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サーチ・フォー・プラネットX / The Search for Planet X

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(3人でインスト込み80分ほど)

【概要&ルール】

俺たち天文台! この広い宇宙に隠れている惑星Xを探してる。どうもこの世界には天体同士の法則性が存在しているらしくて…。
※個人ボードにもすばるなどの世界の有名天文台が書かれており、点数コマも天文台の形をしているのでたぶんプレイヤーは天文台だと思われます。

プレイヤーは各天文台(の中の人)になり、空を観測して、惑星Xの場所を突き止めるのが目的です。
この宇宙には、隕石は通る場所が限られている、アステロイド同士は近くにあるなどの天体にまつわる法則があり、その法則と実際の観測結果をもとに空の様々な天体の場所を特定していきます。

プレイヤーが手番に行うアクションにはそれぞれ経過時間が設定されており、最も時間を使っていないプレイヤーが手番を行います。
手番にできるアクションは以下の4つです。
・探索:指定した対象(隕石やアステロイド、ガス星雲等)が、指定した範囲内にいくつあるか
・ターゲット:指定したエリアに何があるかを調べる。ただし、惑星Xがあるエリアの場合、「何もない」(観測できなかった)として回答される。
・調査:6種類の中から、指定した対象の法則(論理ヒント。例えば、「ガス星雲の真向かいのエリアにはアステロイドはない」等)が回答されます。
・惑星Xの特定:惑星Xが存在するエリアと、その両サイドのエリアに何があるかを入力します。

アクションごとに経過時間が設定されており、アクション実施後にその時間分、自コマを時間トラック上で進めます。

アクション選択とその結果は全部スマホのアプリ上で行います。ゲームごとのコードを入力すれば、複数のスマホを使うこともできます。
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(アクション選択画面です)

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(探索(Survey)するならこんな画面で、対象とその範囲を入力します)

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(探索の調査結果はこんな感じで、どの範囲、どの対象を調べたかとその結果と経過時間が表示されます。)

●論文発表フェイズ
時間トラック上で一番後ろのコマが時間トラックを1/4ずつ進むたびに論文発表フェイズがあります。各プレイヤーは、手元の隕石やアステロイドなどの書かれたトークン1つ選び、その対象が存在していると考えるエリアに配置します。
このトークンは規定回数論文発表フェイズが行われた後に公開され、ただちにアプリで正解/間違いの確認をします。
正解なら得点し、間違いならトークンをゲームから除外した後に1マス分時間を進めます。

●ゲーム終了と勝者の決め方
惑星Xの特定アクションで全て(Xのあるエリアとその両サイドのエリアにある対象)を当てることができたプレイヤーが出たら、ゲーム終了です。残りのプレイヤーは最後に惑星Xの特定アクションか、論文発表を1度だけ行うことができます。この点数は、特定に成功したプレイヤーとの時間トラックの離れ具合に応じて変わります。
ゲーム途中の論文発表で得た点数+惑星X特定の点数の合計点が高かったプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

はるさん、ちとさん、僕の3人で。

このセッションの前に遊んだ際に、難易度はベーシックでいいですよね?とついベーシックで始めたところ、初プレイというということもあってか、えらいプレイ時間がかかってしまった(2,3時間)ので、今後は難易度を一番簡単なものに落として始めました。
(難易度は、エリア数(ボードの表面12エリア、裏面18エリア)と、開始時のヒントの数(簡単12個、標準8個、経験者4個、天才0個)で調整できます。この時は、エリア数12、ヒント数12の一番簡単なのでやりました。ヒント数はプレイヤーごとに変えることができるので、一応、経験者だけ別難易度みたいなこともできます)

ボードの表側(全12エリア)で特定しなければならない天体の数は固定で、

・隕石:2エリア
・アステロイド:4エリア
・ガス星雲:2エリア
・準惑星:1エリア
・惑星X:1エリア

となります。あとは何もないエリアが2つで全12エリアに重複無しで対象が存在していることになります。

このゲーム、手番ごとにアプリに質問をして、その回答を基に惑星Xやその他の対象の位置を絞り込んでいくわけですが、全ゲームに共通して各対象の位置に関する法則があります。

