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デューン 砂の惑星:インペリウム拡張 ライズ・オブ・イックス/Dune: Imperium – Rise of Ix

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(4人でざっくりインスト込み2時間ほど)

【概要&ルール】
デューン 砂の惑星インぺリウムに色々要素やカードが追加された拡張です。
基本についてはこちらの過去記事とか、日本語版も発売されたので、どこかしらに詳しい情報があるかと思います。

大きそうなところでは、スパイスをお金に変えるアクションなど、メインボード右上のアクションが一新(基本のボードの上に拡張ボードを乗せる)されたことと、スパイスで購入できる特殊能力タイルが追加されたことでしょうか。

もちろん、選択可能なキャラクター、手札になるカードや、陰謀(策謀)カード、毎ラウンドの戦いでもらえる物を決めるカードも追加され、バランス調整が行われています。

【プレイ内容】

ウキンさん、さくらさん、酒元さん、僕の4人です。

ウキンさんは何度かプレイ済(ハンデとして、まだ勝ったことのないキャラクターを使われてました)、さくらさんも2回目?、僕は拡張は初、酒元さんは基本含めて初プレイ。
おそらく基本を含めて10~20回くらいされているウキンさんの立て板に水のごとくのインストを受け、プレイ開始です。

使用キャラクターの能力毎に使いやすさみたいなものが書かれており、さくらさんと酒元さんは1、僕は2、ウキンさんのは3です。1の方がどの場面でも使いやすく、数字が大きくなるに従って能力がピーキーというか、うまくはまれば強いというような能力になっているそうです。

僕のキャラクターは、常時発動能力が「同盟以外の場所にワーカーが2つ以上あれば、このラウンド使用したカード1枚を捨て札にできる」、カードの指輪アイコンでの能力が「購入コスト3以下のカードを購入できる」でした。一応、キャラクターは2枚渡され、そのうち1枚を選ぶというルールでしたが、デッキ構築なら圧縮でいいんじゃないという安易な発想で選んでみました。

ウキンさん:「圧縮の条件にもなってるから、ワーカーを3体に増やすの必須!」
僕:「ほー。たしかに増やした方がよさそうですね」

そして1ラウンド目。

デューンの大きな特徴の1つに、『常時場にある3種以外、購入可能として場に出てくるカードは完全ランダム』というのがあります。購入コストは1~9とかなり幅があり、もちろんコストが高い方がカードの効果は高いです。払えるコストが6あるのに場には1とか2のカードしかなくて、デッキを膨らませるのも嫌だし、5とか6の強いカード買いたいのに買えないとなるのが、デューンあるあるでもあります。

この時、最初に公開されたカードの中に購入コストが5のカードが1枚ありました。そして、僕の手札は3枚だけで払えるコスト5を満たせる手札です(※)。手番順は3番手でしたが、上家のさくらん、うきんさんの反応を見ると、どうも買えるのは僕だけっぽいです。
※ワーカー2体を配置するために手札の内2枚は使うので、初期手札5枚のうち、カード購入に使えるのは3枚になります。ワーカーを使わないという手ももちろんあるんですが。

先に3番手なのであまりよいアクションスペースが空いておらず、購入コスト5分のカードを残すのを諦めようかなとも思いましたが、そこは初志貫徹しよう!ということで、初期手札に1枚だけある、任意の同盟アクションを実施できる(ただし、使い捨て)カードを使って、策謀カード1枚を獲得。
※デューンは基本の時から、コストを払わないアクションスペースは微妙な効果なものが多かったですが、拡張入ってもそこは変わりません。
※デューンはワカプレですが、ワーカー配置時にプレイしたカードに書かれたアイコンと同じアイコンの場所にしかワーカーを置けません。なので、プレイするカードを変えればワーカーを置けるアクションスペースの候補が変わります。

この後は予定通り、購入コスト5のカードを獲得『このカードで配置したワーカーでもらえるスパイス2倍』の効果です。
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(結果的にはめちゃくちゃ使えたので購入は正解でした)

ちなみに手に入れた策謀カードの効果は『(フリーアクションとして)3金で戦艦(ドレッドノート)を購入できる』でした。

この戦艦、拡張で追加された要素で、戦場に投入した場合、3戦力になり、かつ戦いに勝っても負けてもなくならない(勝ったら1ラウンド使用不可)というお得仕様。普通の兵士コマは2戦力&戦場に投入したら勝っても負けても消えるので、かなりお得なように見えます。

