ラッシュ M.D./ Rush M.D.

(3人でインスト込み30分ほど)
【概要&ルール】
4分間で患者を救え! いやー、慌ててたんで肝臓と腎臓間違えちゃいました。
砂時計をワーカーとして使う、リアルタイムのワーカープレイスメント&協力ゲームです。砂時計は30秒で、1ラウンド4分、4ラウンドで規定以上の点数を稼ぐことを目指します。
ワーカー配置ルールは前作であるキッチンラッシュとほぼ同じですが、いくつか異なる点があります。
・砂時計には、各プレイヤーが1つずつ持つ医者と、全プレイヤーが共有で使う看護師の2種類があり、ワーカーのおける場所(アクション)に、医者専用、看護師専用、どちらでも可能の3種類があります。
・ラウンド終了前に配置したワーカーのアクションは時間切れになっても継続して行えますが、砂時計が落ちきるまでしかできません。
ゲームは、ブリーフィング、4分間のアクション、ラウンド終了時の処理を規程ラウンド繰り返します。
・アクションについて
ボードが大きく5種類あり、それぞれ実行可能なアクションが異なります。
・受付周辺:外来患者/入院患者カードを引く。外来患者を治療する。入院患者をベッドに乗せる(入院病棟へ移す)
・入院病棟:入院病棟にいる患者に薬等を処方します
・検査棟:入院患者カードに書かれた必要な検査が行えます(XXxXの4種)
・薬局:サプライからボード上に薬や注射器、臓器を補充します。
・手術室:入院患者カード、または検査カードに書かれた手術内容に従い、必要な治療を行います。
・ラウンド終了時の処理について
ラウンド終了時、入院患者と外来患者のチェックを行います。外来患者には必要な薬が処方されているか、入院患者には必要な検査、手術、薬の処方が行われているかを確認します。余剰、もしくは不足している場合、病院の評判がおちます。ちょうど、または余剰の場合は患者の治療は完了したとなり、点数を得ます。不足している場合は、病状が悪化して次ラウンドも患者が残ります(重体の患者は病状が悪化すると死んだ扱いになり、次ラウンドには登場しません)。
規程ラウンド経過する、もしくは評判がゼロになったらゲーム終了です。規程ラウンド経過&ゲーム開始時にカードで決めていた点数などの目標を達成していればクリアとなります。

(左2枚が入院患者、右2枚が外来患者。1番左のカードのあるメスのマークが手術で処方しないとダメな薬や臓器、左から2番目のカードにある赤や緑の人型のマークが必要な検査を示します。下側の小さいカードが検査結果カードで、追加の薬などが書かれています)

(1つ1つがでかいというか、ベッドが小さいというかで、検査結果カード2枚の患者さんだとこんな感じで必要な処置を全部するとベッド上はぱんぱんになります)
・検査について
検査は4種類あり、入院患者カードに何の検査が必要か示されています。
検査はトークンの中からカードに書かれた当たりを探す培養検査、ピンセットでカードに示された通りに小さいコマを並べ替える血液検査、複数のカードから当たりを探すX線検査、ベッドの上にバランスよく砂時計をおいて落ちきるまで耐えるMRI検査があります。

【プレイ内容】
一味さん、ウキンさん、僕の3人で。
3人ともキッチンラッシュは複数回プレイ済なので、概要までのルール説明はサクッと終わり、ラッシュM.D.の独自要素の説明のみで、いざゲーム開始です。キッチンラッシュが鬼難易度だった(※)こともあり、難易度(目標点)はイージーを選びました。
※自分では確認できていませんが、キック版が難易度高すぎたので、一般流通版では難易度調整が行われているということです。
座っていた位置の関係から、患者カードのドローと外来患者の治療はウキンさん、入院患者の検査や治療を僕と一味さんという分担になりました。
※ゲームボードは病棟ごとにわかれており、遊びやすいよう任意の位置や向きにおいて構わないというルールなので、やりたいことがあれば、座る位置に関係なく、ボードを動かせば良いのですが、初プレイなので、セットアップ時にたまたま置いたまま、座った位置のまま遊びました。
