クー/Coup全アートワーク紹介(2019年10月時点)
色々あってクー/Coupというゲームを集めており、6種類くらい集まったところで紹介記事書きたいなーと思っていたのですが、紹介記事を書こうとしたところで新しいバージョンが出るということが続いてました。発売から7年経ち、結構な数のバージョンが出たのでもう落ち着いたろうということでようやく記事にしてみました。
〇ゲームの概要
テンデイズゲームズから日本語版が発売されている(2019年10月現在、いくつかのショップで購入できます)クー/Coupというゲームがあります。イギリスのスモールパブリッシャー(家族でやってるらしい)であるLa Mame Gamesから2012年に発売されたゲームで、デザイナーはRikki Tahtaです。
→ゲームの紹介記事
簡単に説明すると、お金を貯めたり、自分の持っているカードのアクションでプレイヤー同士で互いにライフを削り合って、生き残りが勝利するゲームです。特徴的なのは、自分の持っているカードのアクションを行う際、カードは伏せたままなので、持っているカードを嘘をついて、別カードのアクションを実行しても構わないところ。カードは3枚ずつしかないのに、4人プレイ、5人プレイ時に全員が同じアクションを実行する(少なくとも3人以外は嘘をついている)という状況が発生するのが面白く、また、徐々に正体が明らかになっていく中で、既に明らかになっている正体から他人の持っている本当のカードを推理する楽しさにあり、好きなゲームです。
(当然ですが、嘘をついているのが他人にばれて指摘されるとライフが減ります)
ゲームの紹介記事にも書いてますが、呼吸するように嘘をつけるようになってからが本番のゲームです
〇何故、複数版持っているのか
日本国内ではテンデイズゲームズが輸入して訳付きのものを当初販売していたのですが、アメリカでも既に人気ゲームだったレジスタンスの世界観と同じテーマに変更したものがKickstarterで資金調達し、発売されました。
好きなゲームだったのでこのプロジェクトを援助して手に入れていました。その後、ローマに栄光あれというゲームのポーランド語版を購入しようとした際にポーランド語版のクーもあることに気づき一緒に購入しました。
クーの特徴というか、クーの色んな言語版の特徴なのですが大元のLa Mame Games版のアートワークが使われず、その言語版のオリジナルアートワークが使われることが多いのです(日本語版は元版と同じ絵ですが)。
ここから、「せっかくだから全部の版(絵柄)を集めてやれ」という(結果的には)めっちゃ大変な道のりがスタートしたのです。
〇紹介する対象
2019年現在で、僕が把握しているアートワークが異なるライセンス商品は全部で13種です(ファンが好きな絵柄で作った版もBGGにめっちゃ写真が投稿されてますので、(たぶん)正規にライセンス契約しているもののみに絞って13種です)。
ラブレターだとホビット版とかバットマン版とかのようにベースルールはラブレターだけどカード効果が変わっているものもあります。クーもクー:グアテマラ1954のようにカード効果が変わっているものもあるのですが、基本的には上記13種はオリジナル版と同じ5種類のカード効果のものになります(よって、クー:グアテマラ1954は今回の記事の対象にしていません)。
また、陣営戦になる拡張が基本ゲームの箱にはじめから含まれているデラックス版というのもあります。基本的に同じアートワークなので、こちらも今回の記事の対象にはしていません。
しかし、Indie Boards & Cards版など、一部の版にはInquisitorという役職が追加されており、Ambassadorと入れ替えて遊べるようになっているものもあります。
今回の記事では基本5種+Inquisitor入りまでは対象にしています。
ちなみにInquisitorの効果は、「場の1枚と自分のカード1枚を交換する。または、他プレイヤーのカード1枚を見たうえで、場札と交換させてもよい。お金を盗む効果を防ぐ」というAmbassador+αの効果になっています。
〇クー13種紹介
La Mame Games版(イギリス) 2012年発売 10歳以上


クーのオリジナル版です。2012年のEssen Spielに出展され、そこから、日本やその他海外に知られていくことになりました。
テンデイズゲームズとニューゲームズオーダーの日本語版も同じアートワークです。スペイン語版も同じアートワークではありますが、デラックス版のみの販売になっています。
Indie Boards & Cards版(アメリカ) 2013年発売 13歳以上