実際、お得な存在のようでウキンさんはほぼ初手から戦艦を購入するアクションを行っていました。
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(序盤終わったくらい)

このゲーム、毎ラウンド末にある戦闘がかなり重要で、リソースや得点(ゲームの目標は10点に達すること)がもらえるため、みんな戦闘が有利になるような行動をしっかりやってきます。

ウキンさんは前述の通り、戦艦を上限の2隻をとっとと購入、さくらさんは元々戦艦が4戦力になるというキャラクターなのに加えて、(条件はあるけれど満たした後は常時)戦力を+4する&兵士を1つボードに送り込む特殊能力タイルを購入、酒元さんも交易(※)アクションで手に入れた兵士をすぐに戦闘に送り込める特殊能力タイルを獲得します。

僕は戦艦は持ってるとはいえ、戦闘力強化系の能力はないので、どこかで皆さんが戦力が減ったタイミングでどばっといかないと勝てなそうだなーと思ってみてました(もちろんちょろっと絡んで3位とか、そういうのをちょこちょこやってはいましたが)。

これは、策謀カードの運にかけるしかねえ!と、みなさん、策謀カードを取るアクションをあまり行わなかった(アクションスペースがよく空いてた)のもあり、策謀カードを多めにとっていく戦術をとってみることに。

一方で、またこれもウキンさんからの指南があったのですが、ボード上のスパイス獲得アクションのスペースはコストで水が必要で、水2払ってスパイス3つとかなんですが、1ラウンド目に購入したスパイス2倍効果で、水2払ってスパイス3つ、その後、同盟側のアクション効果でスパイス6つ払って、5兵士+水2を獲得というアクションを実施すれば、スパイスと水は無限循環で兵士5つだけ得するという作りなのに気づきます。

さらに固有能力のデッキ圧縮があるので、基本的に2ラウンドに1回スパイス2倍カードが手札に入ります。

スパイス4つ払ってで5金+αがもらえるアクションや、交易アクションで5金もらったり(その代わり全プレイヤーに1金ずつ渡される)で稼いだお金で3つ目のワーカーも獲得します(ワーカーを増やすアクションのコストが8金かかるのです)。

ウキンさんとさくらさんの手札やボードのタイミングがあっていたのか、お互いに経験者なのでマークしていたのかはわかりませんが、同じラウンドで戦闘に戦力を注ぎこむことが何度かあり、次ラウンドに、おらああスパイス6つで5兵士!さらに戦艦と普通の兵士1つじゃああ、1手で15戦力!で、漁夫の利的に2回ほど勝たせてもらいました。

スパイス2倍カードを軸にうまいことやってる一方で、圧縮のためもあってワーカーを3体配置している=手札5枚の内、カード購入に使えるのは2枚ということで、購入コストは手札運が良くて3、大抵2と、全く強いカードを買うことができません。
手札ドロー効果を上手く使って、購入にまわせるカードを増やしたいのですが、どうも僕はそれが苦手です。

ウキンさんやさくらさんが手札を増やしまくってカード購入を有利に進めますが、場に超ハイコストのカードがでてこないようで、結局4とか5のカードしか買えていません(それでも僕からすれば十分強いカードを買われているんですが)。
特にさくらさんは、他プレイヤーの手札を2枚捨てさせるという鬼のような効果のカードを持っており、かなり痛い目にあわせられました。

そしてラウンドが進み終盤に。

戦闘勝利で手に入る勝利点が2点のカードもでてきますし、みなさんの勝利点も6,7点とちょっとしたことでゲームが終了しそうです。

ここで戦闘勝利後に、スパイスやお金などを払うことができれば最大3点獲得できるというカードがめくられました。

僕は手元にスパイスがないタイミングだったので、戦闘はみあわせますが、うきんさん、さくらさんがどんどんどんと兵士を戦場にどんどんいれていきます。
その結果は、ともに20を超える大戦争になり……、結果、同点!

ウキンさん:「戦力あげる策謀カードを別の効果で使っちゃったー。やっちゃったー」

双方2位で1点ずつ! ここでウキンさんが3点取ってると10点達成していた可能性もあり、あぶねーとみんなで言い合います。

この時点で僕はまだ7点、ゲーム終了時に1点追加という効果のタイルは持っていましたが、それでもさすがにすぐには勝てなそうです。唯一、策謀カードも点数になるものがあるんですが、僕は引けていません。しかし、購入コストを2下げるというかーどは持ってました。要は手札で7に達すれば、購入コスト9の1勝利点カードを購入できるのです。

が! ラウンド最後に残せるカードでは6にしかなりません!あと1、あと1あれば、1勝利点カード買えたのにーーー!

