チャイナタウン

(4人でインスト込み1時間ちょい)
【概要】
ニューヨークのチャイナタウンで土地転がし、不動産転がしで儲けるアルヨー。
土地には店も作って儲けちゃうヨー。
【ルール】
ゲーム中の各ラウンドは以下の流れで進みます。
1.土地、店の権利の配布
2.プレイヤー間の交渉
3.土地の確定、店の建設
4.収入計算
6ラウンド終了時に最もお金を持っていたプレイヤーが勝利します。
「1.土地、店の権利の配布」は、そのままの意味で、各プレイヤーに複数ずつ土地と店の権利が配られます。
「2.プレイヤー間の交渉」では、1でもらった権利と、前ラウンドから持っている土地や店の権利、既に建設した店、現金と、要はゲーム中で持っている資産は何をどう使ってもよいという、かなり自由な交渉を行います。
注意するのは、既に建設済みの店は土地と切り離すことができないという点くらいでしょうか。
「3.店の建設」で、手持ちの土地に手持ちの店を建てることができます。別に、持っている権利をフルに使う必要はなく、次ラウンドに持ち越すことも可能です。
「4.収入計算」では、既に建設済の店から収入が入ります。店は大きくなればなるほど、多くの収入が得られます。店の種類によって最大の大きさは決まっており、それ以上に大きくすることはできません(隣接して建てることは可能だが、別の店舗として扱われる)。大きさが最大になるとボーナスもあります。
【プレイ内容】
僕と相方、T、Yの4人でプレイしました。
序盤からTの土地の引きが素晴らしく、がんがん隣接した土地を自分で引いてきます。僕、相方、Yの3人は微妙にとびとびの土地しか引けず、しかも、他プレイヤーが引いた土地も隣接していないという具合で、今後、成長するかもしれないから、比較的近所の土地を交換しておこうかというくらいで、3人に関しては有利、不利がよくわからない状況でした。
店については、1ラウンド目にリミットの大きさが5,6の店の権利がプレイヤー間で被らず、その時に持っていた店を伸ばす方向で全員が店の権利を集めたため、競合は発生しませんでした。
2ラウンド目でもTが順調に1ラウンド目に建てた店近辺の土地の権利を引きます。店についても、うまいことYや相方とトレードしつつ、欲しい店を集めており、2ラウンド終了時点で4タイル分の大きさを持つ店をTは建設していました。僕はうまいことカンチャンとなる土地を引けたり、今後成長が望める土地を手に入れたりしていましたが、T以外の3人の状況は似たりよったりと言うところでした。
そして3ラウンド目、ついにTが6の大きさの店(ゲーム上での最大規模)を作りました。
この際、YがTの店にとってキーとなる土地を引いていたので、交渉していましたが、
T:「Yもこの店欲しいんでしょ? 店つけるから土地交換してよ」
Y:「Tはここの土地どうしても欲しいんでしょ? お店と土地を交換+5万ドルで」
僕:「Y、良く考えるんだ。大きさ6の店からは毎ラウンド18万も貰えるんだぞ」
Y:「じゃあ、5万は少ないから10万ちょうだい」
T:「…」
というやり取りもあったとかなかったとか。
まあ、なんにせよゲーム中の引き運も毎ラウンドの収入もTが一番だったので、Tをマークしなきゃと思うのですが、Tに対して僕が有利に交渉できるような材料がなかなか出てきません。
小さな店しか持っていない&土地が比較的ばらけている相方、Yと交渉して、少しでもTとの差を積めようとしてみました。
交渉が同時並行的に進む上に、そもそも細かい計算とかをしないメンバだったので、細かいところはわからないけれども、盤上で大きな店を早い段階から作ったTが頭ひとつリードという印象をみんな持った状態で、中盤に突入しました。