アメリカをはじめ英語圏で主に流通している版です。Heidelberger 版も同じアートワークなのでドイツ語圏でもこの絵です。
今ではレジスタンス:アヴァロンの方が遊ばれているのかもしれませんが、だまし合い的なところが似ていると判断されたのか、レジスタンスと同じ世界観のアートワークで作成されています。
この後紹介するフランス語版(Complots)と同様にInquisitorが追加されています。混乱を防ぐためか、サマリが両面仕様でInquisitorを使う使わないで異なる面を見るようになっています。
Kickstarterの限定版だと、大量に出資が集まったのか豪華仕様になっており、流通している版と同じ仕様のカード以外に、各役職で2枚ずつ異なる絵柄のカードが入っています。

また、Indie Boards & Cards版はこれ以外にもワンナイト人狼など、いくつかのゲームをレジスタンス世界観で作成しており、それにCoupのプロモをつけることがよくあります。プロモカードの内容は既存のカードと交換して使う、新しい効果のカードです。

Coupスマホアプリ版(パブリッシャーはIndie Boards & Cards) 2015年発売 13歳以上



Coupのスマホアプリの絵柄を使った版です。イベント限定だったか、アメリカ限定流通だったかで、(少なくとも僕が買った当時は)アメリカからは通販での購入はできませんでした。買えないのかーと思っていたところ、ルーマニアの限定版とかも仕入れて扱っているショップで見つけたので購入しました。
基本的にはIndie Boards & Cards版と絵柄が異なるだけですが、発売時期の関係からか拡張入りのデラックス版仕様になっています。
Ferti版(フランス) 2013年発売 8歳以上


Ferti社のめっちゃ小さい箱のシリーズ(クニツィアのDTCとかも同シリーズです)の1つ。こちらもIndie Boards & Cards版と同じくInquisitorが入っています。BGGの書き込みを見るにこの版で初登場したみたいです。
他の版は全て3~6人用ですが、このフランス語版だけプレイ人数が3~8人用になっているのが一番の特徴です。そのため、全カード×3枚の通常構成ではなく、全カード×4枚あります。そのせいか、BGGでは別ゲームとして登録されています。
プレイ感がどこまで違うのかはようわかりません(人数によってセットアップが違うのかもしれませんが、フランス語が読めないので不明)
ヒットしたのか豪華版や続編として2が出ています。

木箱+メタルコインの豪華版が500個限定だったかで手に入れるのにめっちゃ苦労しました(モノはすぐに見つかって譲ってもらえる話になったんですが、Japanese Dojinのファンだというので、何回かゲームマーケットにお使いに行ったw)。箱がでかくなったので通常版にはない表形式のサマリがついてます。


2は9つの新能力のカードが追加されており、混ぜて遊べるそうです。ちゃんとルールを読んでないので、どう混ぜるのかやクー:グアテマラ1954に入っているカードとの能力の被りなどはわかりません。
FoxGames版(ポーランド) 2014年発売 10歳以上


ローマに栄光あれも色々なアートワークで色々な言語版で出ているゲームです(過去の紹介記事)。権利があーだこーだで今元版を再版するのは難しいみたいですが。
そのローマに栄光あれのポーランド語版(アートワークはドイツ語版とかと同じですが、箱の大きさやデザインが異なる)を購入する際、送料を薄めるために何かないかなーと探していて見つけました。(クー、ポーランド語版の紹介記事)
ルールはIndie Boards & Cards版と同じく、Inquisitor入りです。
写真を見ればわかる通り、箱絵がオバマとプーチンです。カードにはドイツのメルケル首相もいます。実はこれは旧版で今の版だと箱絵がトランプとプーチンに変わっています。
あと、コストの関係からかコインが入っておらず、カード上にトークンを配置して所持金を表す形になってます。
Igrato版(ロシア) 2013年発売 16歳以上