1ラウンド目、どの程度大変かまったくわからないので、とりあえず、入院患者と外来患者を2人ずつ見ましょうかということで開始。
患者には、軽症や重症など、症状の重さが設定されており、当然、症状が重くなればなるほど、治療に必要な薬や検査は多くなります。
軽いやつなら、薬を数個処方するだけ(薬を処方するというアクション1つで完治する)ですが、重いと検査を複数した上で、手術が必要になります。(1検査=1アクション、手術は医者が行える処置と看護師が行える処置が異なるので、それぞれ1アクションで計2アクションが完治までに必要です)。
しかも、当然、使った薬や臓器などはサプライからボード上に補充しないとなりません。この補充もアクションが必要&1アクションで補充できる個数は種類にもよりますが2,3個程度と多くはありません。
まあ、薬は初期セットアップの分があるので、1ラウンド目は足りなくなることはないとは思いますが…。
当然、インストで一通り説明はしているものの、このゲーム、案外細かいルールが多く、1ラウンド目は混乱しました。
例えば、薬などの補充アクションは通常は普通に手で補充すればいいんですが、臓器を補充する際にはピンセットでコマを扱わないとなりません。そして、病棟や外来で治療する(薬を処方する)時は素手でOKですが、手術室内では何をするにもピンセットでないとなりません。
この、どこまでピンセットを使うんだったかな?という件で、都度、どっちだっけ?という確認が入っていました。
(別のセッションでしたが、手術室内では全部ピンセットで扱うという説明をしたら、薬を処方する時、注射器もピンセットで掴んで、その中にピンセットでつかんだコマをいれるという曲芸みたいなプレイをしている方もいました。いや、“全部ピンセット”と僕がインストしてしまったので、そう解釈されるのも当然なんですが。(ピンセットは各プレイヤー1つずつということもあり、注射器は素手で触ってよいようです)。
そんなこんなで1ラウンド目終了。患者に必要な治療がされているかをチェックします。
患者カードや検査結果カードに治療に必要な薬や臓器が書かれており、それがカード上に乗っているか(アクションで乗せられているか)のチェックです。
一味さん:「エピデミック起ってるぞ!」
検査結果カードにはエピデミックアイコンが書かれているものが少数あり、それが引かれると、その検査を受けた患者のいる病棟で院内感染が発生します。院内感染発生時には、エピデミックカードを引き、患者カードや検査結果カードに加えて、エピデミックカードに書かれた薬も処方しないとならなくなります。
つまり、エピデミックに気づいていなかった=エピデミックカード分の処方は当然やってないので、治療失敗となります。
一味さん:「入院患者を入院病棟に運ぶ時に、A病棟とB病棟にわけて運んでおいてよかった」
エピデミックは病棟内だけにしか影響しないので、B病棟の患者は無事治療完了で退院していきました。
エピデミックに気づかなかった検査者は誰なのかというと、僕なんですが、次から気を付けますというぬるい再発防止策で勘弁してもらい2ラウンド目開始です。
2ラウンド目のアクションを開始する前に、作戦を練るブリーフィングです。とりあえず、1ラウンド目でどれくらい時間がきついかや目標点に達するには何人くらい患者をさばけばよいかもわかったので、その目標人数分、患者カードを引いて、後は臨機応変にいこうと決めました。
正直言って、イージーは(たぶんノーマルでも)結構時間の余裕があります。なので、分担を決めるですとか、連携を密にとかそういうのは置いておき、とりあえず、薬局に足りてなさそうな薬があれば、検査が早く終わって砂時計の砂が落ちるのを待っている間などの手が空いている時に、看護師ワーカーが空いていれば補充するみたいな感じでやってました。
それでも、たまに、いざ手術に突入してみたら臓器が足りないみたいなこともありました。
