテージを建てました。

(なんとかリカバリーしようとしてるところ)
コテージを端に固めて作ってやれと最初の黄色を個人ボードの角に置いていたので、結構使いにくい場所に黄色キューブが残ってしまいました。
そして、最初の最初にさくらさんの宣言した「灰色」がうまいこと足かせになってしまっていて、どうも端の黄色とこの灰色のキューブの置かれたスペースは死んでしまったようです…と、一瞬諦めかけましたが、ふと手元を見てみると僕に配れらたランドマーク“カタリナ大聖堂”は
黄
青灰
と、ちょうどいま残念なことになっているキューブ+青色で作れる模様。キューブの置き場所もちょうどよいです。
やったーと喜び勇んで建てましたが、さすがにこの無計画っぷりでは盤面にそろそろ限界がおとずれそうです。
例えば、劇場の効果は「劇場の縦横列にある建物の種類ごとに1点」なんですが、もう効率よく劇場を作れるような土地がありません。
灰茶の2キューブで作れる井戸くらいならまだいけそうですが、井戸は「隣接する青建物(今回はコテージ)につき1点」と建てる場所の制約もありますし、そもそもそんなに得点効率がよくありません(当然といえば当然なんですが)。
あとは3マス使いますが、キューブの配置が「赤赤青」と真っ直ぐで良い宿屋も作りやすそうですというか、都市計画に失敗した結果、端にぽつーんと赤キューブがおかれています。これにくっつくように赤と青を置けば何とか生き残れそうです(宿屋は「街にある数に応じて得点」なので、場所の制限がない割には良い建物です)。
既にあった赤の下に赤を置き、あとはその下に青がおければ宿屋が作れる…というところで手番のさくらさんが「優しいプレイングしますね。赤で」と宣言。
うわわあああ、死んだああああと思ったんですが、さくらさんから「いやよく見てくださいよ」との声が。
まったく気づいていませんでしたが、「赤赤□青」と並んでいたので、赤でも青でも宿屋は作れたのでした。
ありがたい!序盤に邪魔するような手を打っちゃってすいませんでした!
この並びだともう一度宿屋を作れる(「赤赤赤青」が「赤□□□」になってる)ので、うーん、建つんかな?と若干不安になりながらも、手番で赤を宣言します。どうもこの頃になるとみなさんもスペースがないのは似たようなもんだったようで、宿屋を作る流れになり、もう1つ宿屋が無事建ちました。
この後はほんとにもうどうしようもなかったので、井戸を適当に空いたスペースに作って僕は終了。ほとんどみなさん同じタイミングでスペースが埋まったように思います(うろ覚えですが)。
で、得点シートに則って、各建物の点数を合計していくとどうもさくらさんが勝ってそう…?で、最後の空きマス分のマイナス点を報告するところで、
僕:「マイナスゼロ点です」
さくらさん&おがわさん:「マイナスなし!?」
まあ、明らかに空きマスあるのにマイナスゼロとか言ったら驚きますよねーと種明かし。うちの町のランドマーク“カタリナ大聖堂”の効果は「空きマスの点をマイナス1からゼロにする」だったんですよね。つえーとお二人を驚かすことができたので、僕は満足です。勝負は建物からの点が一番多く、空きマスも一番少なかったさくらさんが勝利されました!


(ゲーム終了時点)
【感想】
くっそずるい!汚い!と言いたくなるくらい、シンプルな作りで面白さを作ってるゲームだと思います。
それぞれが欲しい資源を好き勝手に宣言すれば、そりゃあ、自分の欲しいものだったり、別にいらないものだったり、それだけはやめてくれ!ってやつだったりするわけですが、このゲームは基本的にそれだけで成り立ってます。
少しでも上手く街を作ってやろうという、気持ちがみんなのプレイングによって右往左往させられる、そこで発生する気持ちの上下とパズルを楽しむゲームです。
そして、それで十二分に楽しいんですよね。その場その場の感情の揺れはひとまず置いといて最終的に良いか悪いかで判断するとかみたいに達観できないので。
二つ街の物語はチーム内で嬉しさ辛さを共感しあうゲームでしたが、タイニータウンは自分の中の感情の揺れ幅に楽しませられるゲームだなと。
まだ1セットしか遊んでないので確証はないですが、最後、あー、もう建てられない!?から案外なんとかなった!と終盤思ったより長引くのは変わらない気がします(たぶんみんな辛くて作りやすい建物に逃げるのは同じなので)。
そういうドキドキも含めて上手くできてやんなあこんちくしょうです。
とはいえ、これってゲーム開始からゲーム終了まで、プレイヤー全員が同じものを作ろうとして、同じように個人ボードに配置していったとしたらそれってゲームになるの?ってちょっと不安には思うんですよね。
実際、みんな同じ手を打ち続けることなんてまあ、100%あり得ないんですが。各プレイヤーが異なる建築条件&効果の建物カードを1枚だけ持っているということを除いても。
最効率の手もきっとあるはずですが、建物カードの組み合わせが変わらなかったとしても、この程度の複雑さで十分、最効率の手はわからないですし。同じ手になる可能性はほぼゼロだと理屈ではわかります。
それでも、思い切って作ったもんだなあと正直思います。
しかも、実プレイ時間が10~15分くらいだったんですよね。別に意識的に早打ちしたわけでもないですし、普通に悩んだ場面もありました。プレイ時間に対する満足度高いです。ちなみに箱に記載されている時間は45分なんですが、どうやってもそんなにはかからないと思います。
ゲームの作り的にも実際の面白さも、(面白さや煩雑さに対する)プレイ時間も非の打ち所がなく、文句なしのゲームなんですが、これだけ、単純化してると他の小さい街づくりゲームと得点の種類が似た感じにはなってるので、またか感はあるかもしれません。まあ、建物が5〜6種類の中で、同じの集めるか違うの集めるか縦横の並びでどうのこうのや、セットで〜とか見た感じのものになるのはしょうがないですが。