Inquisitorなしです。絵が近世のロシア貴族という感じで、一番好きです。コインが木製+ウッドバーニングで模様が入っているというのも変わっています。
当時、日本からクレジットカードやPaypalで購入できるショップが見つけられず、代行業者に頼んで購入しました(その代行業者もなくなってしまいましたが)。経済封鎖を受けていてVisaが使えなかったんですよね。いまはロシアのショップでもPaypalが使える店もあるので気軽に買えます(そのショップ)。送料はヨーロッパから買うのと同じくらいです。
※このクーはもう販売していないので買えませんが。
これもまた送料を薄めるために、一緒にゲーム買わないかと知り合いに声をかけました。見た目やショップサイトにあるルール概要とかだけでゲームを買ってくれる人たちが知り合いにいてくれてよかったです。この時、知り合いのひとりが一緒に買った中にはナンジャモンジャ(なまえをよんで)もありました。
Kaissa Chess & Games版(ギリシャ) 2014年発売 12歳以上


箱は小さいけどカードがでかい。Inquisitorは無し。ギリシャ語仕様です。チェコ語版ととアートワークは同じです(発売年的にギリシャのアートワークをチェコ版でも使ったようです。
FunBox Jogos版(ブラジル版) 2014年発売 14歳以上



言語はポルトガル語。Inquisitorあり。Indie Boards & Cards版のKickstarter版のアートワーク変えたものらしく、各職、おまけで2枚ずつ絵柄が違うカードが入っています(対象年齢が1歳あがってますが)。
ブラジルのクラウドファンディングで出資を募っていた版で、お金を追加すれば色々おまけ(ポストカードやたぶん拡張のカード)がついてくるという話だったんですが、結局、ゲームが届いただけで、何度催促してもおまけは送ってくれませんでした(送ったけどロストしたって、4回もロストしないだろ!)。
どういう経緯からか、このアートワーク最高!みたいな話になり、Indie Boards & Cardsが同じアートワークで英語版を作成してました(Indie Boards & Cardsが作ったのは拡張入りで、箱も大きいデラックス版でした)。

חברת הקובייה版(イスラエル) 2015年発売 10歳以上


Inquisitorは無し。ヘブライ語。ちなみにパブリッシャーは英語だとThe Cube Companyみたいな名前の模様です。
箱は大きいですが、カードは小さく、箱の中も上げ底というか、紙で作った内箱で箱の8割が埋まっています。カードやプラスチック製のコインの質はちょっと悪いです。
イスラエルの公用語はヘブライ語で、右から左に書くのでサマリが左右反転してます。
ブラジル版を購入してしばらくの間はBGGをチェックしてたんですが、しばらく追加がなく、もう大丈夫かなと油断してみていない間に発売されてたひとつ。
ネットショップ自体は3,4つあったんですが、クーを売っていて、かつ、英語のメールで返事をくれたのが確か1つだった気がします。英語でやりとりしてVisaカードで購入しました。イスラエルのオリジナルゲームも売ってましたが、子供向けの単純なやつしか見つけられませんでした(イスラエル産のゲーマーズゲームも存在はしてるようですが)。
NeoTroy Games版(トルコ) 2016年発売 13歳以上


Inquisitorは無し。
油断してる間に発売されてた版その2。売ってるショップを見つけられなかったので、パブリッシャーのサイトから購入しました。同パブリッシャーは、独自アートのフォーセールやバトルラインも売ってます。
El Dragón Azul版(アルゼンチン) 2016年発売 15歳以上


Inquisitorは無し。何故かサイバーパンク風。
BGGのフォーラムで発売するぜ!みたいな話があり、パブリッシャーのサイトのショップでプレオーダーしようとしましたが送付先に日本を選択できない仕様だったので、Facebook経由でショップに連絡して、送ってもらいました。
去年、デラックス版仕様で再版されてます。
スペイン語なためかスペインでも流通しており、スペインのネットショップでも購入できるとことがあります。
Siam Board Games版(タイ) 2017年発売 13歳以上


BGGだったかでタイのオリジナルアートワークのゲームの紹介をしていたか何かで気づいたような覚えがあります。タイのレジスタンスアヴァロンとか、何故、その可愛い絵にしたのか。
ここも送付先に日本が表示されず、他国から購入する場合はメールくれと書いてあったので、メールで欲しいゲームを伝えてクレジットカードで購入しました。
After 5 Games版(イラン) 2018年発売 14歳以上