と激しくなんとかならんかねとボードと手札を、交互に見ている僕の横で、さくらさんはこのラウンドも戦闘で勝てそうな戦力を戦場に投入。
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(そろそろ終了するか!?ってラウンド。戦闘を仕掛けるか悩みましたが、さくらさんがここの2点以上の点がとれないのに賭けました)

さくらさんは、このラウンドも戦闘に勝利して2勝利点獲得。勝利目前の9点。リーチです。
購入コスト9のカードを買われたら終わるので、さくらさんの手元にみんな注目していましたが、9には足らず!

ゲーム終了は次ラウンドに持ち越しです。

このラウンドで戦闘に勝てば2勝利点もらえるので、いま7点の僕にも十分勝ちはあります。さくらさんが何かで1勝利点稼いだとしても10点ちょうどにしかならないので、ゲーム終了時に1点もらえるタイルのおかげで同点にはなります(タイブレイクは基本的に残りリソースです)。

よっしゃー、5兵士購入でがっつり戦力送り込むぞーと思ってるとこで、天啓が!

さっきワーカー1つプレイせずに購入フェイズに入れば1勝利点カード買えたわ!!

天啓、5分くらい遅い!

まあ、過ぎたことはしょうがないなと思っていると、さくらさんがなんとか勝利点を稼ごうと、策謀カードを引きに来ます。戦闘勝利以外で勝利点を獲得するのは、策謀カードで条件付きの勝利点獲得カードを引くか、購入コスト9のカードを買うか同盟のトークンを他人から奪うかののどれかくらいで、同盟トークンを取るのは今からだとちょっと無理なので、策謀カードを狙ってくるのは正しい選択です。

さくらさん:「1枚引いて…。違う! けど更にアクション効果で4枚以上持ってるプレイヤーから1枚策謀カードを奪います! ひだりさんは4枚持ってるはず!」
僕:「ばれとるがな」

この時、僕が持っていた策謀カードは、購入コスト2減、他人が置いているスペースにワーカー配置できる、戦力+3、スパイス払って戦力+4の4枚。
さくらさんは兵士コマを送り込みやすいので、戦力を持っていかれるのも嫌ですが、それ以上に持っていかれたくなかったのは他人が置いているスペースにワーカー配置できるカード。もちろんコスト2減も1勝利点につながるので、嫌です。

本当に、さっきのラウンドで策謀カード使って1勝利点のカードを買っておけばよかったー!

で、ランダムで引かれたカードは、コスト2減!

さくらさん:「あぶねー、こんなカード持ってた!(1勝利点カード買われるところだった!)」

まあ、さくらさんに得点機会を渡したのは厳しいですが、どうせ僕の手札では購入コスト9のカードには届かないので、ワーカー配置の方のカードを持っていかれるよりはマシでした。
さくらさんにカードを取られる前手番の酒元さんが交易を2回行うスペースにワーカーを置いていたのですが、ここにどうしてもおきたかった!

交易は拡張で追加されたアクションで、アクション効果が3段階あり、効果を1段階上げるか、効果(利益)を得るかを1アクションごとに選べます。1段階目は5金or2スパイス、2段階目は同盟を1つ上げる+兵士2つボードに送り込む、3段階目は2スパイス安く場に出ている特殊能力タイルを買う、です。

どうもゲームに登場する最高コストのタイルらしいのですが、スパイス8つのところを6つにして、即時で1勝利点もらえるタイルを購入、これで8点! さらにボードに兵士を送り込みます。

その後、ボード上の兵士をほぼ全て戦場に送り込みます。

そして、カード購入フェイズではさくらさんが僕から奪ったカードの効果も使って1勝利点のカードを購入。さくらさん10点到達で終了トリガーが引かれます。

その後処理した戦闘は、最後だからと大変盛り上がりましたが、それでも策謀カードの効果もあり、僕が勝利。これで僕も10点です。

ここからは策謀カードや特殊能力タイルなどで、ゲーム終了時に点がのびるものがあれば……、そいつがまくるかも!?とドキドキしましたが、終了後に点数が伸びるようなものは僕のタイルだけだったようで、その1点分抜け出ることとなり、勝利できました。

