異世界ギルドマスターズ

(4人でインスト込み2時間半ほど)
【概要&ルール】
異世界で金儲けしながら、冒険に出てボスを倒すぜー(薄い概要)。
※インストしてくださった方は世界設定などをちゃんと教えてくださったのですが、ちょっと気恥ずかしさがあり、このような記載となっております。
毎ラウンド以下の流れを終了条件を満たすまで繰り返します。
収入:各プレイヤー、自分のパラメータに応じてお金、パワー、ポーションを受け取ります。
カード購入:各プレイヤーに規定枚数配られたカードから、欲しいものを任意枚数購入します。
アクション:各プレイヤーがスタートプレイヤーから順番にアクション(コストを払ってカード1枚をプレイする、冒険を行う、ポーションを使用する、目標を達成する)を行います。パスするまで手番をぐるぐるとまわします。パスしたプレイヤーの手番はとばします。
・冒険について
タイルで埋められた冒険ボードがあり、冒険者コマを配置することで冒険を行います。外周、もしくは自分の冒険者コマに隣接するタイルを裏返し、そのタイル及び、周りのタイルに書かれた☆マーク数に応じたコストを払うことで、タイルとそこ書かれた報酬を得ます。その後、タイルが置かれていた場所に自分の冒険者コマを置きます。
また、別アクションとしてコストを払って冒険者コマを砦化することができます。砦に隣接した場所に冒険者コマが置かれた場合、ポーションを獲得することができます。
・ポーションについて
手番にポーションを1~3個消費することで、特殊アクションを行えます。お金を得たり、カードを引いたり、砦化したりなどの効果があります。ポーション消費による特殊アクションは1ラウンド中に全プレイヤー共通で1種1回しか行うことができません。
・終了条件について
カードプレイ時にあがることがある文明値と、冒険時にとられたタイルに書かれた☆の数に応じた冒険値はゲージを共有しており、一方は上がり、一方は下がります。いずれかの場所でマーカーが出会ったら規定回数手番を行ったのち、ゲーム終了となります。
【プレイ内容】
如月さん、一味さん、カヤさん、僕の4人で。
お値段が結構すると聞いていたんですが、カードは多いですし、トークン類もしっかりしているで、これは仕方ないですねえみたいな話をしている時に、各プレイヤーの前に立ててくださいと渡されるアクリル製のスタンド?キーホルダー?。
僕:「アクキーついてくるとは、高くても仕方ないって感じですねえ」
如月さん:「アクキーは別売りです」
僕:「別売りなんだ!(買ったのも売ってるのも)すげえ!」
まあ、ゲーム本体の話ですが、スタート時には8枚(初期4枚、毎ラウンド頭に4枚もらえるので、1ラウンド目は8枚)が配られ、そこから必要そうなものを購入して手札にします(テラフォーミングマーズと同じです)。
このカード効果強いなというカードも欲しくはなるんですが、重視したいのは収入が上がるカードです。
たまたまコストが低くて収入が上がるカードが2枚(お金とパワーが1枚ずつ)あったので、それを含めて6枚を購入しました。
通常のカード以外にもゲーム開始時にレガリアカードというのも配られます。これはいわゆる目的カードで、プレイするための条件が厳しめ(特定のマークがついているカードを規程数プレイしている等)ですが、コストに対してもらえる点数が高いです。
この条件もプレイの指針に当然なります。
その結果、できる限りタグのついているカードをプレイしていこうというふわっとした方針でプレイすることにしました。
しかし、プレイング自体は配られたカードからよさげなのを買い、今の収入(所持金)と相談してコストの払える&早めにプレイした方が良いカードをプレイしていくだけです。
プレイヤーごとに個別の能力を持っているのですが、僕の能力はアクション前にメインボードのタイルの内容を確認できる能力。

(各ギルドの受付が能力を持ってます)
メインボードは冒険を進める場なのですが、伏せておかれたタイルを表に返せば星マークといくつかの資源やタグの絵が描かれています。
冒険を選ぶと、選んだ場所のタイルを表に返し、そのタイル+隣接するタイルの見えている星マーク×5金をコストとして払えれば、冒険成功として、その場に冒険者コマを置けます。
冒険は外周、もしくは置かれた自分の冒険者コマに隣接するタイルにを対象にできます。