中盤は、序盤に各プレイヤーが狙っていた店がでず、別の店を集め直すか、それとも、待つかという状況になり、みんながとちあえず待つという選択肢を選んだのをいいことに、手元で浮いてそうな店を「いらないんでしょ?」とタダ同然でもらい、土地はありませんが、土地さえ手に入れば一気にサイズ5の店を建てれる!という状況にどさくさにまぎれてしてみました。
(まあ、最後まで良い土地は手に入らなかったのですが)
しゃがんだまま中盤は過ぎ、5ラウンド目、終盤に入りました。さすがにもう終わりが見えてきたこともあり、でかい店がばんばんでき始めます。
この土地or店を渡すと、Xの大きさの店が建つというのはあからさまにわかるので、土地やタイルのもたらす金をもとに計算した交渉がはじまります。
土地も埋まってきて、これまでは、「その土地が無くてもこちらで代用できる」ということもあったのですが、「絶対にその土地じゃないと困る!」という状況もでてきました。
Y:「ひだりさん、その土地くれませんか」
僕:「でも、Y、ここの土地に建てて、周りとくっつけたい店のタイル持ってないやん」
Y:「持ってないけど、そこにひだりさんが店建てると困るんです」
僕:「じゃあ、ここに店建てたとしたら1万もらえるから、手付金で1万ちょうだい」
Y:「くっ。いいですよ…」
⇒最終ラウンドまでYの欲しい店は出ず。結局、Yは店を建てられず。
最終的には、全員がそれなりの大きさの店を完成させ、最終ラウンドの収入だけを見ればほとんど差はでませんでした。
となると途中のラウンドでどれくらい収入があったかなので、序盤から大きな店を建てていたTが勝利かと思いきや…、Yがぶっちぎりで1位、相方2位、僕が3位、Tは最下位でした。
【感想】
4人とも交渉ゲームは好きということもありますが、テーマがわかりやすく、また、勝利条件も金持ちが勝つ!とわかりやすかったことから、とっつき易さも含め、大変面白かったです。
とはいいつつ、序盤は土地や店の値付けが難しく、正直、適当にやってました。
まあ、最初は純粋な物々交換、中盤以降、状況がある程度固まってきてから、金とか将来性も含めて…というのが、仕方ないところなんでしょうか。
ゲームを通して一見優勢に見えていたTが最下位と思いっきり裏をかかれましたが、終わった後、話を聞いてみると、僕がYに話した「今後のことを考えて価値を決めないとダメ」というのをYは(特に優勢に見えてたTに対しては)シビアにふっかけていたらしく、Tの収入はYにかなり搾取されていたようです。Tは基本的に人がいいので、強く拒否するようなこともしなかったのかもしれません。
僕が負けたのはT優勢だと思って、相方やYと交渉したのが、相方やYに少し有利すぎたんだと思います。まあ、相方に負けたのはちょっと納得がいかないのが正直なとことですが。
んで、Tがなんで有利に見えていたのに負けちゃったかというのを少し考えてみました。
まず、よくよく考え見ると、交渉ゲームの常として、(余程不利な条件でない限り)交渉しまくった方が有利です。
相手が交渉に応じるのは、大概の場合、対等、または自分に有利と判断したからで、そういった条件交渉を成立した相手には、多少なりとも好感を持ちます。なので、「さっき~だったんだから」と、多少無理目の交渉でも成立可能性があがると思っています。
逆に、引き運が強く交渉しなくても手持ちだけでそこそこいける場合、まず、交渉してないので相手からの感情は良くてフラットです。しかし、大抵の場合、引きが良い⇒交渉していない⇒楽してるといった悪感情が持たれています。
しかも、本来、別のものであるゲーム中の手間、苦労をゲーム上での有利、不利と結び付けて考えてしまうひとは多いと思います。実際には、このチャイナタウンでは、お金の持ってる持ってないは、手持ちだけでプレイしているという
スタイルとは結び付きませんが、ゲーム中の手間、苦労といったマイナスを資産のマイナスと、引き運の強さを資産のプラスと混同してしまいがちです。
そういうわけで、Tは引き運が良かったのがゲームの勝敗的には運が悪かったのかなと。