感想戦で話がでましたが、購入コスト6とか7のカードが今回は出てこなかったようで、ワーカー3体いたし、プレイング的に購入コストを稼ぐのが苦手な僕には有利な展開だったようです。さくらさんとかうきんさんとか、知らん間に手札が増えてて購入コストがほぼ毎ラウンド5以上確保されてました。プレイング上手い方々の手札増やすプレイは(今回みたいな不運がなければ)基本的には強いと思います。
序盤に戦艦買えたりなど、便利な策謀カードを引けてましたし、全体的に運が良かったですね。
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(最終ラウンド、戦闘にみなさんぶっこんだところ)

【感想】

基本ゲームの特徴はそのままに、狙い処をより明確化し、プレイヤーごとのプレイスタイルをより伸ばせるようにした拡張だと思います。
ただ、悪く言えば再調整版なので、面白くなっていることは確かですが、最初からこの作りにしとけばよかったのでは?と感じる人もいるとは思います(それなりに要素はボリュームがあるので、基本があったからこそすんなり入れるという面もあるでしょうが)。

基本ゲームの特徴は、
・自分が伸ばそうとする方向性にあったアクションスペースを使えるよう、効果+アイコンを考慮しつつ構築する必要のあるデッキ
・低コストで弱い効果と高コストで強い効果のアクションスペースのメリハリがはっきりしている
・リソース貯めて変換するなどという優しい方法ではなく、他人に勝ったり、運がないと獲得できない勝利点
・3種の共通カードを除き、購入コスト(1~9?とめっちゃ幅広い)に関係なく、完全ランダムに購入候補として場に出てくるカード
・1金獲得から、(条件満たせば)1勝利点獲得まで効果に幅がある策謀カード

という、しっかり戦術・戦略を考えながら進める部分と、それが上手くいくかは他人/運次第という洗練されていない部分の混在具合が魅力的なゲームでした。
そこは拡張が入っても変わってないです。カードや策謀カードは追加されたものもありますが、基本ゲームと同じというか、カード間のシナジーが増えたのでむしろ特徴は強まってます。

大きくバランス調整されたと感じたのは、(まあ、ボードみりゃわかるんですけど)スパイスの使い道です。

基本ゲームではスパイス→お金の変換アクションがあり、ちょっと高価なリソースという程度でしたが、変換アクションがなくなり、スパイスでしか行えないアクション(特殊能力タイルの獲得)が増えたので、ちゃんと狙い定めてリソースも獲得していかないとダメという作りがここでも強化されているように思います。

その他、拡張で追加された要素、交易アクション、特殊能力タイル、戦艦、どれもゲームの面白さを増していて、ゲームを“完成版”に近づけているように思います。

交易は、やってみると強く実感するんですが、めっちゃ手間がかかる!んですね。最終的に、利益獲得を行うまでは何ももらえないので、何もやってないかのような手番を何度か行わないとなりません。
アクション権や手番をコストとしてはいますが、高いコストで高い効果を得るというこのゲームのベースに即しつつ、効果を得るまでじりじりとじれったい、プレイヤーごとの好みで選ばれるかが決まる、良い追加アクションだと思います。

特殊能力タイル自体は、よくある要素、ではありますが、それなりに強力な飛び道具としてや、各プレイヤーの狙いところを明確にしてワカプレの面白さ(誰がどこを先取りしたいかや、このゲームのメインギミックであるワカプレのためのデッキ構築等々)を感じる機会を増やすことに貢献してます。

戦艦(ドレッドノート)も拡張でやること/やれることが増えたので、消えることのない兵士コマとして大変便利なんですが、これもコスト払って高い効果を得るで、徹底しているなと。

しっかりコストを払えばその分のリターンがありますし、うまくプレイしないとコストを用意できないので、プレイングの楽しさもかなりあります。
まあ、やはり、好みを分けるのは、根底にある強めの運要素ですね。

策謀カードの引き運と、場に並んでる購入可能カードのまわり運は、好みが得に出るのではないかと。
積み上げた努力を運で否定されたり、他人の唐突な飛び道具で負けるのは納得いかない、気に食わないというのはよくわかります。