(若干ゲーム進んでますが、メインボードはこんな感じです)
能力的には冒険を重視した方がよさそうだなと思っており、しかも、冒険で1パワー=5金として支払うことのできるパワー(剣のアイコン)の収入があがるカードを最初に手に入れてもいたので、よしよしと、パワーをあげてから冒険だと思っていたのですが、みなさん冒険への出足が早い!
最低でも20金かかる(外周の角のタイルはタイル3つと接しているため、どのタイルも星が1つなら、(冒険の対象に選びめくったタイル+周りのタイル)の星の数×5=(1+3)×5で20金)ので、そうそう手を出さないだろうと思っていたのですが、冒険で得られる点は奥(中心)の方が高く、1歩ずつしか進めないので、早くを付けた方が良いと判断されたのでしょうか。
外周からはいっていくのであれば、基本的にはどこも変わらないですし、進む先が埋まることもないので、できれば人と隣接していない方がよさそうです。が、如月さん、一味さんが指定したタイルが“虚無の穴”(冒険不可で冒険しようとしたタイルが表返した際に虚無の穴だった場合、別タイルが指定できる)なことが2,3回あり、他人と隣接せずに、かつ、虚無の穴ではない場所がどんどん減っていきます。
ちょっとまだ早いかもだけど、冒険でていかないと盤面が埋まっちゃうがなと僕も冒険に出発。コストの安いところを狙った結果、一味さんや如月さんの近くになったため、この先、狙うタイルが被る可能性がありそうですが、それはまだ先の話なので、とりあえず目先のお金の節約です。
ここら辺まではスタート時に購入したカードメインでプレイしていましたが、そろそろ尽きてくるというか、コストの高いものしか手札に残っていません。毎ラウンド頭に4枚ずつ配られはするもののこちらもコストが高いものが多く、なかなか都合よく、コストが低めで収入が上がるものというのが手札にこなくなってきました。
一方で調子よくカードをプレイしているのが一味さん、スタート直後は「収入上がるカードなんてあるの!?」と仰っていましたが、僕と違って徐々にカード運が上がってきたのか、次々にカードをプレイされています。
僕はこのカードをプレイしたら手札からはすぐにプレイしたいカードはなくなるから、次でいいカードひかんとやばいな…と思いながらカードをプレイしたのですが、
僕:「あ!」
如月さん:「どうかしました?」
僕:「さっきプレイしたカードが『異世界デザートの開発』だったんですが、いまプレイしたカードは『異世界ラーメン食堂』でした! 異世界フードコーディネーターです」
などとゲームの本筋とあまり関係ないながら(自分だけ)盛り上がりました。

手元の高コストカードをプレイした方がいいのか、それともいったんこのラウンドはしゃがむか…と悩んでいると、カヤさん「この脇にあるカード、達成出来たらしちゃっていいんですよね」とインストしてくれた如月さんに確認。
共用のレガリアカード(目的カード)が場に公開されており、条件を満たしていれば手番にコストを払って早い者勝ちで獲得することができます。

(各ゲームランダムで3枚公開されてます)
そうかそうか、レガリアカードがあったなと、僕も共用&個人で達成できるのがあったので僕もカヤさんと同じようにできるものは達成します。これで他の方は共用のレガリアは取れなくなったので、(成長を後回しにしたのは気にはなりますが)まあ、得点要素をつぶしたということで。
冒険は1回ごとに手元の冒険者コマを消費(ボードに置きっぱなし)にするので、冒険を続けるには、個人ボード上に示された条件(ポーション2個とか、カードを一定以上プレイ済とか)を達成して新たな冒険者コマを得ないとなりません。こっちもやらないとなと、条件を満たしたところから冒険者コマを獲得します。
この冒険者コマの獲得はプレイヤー能力の強化にもつながっており、ここを先行したのは如月さん。当然、手に入れた冒険者コマは冒険に使って、冒険を先行します。
そして、一味さんもすぐに後をおって冒険を進めます。
一応、僕の能力はタイルをこっそり見れるという冒険向き能力ではあったんですが、外周の一歩目以外は、進む方向は中心方向のほぼ一択ですしで、事前に確実に準備できるということ以上のうまみはなくなってました。とはいえ、冒険向きだなとパワーの収入をぼちぼち増やしてきたこともあり、せっかくなので、如月さんや一味さんよりも早くに中央のボスにたどり着きたいです。
そんな時引いてきたのが『迷宮攻略RTA』のカード。タイルの公開&公開されているタイルへの冒険コストが5金安くなる効果です。
よし、勝ち負け別にしてとりあえずボスは倒しちゃる!と決めて、ちょっとお金のやりくりを無理して冒険を一気に進め、見事ボスも撃破!
ボスにはRTAカードの効果は効きませんし、かなりの額のお金を払う必要があるので、正直な話、ボスを倒すよりも手元のカードをプレイして収入あげたりした方が良いのではないかとも思いましたが、まあ、倒せるものは倒してしまえとやっちまいました。