カードの隅にある紋章?はIndie Boards & Cards版と同じなんですが、Inquisitorは入っていません。
なんというか、80年代?90年代?くらいの日本のSFアニメか漫画みたいなアートワーク。言語はペルシャ語です。
BGGでイランのゲームが紹介されていたので興味を持ち、お化けキャッチ等を買おうと色々と購入手段を探している時に発売されたようで、お、あるじゃんと購入しました。
ネットショップ自体は10弱あり、英語で書かれたサイトもあったんですがメールしても返事がなく(日本からの送金が難しいようなのでそのせいかもしれません)、輸入代行業者もなく(あっても個人相手ではない)、どうしようかと思ってたところ、現地に住まれている日本人の方にお願いできることになり、その方に購入&発送をしてもらいました(旅行者の案内やプランニングなどを日本人相手に個人でされている方にお願いしてみました)。
(イラン製お化けキャッチの紹介記事)
各バージョン間の比較
・公爵/Duke

・刺客/Assasin

・大使/Ambassador

・船長/Captain

・女伯/Contessa

・尋問官/Inquisitor

・箱
〇雑感
最初にテンデイズでクーを購入してからざっくり7年経っていますが、今でも新しい版(イラン版は2018年の発売)が出ています。新しいゲームが次々に出てる中で、何故、7年前のゲームが最新作と混ざってアートワークを書き起こしてまでリメイクされるんやねんというのは正直思いますが、それだけ魅力のあるゲームなのだろうと思います。新しい版がでるたびに、どうやって手に入れるかも大変ですが、楽しいです。もう新しい版を買うこと自体が楽しいので、どんとこいという気持ちになってます。
(契約がルールだけになっていて、アートワークは各自用意しろみたいになってるのかもしれません)
Inquisitorのカードの有り無しはありますが、基本的には独自拡張やバリアント、独自ルールががつけられることもなく、オリジナル版のルールをどの国でも踏襲しています。なので、中身は同じはずなんですが、各国の受け方、各パブリッシャーの売り方が異なるためか、箱の大きさ、カードの大きさはバラバラです。カードの説明も、サマリにしか書いていない、カードに文章で書いてある、アイコンで書いてあるなど、版によって様々ですし、これは僕は見つけた時、驚いたのですが、対象年齢の表記もバラバラです。案外アイコン表記している版がないんですよね。
あと、印象的だったのは対象年齢のつけかたで、日本では「XX歳以上なら遊べる」という解釈ですが、この「対象年齢」というのも、各国でとらえ方がどうも異なるようです。
各版の横に対象年齢書きましたが、8歳~16歳とかなりひらきがあります。
一番低いのはフランス、テーマがめっちゃ政治的で高そうに見えるポーランド版は実際には10歳で、低い方です(日本と同じでテーマなど関係なく、元版と一緒にしてるくさいです)。
一番高いのは16歳のロシア。これはテーマとお国柄の相性のせいかもしれません。
一番多いのは13歳前後で、元版と同じ方がむしろ少ないです。ルールだけでなく対象年齢も含めてローカライズしてるんだなあと最初気づいた時は驚きました。
各国語版の説明と購入方法を併記しています。色んな国に色々と変わったゲームが売ってますが、大抵の国なら、英語で「XXが欲しい、日本に送れるか」程度を書けて、クレジットカードさえあれば、買うことができるということと、それが無理でも何とか方法はあるということを伝えたかったからです。
(もちろんネットショップで普通にカートに入れて購入ボタンぽちっとすれば買える国の方が多いですし、そこから買ってれば大抵は十分なんですけど)。
といっても、単純に購入可能なボードゲームの種類という点では日本が世界中で一番恵まれてる国なんですよね。
日本はゲームマーケットがあるせいか、スモールパブリッシャー(同人)のゲーム自体が多いですし、そのほとんどはネットで購入できるようになっています(ボドゲーマさんでは2100種以上のゲームが扱われています!)。多くのゲームを生産している中国から近いせいか、欧米では未発売のゲームも流通してたりします(日本語版が先に売られても欧米のマーケットに影響がないというのもあるでしょうが)。