一味さん:「腎臓あると思ってたら、ない! 腎臓を誰か補充してくれー」
ウキンさん:「腎臓ってどのコマ? これ?」
僕:「豆みたいなやつ!」
処方アクションにワーカー置いたけど薬が足りないので、自分で薬補充してから改めて処方するといううアクション的には無駄極まりないことをやっても問題ないほど、落ち着いた感じでゲームは終了。
エピデミックも治療ミスも1ラウンド目だけでしたし、毎ラウンド目標数の患者を治療し続けて、危なげなくクリアできました。
(目標はイージーを目指してましたが、検査結果カード等から追加の点数がはいるため、結果的に点数はノーマル難易度をクリアできるくらいの点になってました)
【感想】
リアルタイムの協力ゲームというだけで、わちゃわちゃしたり、いい感じで連携できたりと面白さは保証されていると思うのですが、このラッシュM.D.もやはり面白いゲームでした。
患者カードや検査結果カードはめくるまでどの程度の難易度のものが出てくるかはわからないというのが不安をあおりますが、少なくともベーシック難易度ではそこまで気にしなくてもよさそうです(患者数をセーブしていれば、十分検査も治療も間に合うはず)。
難易度がハード(目標点があがる&治療ミス時の許容量が減る)は未プレイなので、どの程度運次第なのかはわかりませんが。
リアルタイムの協力ゲームということで、どの程度、プレイヤー間で意思疎通というか、連携がとれるかでゲームの難易度が変わって来そうではあるのですが、ぶっちゃけ、そう連携を強く推している作りでもないです。
これは正直残念で、最低限の役割分担は必要ですが、声を掛け合う的な場面の必要性は低いように感じました。
しかし、これはゲームの作り的に仕方ないところで、検査=アクションゲームなので、アクションゲームやりながら他のことに気を回せるか?というと、んなわけないんですよね。
キッチンラッシュはちょっとした空き時間(料理に火を通したり、皿を洗ったりとワーカーを置いて、実際に手を動かす時間が短かったり、ほぼないアクション中)に、声を掛け合ったり、状況確認したりすることができ、それがワーカー配置&アクションの解決法(食材をどの倉庫に補充するかとか)の効率化につながっていて、面白かったんですが、ラッシュM.D.では、前作のそういった面白さはある程度捨てて、個人個人の判断や解決のうまさにゲームの面白さや難易度調整をふっています。
リアルタイムのアクションゲームにふさわしい言葉ではないかもしれませんが、ソロゲーよりの面白さと言えると思います。
キッチンラッシュは1ゲーム終わると、脳みそと身体が疲弊して、続けて何戦も遊ぶというゲームでは(僕には)なかったですが、ラッシュM.D.は気軽に楽しく遊べるゲームになっていると思います。
各検査のアクション要素がちょっと単純かなーとも思いますが、これも気軽に遊べる調整にしているともとれます。
しかし、かといって、連携部分が薄すぎるというわけでもありません。
ルールのところに書きませんでしたが、今回の特徴として、検査が終わった患者は、『検査を行った医者ワーカーの砂が落ちきっていなくても』、次の検査や手術を行うことができるというルールがあります。患者が何もせずに空いている時間を節約することができるので、X線終わった!血液検査お願いします! 了解!血液検査も終わった!オペ開始してください!のように、1人の患者を複数のプレイヤーでパスしていくようなプレインができれあば展開も熱いですし、医者ワーカーのマネジメントが熱いじゃないですか!
まあ、実際はそこまでしなくてもラウンド内に1人の患者を2つ検査して、手術もして…が普通に間に合ってしまう(少なくとも3人プレイ、難易度イージーやノーマルでは)んで、あまりない場面かもしれませんが…。
協力ゲームは苦しい展開、ぎりぎりクリアできないくらいの難易度を期待する人には拍子抜けかもしれませんが、気軽に楽しんでクリア!やったぜ!と楽しめるゲームだと思います。