購入カードを入れ替えるアクションがない上に完全ランダムなので、せっかく手札がいいのに、場にはコスト安いカードしかない!ということはよくありますし、そこまでいかなくても、支払える範囲で最高コストのカードを買いたいと思っちゃいますよね。
でも、ノーコストながら山引きになる策謀カード、スパイスを払う特殊能力タイルは山が3つ(で補充も山がわかれていて尽きたら終わり)と、獲得方法やコスト、補充がいちいち違うんですよね。僕はここはデザイナーの強い意志を感じました。
(とはいえ、そこが気持ちよく遊べないので嫌い!というにはもったいないゲームなので、カード流したり補充ルール変えちゃってもいいとは思いますが)

強いアクションや強い戦法が固定化するわけでもなく、プレイングの上手い下手はあるけれど、他プレイヤーの仕掛けタイミングや手札、山札運も大きく作用する、おおらかさも持っているところがやはり魅力のように僕は思います。
繰り返しになっちゃうのですが、拡張は、特殊能力タイルや戦艦などの恒常効果の要素のおかげで、スピードアップ、ダイナミックさアップしつつ、様々な追加要素で基本ゲームの魅力を強化し、完成度を上げているものと僕には感じられました。基本ゲーム気に入った方は是非、拡張入りで遊んで欲しいです。

ブライアン・ボル/ Brian Boru: High King of Ireland

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(5人でインスト込み2時間弱)

【概要&ルール】

俺はイングランドの豪族の長! 海賊と戦ったり、婚姻結んだり、宗教活動に励んだり。もちろん、土地を支配して、この国の王になるのが目的だぞっと。

規程ラウンド分、以下の流れを繰り返します。

・カードドラフト:規定枚数のアクションカードをプレイヤーに配り、2枚とって、隣に回すを繰り返します。

・カードプレイ:スタートプレイヤーがマップ上のマス1つを指定した後に、手札から1枚ずつアクションカードをプレイしていきます(スタートプレイヤーは指定したマスの色(またはワイルド)のカードをプレイしないといけません)。全プレイヤーがカードをプレイしたら、カードに書かれた数字の小さいプレイヤーから順に、アクションを実施します。
全員がアクションを実施したら、直前のカードプレイで勝ったプレイヤーからカードを1枚ずつプレイして~と、手札が1枚になるまで繰り返したらラウンド終了です。

・ラウンド終了時:バイキングとの戦い、結婚、宗教と3つの要素の解決をします。

●アクションについて
アクションカードには、カードの色、数字、3つのアクションが書かれています。カードを1枚ずつプレイするのは、要はカードの色と数字で、メイフォローのトリックテイキングを行っています。
スタートプレイヤーがプレイしたカードの色のうち、もっとも大きな数字のカードをプレイしたプレイヤーが、その時の勝者になり、アクションカードに書かれた3つのアクションのうちの勝ったプレイヤーのみが実施できるアクションを実施できるようになります(トリテで勝ったらそのアクションしかできません)。
負けたプレイヤーはアクションカードに書かれた3つのうち、負けたプレイヤーのみが選択できる2つのうちの1つを実施できます。
アクションは、勝った負けた関係なく、数字の小さいプレイヤーから実施します。

・トリテ勝った人だけできるアクション:スタートプレイヤーはカードをプレイする際に、メインボード上のカードの色と対応した1つのマスを指定しています。トリテに勝つと、このマスにコマを置くことアクションが実施できます。この際のアクションコストはプレイしたカードの数字に比例しており、数字が大きければ支払いが多く、数字が小さければ支払いはなく、逆にお金がもらえます。

負けた人だけが実施できるアクション:大きく4つあります。お金をもらう、バイキングとの戦いトークンを手に入れる、結婚トラックを進める、宗教スペースに自コマを配置する、お金を払ってメインボード上の任意の自コマから道がつながっているエリアにコマを配置する。
これらのアクション時、2金払うと追加でトークンもらったり、トラック進めたりできます。


●ラウンド終了時の処理
バイキングとの戦い、結婚、宗教の処理を行います。
バイキングとの戦いはトークンを最も持っているプレイヤーが得点し、最も少ないプレイヤーはメインボード上の自コマの上にバイキングトークンが置かれます(バイキングトークンの残り具合で処理が少し変わります)。
結婚は、結婚スペース上で一番進んでいるプレイヤーがそのラウンドの結婚相手カードを獲得します。
宗教は最も多くコマを置いているプレイヤーが次ラウンドのスタートプレイヤーの権利と、メインボード上の自コマを2つ分として数えるようになるリングを得ます。
戦い、宗教、結婚とも、トップ以外のプレイヤーは次ラウンドにトークンやトラックの状況は持ち越しになります。