・隕石:特定の5エリア(エリア2,3,5,7,11)のいずれか
・アステロイド:必ず2つが隣あう(2組ずつ分かれているか、4エリア連続かのどちらか)
・ガス星雲:必ず何もないエリア1つと隣接する
・準惑星:惑星Xとは隣接しない
・惑星X:準惑星と隣接しない

この法則と、スタート時のヒント、手番のヒントなどを基に推理を進めます。

僕はスタート時のヒントで隕石に関するものがあったこと、隕石は5エリア中2つ見つければ良いので、簡単に見つけられるのではないかという当てを付け、隕石の場所から特定することにします。
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(別ゲームの時のものですが、スタート時のヒントはこんな感じです)

ゲーム開始時、プレイヤーのコマは時間トラックの1の位置にいます。プレイヤーが観測できるのは(アプリに質問できるのは)手番プレイヤーの位置から半周分なので、1~6エリアの中を調べることができます。

エリア2と3に隕石がいくつあるかを“探索”アクションでアプリに質問します。
もし、これで2つと回答が返ってくればいきなり確定しますし、ゼロと返ってくれば残りの5,7,11の3エリア内に2つなので、ほぼ確定みたいな状態になります。

で、さて回答は―――、1つ。
特に絞り込めもしない微妙な回答返って来ちゃったなあ……。

次手番のはるさんも隕石、もしくは次に当てやすそうなアステロイドを探索されるかな?と思っていると、はるさんの選択はいきなり準惑星。
共通ヒントだと、惑星Xに隣接しないという、それわかってたらゲーム終わっちゃうんじゃないみたいなヒントしかないため、特定はかなり大変だと思うのですが、果敢です。

はるさん:「スタート時のヒントで準惑星に関するものがかなり多かったんですよ」

なるほど。いまのいちばん易しい難易度だと12個も開始時にでるので、ヒントが偏って出たのなら当てやすそうです。
論文発表で当てた際の点数も僕が特定しようとしている隕石と、準惑星では倍くらい違うので、仮に少し手間がかかっても十分ありです。

前回遊んだ時は、難易度を普通にしたところ、ほぼ全員が隕石やアステロイドという当てやすい対象の探索から着手していたので、ヒント数が増えたことによってちょっと展開が変わってきていて面白いです。

そして、ちとさんはエリア1~4でアステロイドを探索。
僕とはるさんがちょっと狭めのエリアを探索していたのに対して、ちょっと広めの4エリアを調べられました。4エリア以上調べると3エリア以下の時よりも時間が少なくて済むので連続手番になります。

みなさんやるなあと思いながらの2手番目。僕はリサーチを選択しました。リサーチアクションは、天体の関係性についての法則をアプリから教えてもらえるアクションで、ガス星雲と準惑星の関係性ならAをリサーチ、ガス星雲とアステロイドの関係ならBをリサーチと、何が知りたいなら何をリサーチの対象にすればいいか、ゲーム開始時に選択肢を教えてもらっています。

そして、時間が1時間しかかかりません。これで時間コストを節約する、というのも目的でしたが、こういうアクションもありますよという紹介も兼ねてです(もちろんインスト時には説明していましたが)。

僕が情報を持っているのは隕石の位置に関する者なので、隕石を軸にしたヒントをもらうことにします。隕石の次に探しやすいのはアステロイド(数も多く、必ず2つ隣接してペアになっているので特定もしやすい)かなということで、隕石とアステロイドの関係についてリサーチしました。

「アステロイドと隕石は隣接しない」(※この法則はこのゲームだけのもので、毎ゲームランダムに変わります)

これで、アステロイドか隕石のどちらかの位置が特定できれば、もう一方の位置も特定できるようになりました(これだ!と1ヵ所を特定するには少々幅のある情報ですが)

