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【感想・紹介】プラハ / Praga Caput Regni

明日からのゲームマーケットでプラハの日本語版が販売されるとのことなので、普段の形とは違いますが、感想を交えつつ紹介を書いてみます。文章だけだと寂しいので写真もはさんでますが、文章との関係はあんまないです。

プラハの概要は数寄ゲームズさんのサイトにあります(このサイト見れば僕の文章要らないんじゃないのとも思うのですが、僕が好きなところを書きたいんじゃい!ということで)。
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プラハはプレイ時間が公称で120分(1人あたり30分ということなので4人プレイ時ですね)、初プレイだと3時間前後かかることもある長時間ゲーム、重ゲーと呼ばれる種類のゲームです。
見た目の特徴は、歯車を使ったアクション選択システムですが、ゲーム的な魅力は、全体的なプレイヤーへの優しさ、停滞感などのマイナスの感情を受けにくいところかと思います。

〇制限の度合いはプレイヤーが自身決める

プラハはアクションを重ねて実施することで得点を伸ばしていくタイプのゲームです。具体的にいえば、キングスロードを進むというアクションがありますが、アクションをこなすほど、先に進めば進むほど点数が伸びます。他のアクションも基本的には同じアクションを重ねた方が点が伸びます。
じゃあ、同じアクションばかり続ければいいんですが、そこは制限があります。といっても、この制限、単にアクションコストがあがるだけだったり、後から実行した方がより効率が良かったりするだけで、プレイヤー本人がやろうと思えば、まず大抵のアクションは実行できます。〇〇な理由でいまはやりたくない!とプレイヤー自身が判断して、実施しないだけです。
(まあ、その結果、他人にやりたかったアクションや取りたかったタイルを取られるわけですが)

やりたいことをいつでも選択できる(心情的にはやりたくない状態にされることもあるが)なので、ゲーム終盤に他人にあのアクションを先にとられたせいで、ここまで育ててきたのに最後の最後だけアクションできなかった……ということがありません(払えないほどコストがかかれば別ですが)。

〇アクションのてっぺんが近い!

プラハでは6種類のアクションがあり、それぞれが別の得点ルートにつながっています。前述の通り、同じアクションを繰り返した方が獲得できる点数は伸びるのですが、どの要素も4、5回程度で上限です(前述のキングスロードも5歩進んだら終点です)。各得点ルートをどうすれば極めることができるか?よりも、どのように得点ルートを極めていくかが焦点になっています。

僕が好きなのは、この上限までの達しやすさが、新たな選択肢の作りやすさつながってるところです。
やりたいアクションのコストが高くて実施できない時に、低コストで選べるアクションはどれも自分がこれまで選んでこなかったものばかり。仕方なく選んだアクションをいざ実行してみると、あれ?このアクションからの得点ルートも次から選択肢にすればいいんじゃない? 結構すぐに使える得点源になるみたいだぞ?と。

いかにやりたいアクションを極めるべく、ロデオチックに振り落とされないようリソース管理、アクション管理をしていく、そんなゲームも良いですが、プラハはそういうゲームではありません。最初からたくさんの選択肢の中で迷う必要はありませんが、やりたいアクションを選択することが難しい時にも十分有効性の高い選択肢がきっと他にあります。
優しいです。

〇いちいち貰えるおまけ
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歯車からタイルを取るアクション選択にしても、アクションの実行にしてもその行動本来の目的に追加で、何らかのリソースや(条件を満たすことでの)追加点というおまけが貰えます。
これもまた、人間は都合よく解釈する生き物なので、自分のやりたいことができたのであれば、やりたいことやっておまけまでもらえるなんて!とも思いますし、む!あのおまけのリソースを貰うことで次のアクションが有利になる!アクション自体の優先度は低いけど、わざわざリソースを貰うためのアクションを実施しなくて済む!って思う時もありますし、アクションは予定通り実施できるけど、今のままだと条件を満たさないからおまけが貰えない……。むぐぐぐ、1手番予定を遅らせて条件を満たせるようにするか?とか、おまけが枷になる時もあります。