まあ、日本だけで十分じゃないかと思いながらも、他国のショップサイトを見るだけでも楽しいですし、僕はクー(やローマに栄光あれ)がきっかけで色んな国のショップを見ることになりましたが、みなさんにも何かしら琴線に触れるものもあるかもしれませんので、気が向いたらちょっと眺めてみるのもいいんじゃないかと思います。
〇ゲームの概要
テンデイズゲームズから日本語版が発売されている(2019年10月現在、いくつかのショップで購入できます)クー/Coupというゲームがあります。イギリスのスモールパブリッシャー(家族でやってるらしい)であるLa Mame Gamesから2012年に発売されたゲームで、デザイナーはRikki Tahtaです。
→ゲームの紹介記事
簡単に説明すると、お金を貯めたり、自分の持っているカードのアクションでプレイヤー同士で互いにライフを削り合って、生き残りが勝利するゲームです。特徴的なのは、自分の持っているカードのアクションを行う際、カードは伏せたままなので、持っているカードを嘘をついて、別カードのアクションを実行しても構わないところ。カードは3枚ずつしかないのに、4人プレイ、5人プレイ時に全員が同じアクションを実行する(少なくとも3人以外は嘘をついている)という状況が発生するのが面白く、また、徐々に正体が明らかになっていく中で、既に明らかになっている正体から他人の持っている本当のカードを推理する楽しさにあり、好きなゲームです。
(当然ですが、嘘をついているのが他人にばれて指摘されるとライフが減ります)
ゲームの紹介記事にも書いてますが、呼吸するように嘘をつけるようになってからが本番のゲームです
〇何故、複数版持っているのか
日本国内ではテンデイズゲームズが輸入して訳付きのものを当初販売していたのですが、アメリカでも既に人気ゲームだったレジスタンスの世界観と同じテーマに変更したものがKickstarterで資金調達し、発売されました。
好きなゲームだったのでこのプロジェクトを援助して手に入れていました。その後、ローマに栄光あれというゲームのポーランド語版を購入しようとした際にポーランド語版のクーもあることに気づき一緒に購入しました。
クーの特徴というか、クーの色んな言語版の特徴なのですが大元のLa Mame Games版のアートワークが使われず、その言語版のオリジナルアートワークが使われることが多いのです(日本語版は元版と同じ絵ですが)。
ここから、「せっかくだから全部の版(絵柄)を集めてやれ」という(結果的には)めっちゃ大変な道のりがスタートしたのです。
〇紹介する対象
2019年現在で、僕が把握しているアートワークが異なるライセンス商品は全部で13種です(ファンが好きな絵柄で作った版もBGGにめっちゃ写真が投稿されてますので、(たぶん)正規にライセンス契約しているもののみに絞って13種です)。
ラブレターだとホビット版とかバットマン版とかのようにベースルールはラブレターだけどカード効果が変わっているものもあります。クーもクー:グアテマラ1954のようにカード効果が変わっているものもあるのですが、基本的には上記13種はオリジナル版と同じ5種類のカード効果のものになります(よって、クー:グアテマラ1954は今回の記事の対象にしていません)。
また、陣営戦になる拡張が基本ゲームの箱にはじめから含まれているデラックス版というのもあります。基本的に同じアートワークなので、こちらも今回の記事の対象にはしていません。
しかし、Indie Boards & Cards版など、一部の版にはInquisitorという役職が追加されており、Ambassadorと入れ替えて遊べるようになっているものもあります。
今回の記事では基本5種+Inquisitor入りまでは対象にしています。
ちなみにInquisitorの効果は、「場の1枚と自分のカード1枚を交換する。または、他プレイヤーのカード1枚を見たうえで、場札と交換させてもよい。お金を盗む効果を防ぐ」というAmbassador+αの効果になっています。
〇クー13種紹介
La Mame Games版(イギリス) 2012年発売 10歳以上


クーのオリジナル版です。2012年のEssen Spielに出展され、そこから、日本やその他海外に知られていくことになりました。
テンデイズゲームズとニューゲームズオーダーの日本語版も同じアートワークです。スペイン語版も同じアートワークではありますが、デラックス版のみの販売になっています。
Indie Boards & Cards版(アメリカ) 2013年発売 13歳以上


