書けた? / Haste Worte?

(8人でインスト込み2時間ほど)
【概要&ルール】
クラマー、キースリングの1997年の作品、ちょこちょこリメイクされているようで2018年に出た版で遊ばせてもらいました。全然知らなかったんですが、ダイスゲーム版がでたりと人気ゲームのようです。
ゲーム内容は、紙ペンゲームのフラッシュ+競りというゲームで、以下の流れで行います。
1. 親がカードをめくってお題を決める
2. 1分間の間にプレイヤー全員がお題にあった言葉をメモ用紙に書きまくる。
3. いくつ発表できるかをカードで一斉に示す
4. カードで示された数字の小さいプレイヤーから言葉を、数字の数だけ発表する。
この時、発表された単語を書いていたプレイヤーはその言葉を消す。
発表出来た言葉の数だけ、コマを進める。
5. プレイヤー全員が発表するまで続ける。
コマが規定数進んだらそのプレイヤーが勝利です。
一応、ゴール間近になると、制限カードがめくられ、トップのプレイヤーは書ける言葉に制限がつくようになります(「〇〇を含む言葉のみ書ける」とか)
【プレイ内容】
あすまーさん、しゅだっちさん、一味さん、ねんそさん、酒元さん、さくらさん、けがわさん、僕の8人で。
まず、最初のお題は「ジャガイモを使った料理」。これは被るだろうと思うものでもとにかく時間制限が1分間と長くもないので、羅列していきます。
僕が書いたものは、肉じゃが、カレー、ポテトサラダ、フライドポテト、マッシュポテト、ジャーマンポテトの6つ。
最大で6つ発表できる可能性がありますが、他人の発表が自分の前にされると発表済のものは言えなくなるので、あまり大きい数を宣言する(後ろ手番になる)のも危険です。
ということで、初回ということもあり、「3」を提示。
みなさん初回で慎重だったということもあり、2や3が多く、そんなに大きな数字でもないですが、発表順は後ろの方に。
肉じゃがやカレーはすぐに被るだろうと思っていたのですが、案外でてきません(ポテトサラダはすぐに出ましたが)。
逆に、ポテトチップスやシチュー、ポトフなど、なんで思いつかなかったんだろう、言われてみると、ジャガイモ使うメジャー料理ですね的なものがどんどんでてきます。
そして僕の手番になり。
僕:「カレー」
みなさん:「ああ、確かに使いますねー」
僕:「フライドポテト。これはポテトチップスとは別カウントで?」
みなさん:「別料理でしょう」
僕:「マッシュポテト」
みなさん:「あるある」
と無事に宣言通り3つ発表成功! この後はフレンチフライに疑義がでていましたが、ルール上は別カウントの模様でセーフとか、こふきいもで、あー、和風ね。なるほどね。みたいになってました。
2つ目からはみんな慣れてきて、たくさん書いてはいるが被り易そうと思えば、あえて小さい数字を宣言して、他人の書いたものをつぶそうとしてきたりとゲーマーらしいムーブもでていました。
そして、いくつ目かのお題「木の種類」で、みなさん「えー!?(そんなに書けないよ)」という反応が。
しかし、僕は、え? 木になる果物書けばいいんだから大量にあるんじゃない?と思っていました。
つまり、勝負をかけるのはここだ!と、ブナとか松とか、ちゃっちゃっと書けるものを書いてからは、果物シリーズの名前、カキだの栗だのを書きまくりました。
だいたい4個前後というのがここまでの平均発表数だったので、思い切って10とかいうか?とも思ったんですが、「いや、最初は思いつかないみたいなこと言ってたけど、流石に果物は思いつくんじゃない?」と日和った思考になり、結局、提示した数字は5。
3や4の宣言の人から、果物はほぼ出てこず。結局、僕の後ろの大きめの数字の宣言でようやくリンゴとか出てきただけだったので、もっと宣言の数字をでかくしとけばよかったと後悔しました(5個は何事もなく発表出来ました)。
ここに来るまでの間に、それなりに疑義もでて、ルール上許されている単語の確認もしていたのですが、この時に参照していたルール和訳では、ドクターが言われた場合、アニマル“ドクター”は重複扱いになる一方で、金とゴールドは良いみたいな書き方だったので、「小麦粉を使った料理」で、「ホットケーキ」が出た時点でケーキ系全滅とか、「松」によって「赤松」はダメとかやってました。
決めの話とはいえ、あまりすっきりしない解釈だったこともあり
僕:「(自転車の部品のお題で既にハンドルが言われている際の)操舵機」
みなさん:「まあ、まあ、いいでしょう」
僕:「(続けて)腰掛け」
みなさん:「いやいやいや」
僕:「(小麦を使った料理で)ラーメン。続けてヌードル」
みなさん:「汚いわ!」
ということもありつつ、流石に8人もいると時間がかかり、規定点まで2/3くらいのところで、会場が閉まる時間に。
では最後は、制限カード使ってみますか、いま同点トップのあすまーさん、けがわさん、ひだりさんはカードの制限守ってくださいということになり、制限カードを見てみると、
「あ、い、う、え、おの5文字を2回以上使った言葉」
これはめっちゃ厳しくないか?と慌てるトップの3人。
そして、続けてひかれた今回のお題は「世界で活躍する海外のスポーツ選手」。
って、ますます厳しくないか!?