この後、何手番か経過後、2回目の論文発表で僕は特定できていた1つの隕石の位置を発表。はるさん、ちとさんも何らかの場所を発表します。といっても、この段階では論文トークンは裏向きにおかれているので、場所はわかっても対象が何かはわかりません。

しかし、リサーチしたりアステロイドの探索もしていた僕はともかく、はるさんが特定できそうなくらい調べていらしたのは準惑星なので、たぶん準惑星なんだろうなというのはわかります。みなさんの手元の情報と組み合わせれば僕も隕石というのはたぶん特定されていたとは思いますが。

この後、僕は隕石とアステロイドの位置を確定させるために探索を何手番か行いました。
探索できるのは、時間トラック上の自コマを始点にしたボードの半分(地球から観測できるのは最大で180度の範囲内ということのようです)だけなので、同じ場所を続けて調べるというのもちょっと難しくなってます。何らかのアクションをすると自コマが先に進んで、観測可能なエリアがずれるので。

そうこうしてる間に最初の論文が公開されます。やはりはるさんは準惑星の位置を発表されていたようです。そして、ちとさんはなんとガス星雲(これも見つけるのはなかなか難しいので、最初のヒントでかなり絞り込まれていたようです)の論文でした。

これで準惑星とガス星雲1つの位置がわかったので、今度は準惑星を軸にしたリサーチを行います。
ほぼ特定はできていたものの、確定には至っていなかったアステロイドとの関係についてにすると、
「準惑星は少なくとも1つのアステロイドに隣接している」
というヒントが。(※この法則はこのゲームだけのもので、毎ゲームランダムに変わります)

準惑星は1つしかなく、一方の隣接エリアは隕石であることはわかっていたので、もう一方の隣接がアステロイドであることが確定しました。

そして、時間トラックを1周したので惑星Xに関するヒントがプレイヤー全員に公開されます。

「惑星Xの向かいのエリアは空ではない(何かしらの対象がある)」(※この法則もこのゲームだけのもので、毎ゲームランダムに変わります)

この時点で、僕の手元のメモでは、隕石2つ、アステロイド4つ、準惑星1つ、ガス星雲1つの場所が特定できていました。エリアは全部で12エリアあるので、全体の3/4が判明してます。

さすがにもう解けて良さそうなもんだけど……。と、手元のメモを見直すと、「ガス星雲は必ず何もないエリア1つと隣接する」という法則が目に入りました。
もう8エリアが埋まってるんだけど、空きエリアの横で未確定のエリアってあるのか?とよくよくメモを見てみると、残り1つのガス星雲があり得る場所の候補はもう1エリアしかありません。

そして、ガス星雲をセットで何もない空きエリアの位置も1つ特定できました。

残るは空きエリア1つと、惑星Xの特定作業だけです。

ここで先ほどの「惑星Xの向かいのエリアは空ではない」を思い出してみると、見事に未確定の残り2エリアの片方は向かいが空きエリアです。つまり!

僕:「わかった!」

ちとさん:「なら惑星Xの場所の入力します」

つい口から答えが分かったことを漏らしてしまいました。
一応、誰かが正解を出した後でも惑星Xの場所を当てに行くことはできるのですが、一番初めに当てた方が点数は高いので、ちとさんが回答入力を始めます。が、不正解。
(とはいえ、得ているヒントの種類は違えど、数や質はほぼ同じはずなので、もう誰が当ててもおかしくない状況ではあります)

僕は手番で回答を入力し、正解! その後のラストチャンスではるさんも当てられましたが、途中の論文発表の数の差=点数の差で僕が勝利しました。
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(正解おめでとう!の画面。惑星Xの場所だけでなく、その両サイドに何があるかも入力しないとならないので運任せで偶然正解とかはなかなかできないと思います)

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(ペンで隠れてますが、ゲーム終了時のメモ。暗号みたいに見えますが、誰が何を行ったかと自分の分はアプリの応答結果も略語みたいな感じでメモしてます)