アメリカをはじめ英語圏で主に流通している版です。Heidelberger 版も同じアートワークなのでドイツ語圏でもこの絵です。
今ではレジスタンス:アヴァロンの方が遊ばれているのかもしれませんが、だまし合い的なところが似ていると判断されたのか、レジスタンスと同じ世界観のアートワークで作成されています。
この後紹介するフランス語版(Complots)と同様にInquisitorが追加されています。混乱を防ぐためか、サマリが両面仕様でInquisitorを使う使わないで異なる面を見るようになっています。
Kickstarterの限定版だと、大量に出資が集まったのか豪華仕様になっており、流通している版と同じ仕様のカード以外に、各役職で2枚ずつ異なる絵柄のカードが入っています。

また、Indie Boards & Cards版はこれ以外にもワンナイト人狼など、いくつかのゲームをレジスタンス世界観で作成しており、それにCoupのプロモをつけることがよくあります。プロモカードの内容は既存のカードと交換して使う、新しい効果のカードです。

Coupスマホアプリ版(パブリッシャーはIndie Boards & Cards) 2015年発売 13歳以上



Coupのスマホアプリの絵柄を使った版です。イベント限定だったか、アメリカ限定流通だったかで、(少なくとも僕が買った当時は)アメリカからは通販での購入はできませんでした。買えないのかーと思っていたところ、ルーマニアの限定版とかも仕入れて扱っているショップで見つけたので購入しました。
基本的にはIndie Boards & Cards版と絵柄が異なるだけですが、発売時期の関係からか拡張入りのデラックス版仕様になっています。
Ferti版(フランス) 2013年発売 8歳以上


Ferti社のめっちゃ小さい箱のシリーズ(クニツィアのDTCとかも同シリーズです)の1つ。こちらもIndie Boards & Cards版と同じくInquisitorが入っています。BGGの書き込みを見るにこの版で初登場したみたいです。
他の版は全て3~6人用ですが、このフランス語版だけプレイ人数が3~8人用になっているのが一番の特徴です。そのため、全カード×3枚の通常構成ではなく、全カード×4枚あります。そのせいか、BGGでは別ゲームとして登録されています。
プレイ感がどこまで違うのかはようわかりません(人数によってセットアップが違うのかもしれませんが、フランス語が読めないので不明)
ヒットしたのか豪華版や続編として2が出ています。

木箱+メタルコインの豪華版が500個限定だったかで手に入れるのにめっちゃ苦労しました(モノはすぐに見つかって譲ってもらえる話になったんですが、Japanese Dojinのファンだというので、何回かゲームマーケットにお使いに行ったw)。箱がでかくなったので通常版にはない表形式のサマリがついてます。


2は9つの新能力のカードが追加されており、混ぜて遊べるそうです。ちゃんとルールを読んでないので、どう混ぜるのかやクー:グアテマラ1954に入っているカードとの能力の被りなどはわかりません。
FoxGames版(ポーランド) 2014年発売 10歳以上


ローマに栄光あれも色々なアートワークで色々な言語版で出ているゲームです(過去の紹介記事)。権利があーだこーだで今元版を再版するのは難しいみたいですが。
そのローマに栄光あれのポーランド語版(アートワークはドイツ語版とかと同じですが、箱の大きさやデザインが異なる)を購入する際、送料を薄めるために何かないかなーと探していて見つけました。(クー、ポーランド語版の紹介記事)
ルールはIndie Boards & Cards版と同じく、Inquisitor入りです。
写真を見ればわかる通り、箱絵がオバマとプーチンです。カードにはドイツのメルケル首相もいます。実はこれは旧版で今の版だと箱絵がトランプとプーチンに変わっています。
あと、コストの関係からかコインが入っておらず、カード上にトークンを配置して所持金を表す形になってます。
Igrato版(ロシア) 2013年発売 16歳以上


Inquisitorなしです。絵が近世のロシア貴族という感じで、一番好きです。コインが木製+ウッドバーニングで模様が入っているというのも変わっています。
当時、日本からクレジットカードやPaypalで購入できるショップが見つけられず、代行業者に頼んで購入しました(その代行業者もなくなってしまいましたが)。経済封鎖を受けていてVisaが使えなかったんですよね。いまはロシアのショップでもPaypalが使える店もあるので気軽に買えます(そのショップ)。送料はヨーロッパから買うのと同じくらいです。
※このクーはもう販売していないので買えませんが。
これもまた送料を薄めるために、一緒にゲーム買わないかと知り合いに声をかけました。見た目やショップサイトにあるルール概要とかだけでゲームを買ってくれる人たちが知り合いにいてくれてよかったです。この時、知り合いのひとりが一緒に買った中にはナンジャモンジャ(なまえをよんで)もありました。
Kaissa Chess & Games版(ギリシャ) 2014年発売 12歳以上