あすまーさん:「『ふくはらあい』は海外の選手ですか?」
「日本人じゃないですかね」
あすまーさん:「厳しい!」
結局あすまーさん、けがわさん、僕が宣言した数字は1。親からの距離の関係で、3人のなかで最初の手番になったのはけがわさん。
けがわさん:「タイガーウッズ」
あすまーさん:「かぶったー」
僕:「イニエスタって人いますよね?」
さくらさん:「アンドレス・イニエスタですね。有名なサッカー選手です。います」
まあ、このお題、被るリスクは低いですしサッカーとか、海外が主戦場のスポーツのファンの人が超絶有利!
(まあ、料理系のお題も料理研究家とかいれば有利なんで、他のお題もそう変わらないかもしれませんが)
さくらさんと酒元さんが10点くらい一気に稼いでトップに出て勝利ということで時間切れ終了となりました。
【感想】
シンプルなワードゲームなんですが、いくつ発表できるかの宣言が競りのようなかたちになっていて、面白いです。
プレイヤー間のインタラクションを強化した結果、ゲーマー向けになっているというか。
単純に一斉に発表して、被っていた分、失点/得点というゲームが紙ペンゲームとしてメジャーですが、先に発表した方が書いたものをそのままいえて有利、後から発表するのは先にいわれてしまうリスクはあるが高得点のチャンスと、わかりやすいジレンマがあります。
そして、面白いところとして、案外被らないというのがあります。
(当たり前ですが)自分のことしかわからないので、自分が簡単に思いつく答えはみんなもすぐに閃いているのでは?と疑心暗鬼にもなりますし、案外被らないからこそ自分が書いた答えの中から絶対に他プレイヤーと被るやつを発表してつぶしてやるからな!と妙な熱意がわくこともあります。
フラッシュが書いた時点で終わり、あとは結果発表のみというシンプル(だからこそ気軽に遊べていた)なものを、自分が用意できた答えは、他人と被りそうだから/被らなさそうだから、他プレイヤーはたくさん/少ししか書いてなさそうだからと、周りを気にして、自分の回答を武器にどう戦うかを考えるゲームになっています。
20年以上昔のゲームですが、手軽さと他人との違いをどう捉えるのかという点が今風な気がします。
もちろん古いせいか、システムの都合上か、欠点もあります。
プレイヤーが多いほど被るリスクを気にしたり、実際に被ることが増えるので楽しさは増すと思いますが、反面、ルール通りの規定点を目標にするとプレイ時間がべらぼうに長くなるのがまず1点。
次に使える単語の制限が、おそらくドイツ語ベースで決められているという点。日本語ベースで変えちゃってもいいように思います(同じ言葉が入っていても別物ならOK、一方で言葉が違っても意味が同じならダメとか)。
これはお題も同様で、めっちゃ沢山あるのはいいですが、被りやすいお題、被りにくいお題の差が激しいのは、(特にトップに制限が追加される)終盤には影響大きそうですし。
まあ、勝ち負けは大して気にするゲームではないんですが、被った方が楽しいゲームではあるので、お題のデベロップはやった方が面白さは上がるとは思います。