しかも、あくまでおまけなので、貰うのを諦めても、まあ、仕方ないかで済むってのもいいです。

毎回同じものが貰えるわけではなく、あくまで今そのアクションをやるなら的なもので計画に強く組み込めるものではないってのも気楽で良いかなと。

〇全体的な優しさ、気楽感があるけど、しっかりゲーマーズゲーム

上記の3要素が絡み合って、少しでも効率よくやりたい、他人に得させたくないというようなゲーマー層には今できる選択肢の中からの最適、最善を問うてくるような作りであり、そこまでは望まないけど、重ゲーも好き!という層には、きつくない選択肢や都度都度のおまけを提供することで、遊びやすさを感じさせつつ、思いもよらなかった素敵な1段階上のプレイングをひらめかせるきっかけをもたらしてくれる作りでもあります。
(まあ、この辺は主観なんで、うまくやりたいのに全然できない!くそ!って感じる人もいるでしょうが)

アクション選択の縛りは緩めですが、タイルのめくり運や、他人のアクションの選択によって、より良いアクションの実施タイミングが確実にあるので、コントロールは難しいにしても、悩んで選択した甲斐はある。うまくやった感を感じられる作りです。
(この決断が、”やらなかった”方を選んでもうまくやった感を得られることがあるのが良いと思ってます)

〇無駄なデッドロックによるストレスがない

アクション選択にせよ、タイル選択にせよ、色んなものが二択になっています。この二択が、プレイヤー個人にどちらを選ぶか突きつけるものではなく、自分には不要なものでも、他人には必要なものを作るためのものです。
場から何かを選ぶゲームで、よくあるのが誰も欲しいものがないから、場が停滞してしまうことです。もちろん、その停滞具合を楽しむゲームもありますが、プラハでは、別方向の要素をアクションや城などのタイルに持たせることで、欲しくなる人を増やして、場の回転を良くしています。
細かいことですが、自分の欲しいアレがないから手が止まった!だの、欲しくないタイルを取らないと欲しいタイルがでてきてくれない!とか、まあ、正直無駄なことに悩まされることなく、場がまわっていく、ストレスレスな場を提供してくれています。

もちろん、自分の欲しいタイルを全く別のことをやってる人が欲しがるということにもつながるので、いつ取るかという悩ましさも提供してくれてるわけですが。

〇では欠点は?
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プレイヤーの意思次第でどんな選択もできるゲームですし、他人の動きによって、自分のアクションコストが驚くほど変わってきますし、タイルのめくり運もあります。
僕は気楽さにつながると書きましたが、自分でコントロールできる範囲が限られているということでもあります。今回のセッションは他人よりもうまくプレイできたので勝ったは、あるかと思いますが、繰り返し遊んだり、勘所をつかんだから上達したというようなことは感じにくいゲームだと思います。

あとは上家とやりたいことが被るともろに影響を受けるので、やりたいことよりも、勝てることを選ぶ必要があります。これが嫌という人はいるかと思います。僕は初回プレイ時、あまりにうまくいかなかったので、人が手を出してない得点手段に中盤くらいで切り替えたらめっちゃ点が伸びた、ということがありました(そして、序盤のこだわりを最後の最後に引きずって追い付かずにっ負けるという)。

良くも悪くも、他人とのセッションの中で、どう動くか、動いたかを楽しむゲームなので、何度も繰り返し遊んで、毎回、違いがあるとか、上達を楽しむとかそういう類ではないんで、なんか毎回同じだなあと感じる人はいると思います。
他人とのセッションを楽しめる人向けでないかと。

そんな感じで以上です!
(結局買った方がいいの?悪いの?て話は知らん! 財布と遊ぶ機会と面子に相談してください。ただ、良いゲームというのは確実に言えます)

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No title

値段も高いし、見た目からもう複雑でごちゃごちゃしてそう、と敬遠してましたが、この記事見させていただいて、めちゃ自分好みとわかり購入を決意しました!
ありがとうございます😭

Re: No title

実際に遊んで楽しかったとなるよう祈ってます!
プラハ、確かに色々と要素が多いので細かいルールは多いのですが、細かいところ少々間違えても面白さにさほど影響ないと思います。流れを紹介されている動画などもあるので、遊ぶ前に動画を見るのもお勧めです。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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