箱は小さいけどカードがでかい。Inquisitorは無し。ギリシャ語仕様です。チェコ語版ととアートワークは同じです(発売年的にギリシャのアートワークをチェコ版でも使ったようです。
FunBox Jogos版(ブラジル版) 2014年発売 14歳以上



言語はポルトガル語。Inquisitorあり。Indie Boards & Cards版のKickstarter版のアートワーク変えたものらしく、各職、おまけで2枚ずつ絵柄が違うカードが入っています(対象年齢が1歳あがってますが)。
ブラジルのクラウドファンディングで出資を募っていた版で、お金を追加すれば色々おまけ(ポストカードやたぶん拡張のカード)がついてくるという話だったんですが、結局、ゲームが届いただけで、何度催促してもおまけは送ってくれませんでした(送ったけどロストしたって、4回もロストしないだろ!)。
どういう経緯からか、このアートワーク最高!みたいな話になり、Indie Boards & Cardsが同じアートワークで英語版を作成してました(Indie Boards & Cardsが作ったのは拡張入りで、箱も大きいデラックス版でした)。

חברת הקובייה版(イスラエル) 2015年発売 10歳以上


Inquisitorは無し。ヘブライ語。ちなみにパブリッシャーは英語だとThe Cube Companyみたいな名前の模様です。
箱は大きいですが、カードは小さく、箱の中も上げ底というか、紙で作った内箱で箱の8割が埋まっています。カードやプラスチック製のコインの質はちょっと悪いです。
イスラエルの公用語はヘブライ語で、右から左に書くのでサマリが左右反転してます。
ブラジル版を購入してしばらくの間はBGGをチェックしてたんですが、しばらく追加がなく、もう大丈夫かなと油断してみていない間に発売されてたひとつ。
ネットショップ自体は3,4つあったんですが、クーを売っていて、かつ、英語のメールで返事をくれたのが確か1つだった気がします。英語でやりとりしてVisaカードで購入しました。イスラエルのオリジナルゲームも売ってましたが、子供向けの単純なやつしか見つけられませんでした(イスラエル産のゲーマーズゲームも存在はしてるようですが)。
NeoTroy Games版(トルコ) 2016年発売 13歳以上


Inquisitorは無し。
油断してる間に発売されてた版その2。売ってるショップを見つけられなかったので、パブリッシャーのサイトから購入しました。同パブリッシャーは、独自アートのフォーセールやバトルラインも売ってます。
El Dragón Azul版(アルゼンチン) 2016年発売 15歳以上


Inquisitorは無し。何故かサイバーパンク風。
BGGのフォーラムで発売するぜ!みたいな話があり、パブリッシャーのサイトのショップでプレオーダーしようとしましたが送付先に日本を選択できない仕様だったので、Facebook経由でショップに連絡して、送ってもらいました。
去年、デラックス版仕様で再版されてます。
スペイン語なためかスペインでも流通しており、スペインのネットショップでも購入できるとことがあります。
Siam Board Games版(タイ) 2017年発売 13歳以上


BGGだったかでタイのオリジナルアートワークのゲームの紹介をしていたか何かで気づいたような覚えがあります。タイのレジスタンスアヴァロンとか、何故、その可愛い絵にしたのか。
ここも送付先に日本が表示されず、他国から購入する場合はメールくれと書いてあったので、メールで欲しいゲームを伝えてクレジットカードで購入しました。
After 5 Games版(イラン) 2018年発売 14歳以上