●ゲーム終了時の処理
メインボード上の各エリア(複数マスの集まりで構成されていて、いくつかのエリアにマップが分かれています)でマジョリティ争いをして、トップのプレイヤーにエリアの大きさに応じた点が入ります。
この時、各エリアの半分以上のマスにコマが置かれていないエリアはマジョリティ点の対象外になります。
ゲーム中の得点と足して、もっとも点数の高いプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】
あすまーさん、一味さん、キノさん、酒元さん、僕の5人で。

トリテでアクション決めるってどういうこと?となりながら、ゲーム開始です。

UKINさん:「(ゲーマーなら)絶対にカード構成見ておいた方がいい!」

とインストしてくださったUKINさんからの助言を得て、開始前にカードを見てみます。

……わからんというか覚えられん!

今ならどこを見ればよかったかわかるんですが、この時は、UKINさんの助言の意図が汲み取れずなダメプレイヤーでした。

カードの数字は1から25なので、とりあえず20以上は強い数字やなというふわっとした理解で開始した1ラウンド目。

とりあえずカード1枚目。スタートプレイヤーがプレイしたカードの色のカードは持っていますが、数字で負けてるので、プレイする意味はなさそうです。それなりに大きい数字だし、ワンチャンあとに残しておけば勝てるかも?ということで残すことにして、色も違うし、数字も小さいカードをプレイして、負けた時の効果を適用しました。

そして、2枚目。続けて同じ色が指定されました。(UKINさんがさっき見せてくれてはいたものの)カード構成覚えてないので、勝てるかな?と淡い期待を持ってさっき温存したカードをプレイします。が、下家のあすまーさんだったかキノさんが、白い、ワイルドカラーのカードをプレイされました。
(ボード上のマスの色は、赤青黄の3色ですが、カードはそれに白を加えた4色あります)

んで、このラウンドを終えてようやくわかったんですが、数字の高いカードが赤青黄1枚ずつあり、その下に白色のカードが3枚。その下にまた赤青黄の数字カードが並ぶ(8くらいに白カードが1枚あり)という構成になっているので、23以上の色カードか、その下の白カードを持っていないと狙って勝つのは無理ということです。

1ラウンド4枚しかカードをプレイしないので、全部赤い色のマスが指定されたとしても、24の赤カード、22から20までの白カードの勝ちは決まっていて、例えば、16とかの数字で狙って勝てるタイミングはないんです。

ただし、狙って勝つのが、です。

2ラウンド目くらいから、お金がないぞと、高い数字のカードで勝ってもお金の支払いが厳しい(支払うお金がない状態で勝つとアクションが無効になるので勝つ意味がない)ことに徐々に気づいていきます。

なので、23以上のその色では最強の数字を持つカードを、あえて他の色でリードされた際にプレイして負けた時の効果で使ったり、ラウンド終了時、使わずに捨てる1枚に残したり。

勝たないとメインボードのマップ上にコマが置けないんですが、逆に言えば、マップにコマを置く以外のことは勝たずに全部できますし、結婚狙いとかの時に勝っても仕方ないんですよね。

そうなるとドラフトも意味が深まってきます。他人との狙いの外し合いが、ドラフトでまず1回、次にカードプレイでまた1回という感じです。

僕は1ラウンド目は、ほとんどみなさん結婚にこなかったこともあり、カード1枚の効果でトップ、バイキングの戦いは運よくビリにはならなかったのでトークン持ち越しかつ、マイナスもなしという戦績。
2ラウンド目は結婚に行かずに戦いを少し重視して戦いでトップ獲得して加点と、なかなか狙い通りに得点できてました。

しかも、このラウンドの最後のカード、小さい数字のカードしかなかったので、それをプレイしたところ、みんなの別にそこのマスいらないわと、他のことをやりたい、その色のカードないの気持ちが1つになった結果、コマをマップに置きつつ、お金ももらってしまうという大変うまい勝利をとることができました。
(あまりに得に見えたようで、これ以降、小さい数字がするするっと勝つことはなくなりました)

マップ上への配置も各ラウンド1コマは置きつつ、結婚で手に入れたカードの効果で追加のコマも配置できて、初期配置のコマも含めて、そこそこのエリアでマジョリティをとれそうでいい感じです。
(ただ、コマからつながる道の先のマスをキノさんや酒元さんに抑えられていて、拡大が難しいのでこの後はちょっと心配、というか、抑えられているプレイヤーが道の先にコマをおくと、マジョリティ取られちゃうという非常に危うい状況でしたが)
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(なんかうまいこといってそうなだけど、暗雲立ち込めてるあたり)