【感想】

ここ数年増えている範囲を絞っていくヒントと、探しているものの関係性のヒントの組み合わせで答えを導いていくタイプの推理ゲームです。

このタイプのゲームに共通でいえることですが、一方のヒントで行き詰ってるところにもう一方のヒントを照らし合わせると、パッ!と謎が解けるような作りに爽快感があるのが楽しいです。
あと、同じことを繰り返して正解以外の場所を塗りつぶしていくような作業感を感じることも少ないのもよいかなと。

サーチ・フォー・プラネットXでは論文発表というプロセス点を追加することで、ゲーム途中のメリハリをつけていますし、さらに最終的な勝ち負けが“惑星Xを見つけた”でなく、最多得点者ということで、積極的に自分の捜査状況を公開していくシステムになっています。

この他人にどんどん捜査状況を公開していくスタイルが、この種の段階的に最終目標に到達するかたちの推理ゲームに非常に合っていて、ゲームを面白くしています。
具体的には主に2点あり、まず1点目。自分の知らない確定情報が突然公開されるので、それまでに得ている法則性のヒント次第で、一気に他の対象の特定が進みます。これが気持ち良いです。
(「あ! それならこっちが決まるから、あ! こっちもか!」ってなることがあり、自分であっても他人であっても楽しくなります)

2点目は途中から追いついて逆転までできる点です。徐々にエリアを特定していくことで、残った対象と法則からさらに絞り込んでいくというのがプレイの流れになるわけですが、通常であれば、いったんついた差は取り返せることはまずありません。プレイヤー同士でどの程度情報を持っているか、正解に近い位置にいるかが隠されているのであまり気にならないだけで、実際にはゲーム中盤くらいで逆転不可のプレイヤーもいます。
それが、このゲームだと先に進んでいる人が自ら情報を公開してくれるのである程度ではありますが、追いつくことができます(そして、この追いつく幅が大きいほど、前述の気持ちよさは倍増します)。

そして、この全員で同じ答えへの道をたどりながら段階的に正解をだしていけるというのが、アプリを使っているとこが大きいです(やろうと思えば同じことが手作業でできるかもしれませんが)。
あとはアプリは間違えないので、こういう推理ゲームでよくあるプレイヤー間でヒントを出し合うタイプによくあるヒントを間違ってしまうヒューマンエラーが発生しないのもアプリは推理ゲーム向きといえそうです。
(アプリのメンテナンスがされなくなったら遊べなくなりますが)

ただ、アプリに入力して表示される回答をメモするという非常に地味なことの繰り返しなので、盛り上がるか?と言われると全員で競争しているのが明らかなクリプティッドとかの方がそういう点では上だと思います(クリプティッドは質問への回答で間違えがないかめっちゃ確認してしまうので、楽しさとは別のところで僕は苦手ですが)

あと、触れておきたいのは、難易度についてです。このゲームではボードの裏表(エリア数12or18)と、ゲーム開始時のヒントの数(12,8,4,0の4段階)で、難易度を選ぶことができます。
ただ、この難易度は特定が難しくなるというよりも、踏むべき段階が増えるというだけなので、長い時間このゲームに触れていたいとか、もう何度も遊んで本当に1、2手番で答えがわかってしまって十分に楽しめないという人を除けば、できる限り低い難易度でまずは遊ぶのをお勧めします。
僕ははじめ、ボードは表、ヒント数は8で始めたら初回で不慣れということもあって、4人プレイで2時間以上かかってしまいました。このゲームの良いところは爽快感だと思うのですが、そこにたどり着くまでかなり時間がかかってしまいましたので。
ヒントたくさんもらってぱぱぱっと解けた!を楽しむのがよいのではないかなあと。
最初のヒントが多ければ、プレイ内容のところに書いたようにプレイヤーごとに最初に手を付ける対象に差がでてきやすいですし。

アプリが使えない環境ではプレイできない、ゲームとして遊べる期限(メンテナンス切れ)がある、プレイングが淡々としているという欠点もありますが、ぱぱぱっと視界が開けていくような感覚が味わえる良いゲームだと思います。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
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