(赤の僕のコマが中央(ボスのいたところ)に置かれてます(これはそのあと、砦化までやっちゃってますが)
この頃になると、一味さんの勢いはとんでもないことになっており、まだカードプレイできるの!?と周りが驚くほどラウンドが終わりません。
これはお金の収入がめっちゃ多くなってたというのももちろんあるんですが、そもそもその元になったのはどうもポーションのようです。ポーションは各効果は1ラウンドに1回だけではあるものの、お金と交換できたり、パワーのもとになったり、複数消費すればカードをノーコストでプレイ出来たりと、めちゃ便利なリソースなのですが、一味さんは序盤にそのポーションを毎ラウンド得るカードをプレイされていたようで、めっちゃ持ってます。
(他にも砦化などで得ることはできますが、そちらの手段でも入手されてました)
如月さんもポーションを収入として得るカードをプレイし、その効果は使われていましたが、絶対数の差がありますし、一度つき始めた差はどんどん広がるゲームなので、一味さんを止められません。
一味さん:「レガリアのこと忘れてた」
とか仰ってましたが、まあ、金持ってるので共用のはともかく手元のは普通にプレイされ、圧倒的な点差で勝利されました。

(左上が一味さんの場になりますが、並んでいるカードの枚数が右下の僕の2倍くらいあるのがわかるかと思います)
僕はゲーム開始時に手札にして以来、ずっと持ち続けていた大魔導ヘイゼルを終了間際にプレイできたので満足です。

(ゲーム開始時に手札にして以来、ずーっと持っていてようやく終了間際にプレイできた大魔導ヘイゼル)
【感想】
ゲームのうたい文句が『超アッパー系拡大再生産』となっている通り、気持ちよく遊べるゲームです。
リソース類もほぼお金だけですし、基本的には収入増やして得点化のみと非常にシンプルなゲームですが、そのシンプルさが気持ちよさにつながっており、楽しいゲームでした。
超アッパー系の拡大再生産かと言われれば、ジャンプドライブなど、もっとアゲアゲでイケイケな拡大再生産ゲームはあるっちゃあるんですが、このゲームの気持ちよさは、ゲーム全体を占める成長の割合だと思います。
ずーっと成長していることができる、どんどん成長してやれることに制約がなくなってくる、そこに楽しさがあります。
ドイツゲームだとリソースを強化から得点に変えるタイミングを見極める物は結構あり、このゲームもそういう側面はありますが、基本的には強化強化で本当の終盤に得点重視という形でよさそうです。
リソースを消費すれば手番を回数制限なく行えるタイプのゲームで、かつ、リソースがかなり増えた状態になるまでゲーム終了のトリガーが切られないので、最後の最後でも得点行動が間に合うでしょうし、とにかく成長し続けるのにリソースを使って、どんどんどんどん気持ちよくプレイできるようにしていくのが、このゲームの面白さかなと。
人との絡みが薄いようにも思えるのですが、成長しきってから終了トリガーが切られるこのデベロップであれば、序盤から中盤は気持ちよくプレイし、終盤にどこまで昇れるかを競うようにポーション効果の先取り争いをする、というところだけでも十分なように思います。
ただ、ゲーム的な展開のバリエーションはあまりないかもしれません。
得点手段のバリエーションが少ないため、結局カード選択の優先度については、毎回似たような感じになる気がします(例えば、ポーションが収入になるカードを優先するとか)。
とはいえ、得点手段のバリエーションが少ないためにドラフトの必要性も薄く、ゲーム進行がシンプルで問題ないという面もありますし、バリエーションという面でいえば、このゲームは、得点手段のバリエーションよりも、カードのフレーバーから生じるバリエーションを楽しむことの方が大事です。
フレーバーによって、今回のプレイはどうだったああだったと、どう異世界で過ごしたかがゲームごとプレイヤーごとに様々になりますし、それでよいのかなと思います。
このゲームに興味を持つ面子であれば、素養はあるでしょうし、多彩なフレーバーから生じる各プレイヤーストーリーを楽しまなければもったいないです。