自分が置きたいマスに自コマを置くためには、スタートプレイヤーを取るか、ラウンド中に2連勝するかしかありません。スタートプレイヤーは宗教でトップになれば取れるのですが、なんか酒元さんたちが重要視し始めてる気配を感じたので、なかなか行けず。
(スタートプレイヤーが取れるのも大きいんですが、コマ2つ分に数えられるようになるリングの効果がでかいんで、狙いにいってたんだと思います)

そうなると、結婚と戦い(とマップ上のマジョリティ)にいくしかありません。
インスト時に、最終ラウンドで結婚トラックで勝利すると獲得できるカードの効果「マップ上に出ているバイキングコマを全部自分のものとして扱う(バイキングのお姫様なので)」がマジョリティ争いでは強いですよと聞いていた(聞いてなくてもそりゃ強いわとすぐ気づける強さ)ので、最終ラウンド1つ手前で結婚トラック2位になり、戦いも(トップになれそうにはなかったので)2位の状態で最終ラウンドを迎えるぞと場を整えます。

マップ上にコマを置くのも1つはこのラウンドでもやりたいな…と思いはするものの、なかなか勝てるトリックが回ってきません。
この頃になるとマップ上の各エリアでほぼ誰がマジョリティを取れるのか趨勢が決まっていますし、いま、この色でそこを選ぶのやめて!というタイミングで僕がマジョリティ取れそうだったエリアのマスを選ばれることもありだったりで、先ほど、マジョリティ取れそうと書いていたエリアもいつの間にか2位(点がもらえるのは1位、または1位タイ)になってるエリアばかりです。まだ1位が確定していないエリアはあるものの余程うまくやらないと今から取りに行ったとしても、当然、先に1つ、2つコマを置いているプレイヤーが有利なわけで、勝つのは難しそうです。

しかし、なんだかんだでマジョリティ点はでかそうなので、取らないとな……と若干焦っているところに、だだっ広すぎて、まだコマが1つも置かれていなかったエリアを指定されました。流石にこのエリアはいらないわ……とみなさん負けカードをプレイしていく中、迷いましたが、勝ってみることにしました。
そして、続けて、そのエリアを指定。前述の通り、宗教や戦争でいい感じになっておきたかったこともあり、負けたかったので、小さい数字のカードをプレイして負けます。

ところが、みんな考えることは同じようで、もうすでに結婚トラックがめっちゃ混んでます。

このゲーム、トラック上の同じスペースにコマを配置することはできず、移動可能な次のスペース(3マス進める時に3マス先が埋まってたら2マス先)までしか進めないというルールです。
まさに3マス先にコマがあったので、2マス先に進もう……かと思いきや、3人がコマを中途半端に進めた状態で次ラウンドを狙っているため、2,3,4マス目が埋まっていて、1マスしか進めない状態。
カード効果としてせっかく3マス進めるのに? 1マスなの?と憤りかけましたが、ここで2金払うと先に進めるルールを思い出しました。

最終ラウンドの結婚カードの効果が強いとはいえ、流石に4人もライバルがいては獲得するのは難しそうです。
いま4金払えばこのラウンドの結婚カードは取ることができます。しかし、4金か……とめっちゃ悩みましたが、もういいや!と思い切って4金払って結婚カードを獲得しました。

まあ、結構な金額を払うことになりましたが、戦いでは狙い通りに2位につけています。次ラウンドで戦いトークン獲得のアクションを2回やれば戦いで勝てます。
マップ上のマジョリティ争いは非常に厳しそうですが、戦い勝てば結婚カードなどから得ている点でそれなりに点数稼げるんじゃない?