カードの隅にある紋章?はIndie Boards & Cards版と同じなんですが、Inquisitorは入っていません。
なんというか、80年代?90年代?くらいの日本のSFアニメか漫画みたいなアートワーク。言語はペルシャ語です。
BGGでイランのゲームが紹介されていたので興味を持ち、お化けキャッチ等を買おうと色々と購入手段を探している時に発売されたようで、お、あるじゃんと購入しました。
ネットショップ自体は10弱あり、英語で書かれたサイトもあったんですがメールしても返事がなく(日本からの送金が難しいようなのでそのせいかもしれません)、輸入代行業者もなく(あっても個人相手ではない)、どうしようかと思ってたところ、現地に住まれている日本人の方にお願いできることになり、その方に購入&発送をしてもらいました(旅行者の案内やプランニングなどを日本人相手に個人でされている方にお願いしてみました)。
(イラン製お化けキャッチの紹介記事)
各バージョン間の比較
・公爵/Duke

・刺客/Assasin

・大使/Ambassador

・船長/Captain

・女伯/Contessa

・尋問官/Inquisitor

・箱
〇雑感
最初にテンデイズでクーを購入してからざっくり7年経っていますが、今でも新しい版(イラン版は2018年の発売)が出ています。新しいゲームが次々に出てる中で、何故、7年前のゲームが最新作と混ざってアートワークを書き起こしてまでリメイクされるんやねんというのは正直思いますが、それだけ魅力のあるゲームなのだろうと思います。新しい版がでるたびに、どうやって手に入れるかも大変ですが、楽しいです。もう新しい版を買うこと自体が楽しいので、どんとこいという気持ちになってます。
(契約がルールだけになっていて、アートワークは各自用意しろみたいになってるのかもしれません)
Inquisitorのカードの有り無しはありますが、基本的には独自拡張やバリアント、独自ルールががつけられることもなく、オリジナル版のルールをどの国でも踏襲しています。なので、中身は同じはずなんですが、各国の受け方、各パブリッシャーの売り方が異なるためか、箱の大きさ、カードの大きさはバラバラです。カードの説明も、サマリにしか書いていない、カードに文章で書いてある、アイコンで書いてあるなど、版によって様々ですし、これは僕は見つけた時、驚いたのですが、対象年齢の表記もバラバラです。案外アイコン表記している版がないんですよね。
あと、印象的だったのは対象年齢のつけかたで、日本では「XX歳以上なら遊べる」という解釈ですが、この「対象年齢」というのも、各国でとらえ方がどうも異なるようです。
各版の横に対象年齢書きましたが、8歳~16歳とかなりひらきがあります。
一番低いのはフランス、テーマがめっちゃ政治的で高そうに見えるポーランド版は実際には10歳で、低い方です(日本と同じでテーマなど関係なく、元版と一緒にしてるくさいです)。
一番高いのは16歳のロシア。これはテーマとお国柄の相性のせいかもしれません。
一番多いのは13歳前後で、元版と同じ方がむしろ少ないです。ルールだけでなく対象年齢も含めてローカライズしてるんだなあと最初気づいた時は驚きました。
各国語版の説明と購入方法を併記しています。色んな国に色々と変わったゲームが売ってますが、大抵の国なら、英語で「XXが欲しい、日本に送れるか」程度を書けて、クレジットカードさえあれば、買うことができるということと、それが無理でも何とか方法はあるということを伝えたかったからです。
(もちろんネットショップで普通にカートに入れて購入ボタンぽちっとすれば買える国の方が多いですし、そこから買ってれば大抵は十分なんですけど)。
といっても、単純に購入可能なボードゲームの種類という点では日本が世界中で一番恵まれてる国なんですよね。
日本はゲームマーケットがあるせいか、スモールパブリッシャー(同人)のゲーム自体が多いですし、そのほとんどはネットで購入できるようになっています(ボドゲーマさんでは2100種以上のゲームが扱われています!)。多くのゲームを生産している中国から近いせいか、欧米では未発売のゲームも流通してたりします(日本語版が先に売られても欧米のマーケットに影響がないというのもあるでしょうが)。
まあ、日本だけで十分じゃないかと思いながらも、他国のショップサイトを見るだけでも楽しいですし、僕はクー(やローマに栄光あれ)がきっかけで色んな国のショップを見ることになりましたが、みなさんにも何かしら琴線に触れるものもあるかもしれませんので、気が向いたらちょっと眺めてみるのもいいんじゃないかと思います。