ということで迎えた最終ラウンド。配られた5枚のカードに赤いカード(戦いトークン取れるアクションがついてる)はなし!
まあ、ドラフトだから回ってくることもあるだろうと思い、もう僕には不要な黄色いカード(結婚トラックを進めるアクションがある)を左のあすまーさんにまわします。

が、ここで気づきます。戦いトークン数はビリになるとマップ上のコマ1つにバイキングトークンを被せられて、コマを失ったのと同じ効果になるため、少なくともみんなビリにはなりたくないはず。戦いトークンが枯れたら、戦いに勝ったことになり、その処理は行われないとはいえ、どうせみんなトークン取ってくれるだろーとかいう能天気な思考をする人はここには1人もいないのは確信を持って言えます。

というわけで、赤いカードが流れてくることはもうなさそうです。

そんなわけで、前ラウンドに考えていたこと、仕込んでいたことは見事に霧散してしまいました。

うーん、ここから点数の延びる方法か……。

結婚アクションのカードはあすまーさんに流してしまいましたし、数字のでかいカードも手札にはないので、マップ上へのコマ配置もなかなか難しそうです。
そもそもどこもほぼ誰がマジョリティを取るか、または取れるかはほぼ決まっていて、これから新しく絡んで、僕が1位をとれそうなエリアがないです。唯一、前ラウンドでコマを1つ置いただだっ広いエリアは僕と一味さんが1つずつしかコマを置いていないので、1位が取れる可能性があります。

といっても、そのエリアの過半数のマスにコマが置かれないとマジョリティ点がもらえるようにならないんで、あと3つ(合計5つ)置かれる必要があります。
いや、いまさら無理だろ……と思いはしますが、とりあえず、やれることをと、道を通ってコマを置くアクションに必要なお金を集めに行きます。

そんな場面、スタートプレイヤーである一味さん。どうも手札があまりよろしくないらしく、どこのマスを指定しても他人が得することになりそうで、なかなかこのプレイに勝った人がコマをおけるマスを決めることができません。

一味さん:「わからん!ここでいいか!」

と、誰もマジョリティを取れそうにない、例のだだっ広いエリアのマスを指定されました。自分の得にもならないけれど、誰の得にもならないなら、まだマシの精神です。

このトリックは酒元さんが獲得して、そのエリアに3コマ目が置かれます。これで僕と一味さんと酒元さんが1つずつコマを置きました。

ここで結婚トラックを進めるアクション付きのカードで負けたあすまーさん。数字が小さいカードだったので、最初に結婚トラックを進めます。後続のキノさんたちも結婚アクション可能なカードをプレイしていたのを見ると、「あとから抜かれるのも癪だなあ」と、手元にあった10金くらいをじゃらじゃらと払って、一気にトラックの最後のマスへ!

これでこのラウンドの結婚カード=バイキングのお姫さんの獲得は確定です。
(後続のキノさん達がえー、やることなくなったわと困ってました(笑)。結婚トラック自体は最後まで進めなくても盤面にコマが置けたりといい効果はあるんですが)

そんな劇的な結婚の裏で僕も実はめっちゃ興奮してました。

先ほどの酒元さんのコマが置かれたことで、あと2つエリアにコマが置かれたらマジョリティ点がもらえる条件を満たします!
そして、僕はこのラウンドで2つまでコマを道を通って隣に配置するアクションが実施できるだけのお金があります(このあと貯まります)。

つまり!誰にも邪魔されなけばこのエリアのマジョリティ点は僕が取ることができます!

一味さん、酒元さんがトップタイを狙ってくる可能性ももちろんあったんですが、そういったこともなく(酒元さんは他にマジョリティを確定させたいエリアがあったみたいですし)、見事、そのエリアのマジョリティ点(だだっ広いエリアなので、点数は最多の7点!)を獲得し、結果的にマジョリティは取れていなかったもののマップの色んな所に置かれていたコマの点(5エリア配置で3点)もあり、勝利することができました!
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(ゲーム終了時)

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(勝利を祝う、うちに結婚できてくれた婿殿達 ※結婚相手は男女両方います!)

【感想】

これのここが面白い!というポイントがなかなかはっきり(僕には)言えませんが、良いゲームでした。

面白さのポイントは、アクションを邪魔されることがない(基本的に思い通りに行える)&工夫のし甲斐があるというところかと思います。

手番のアクションは手札プレイからのトリックテイキングで、何ができるか決まるんですが、勝っても負けても、大抵の場合、“狙って”そのアクションを行ってます。カード構成も勝ち負けの決め方もシンプルなので、『勝てるはずなのに負けた』ということはほぼなく、このアクションがやりたいからこのカードをプレイするということになります。

(これ、騙されてるみたいな話なんですが)勝負に負けても自分の好きなアクションが実行できる、という事実がふつーに気持ちいいです。これは、普段負けたら何も手に入らないか、一段下のアクションをつかまされるという経験ばかり積んでいるのに、ブライアン・ボルでは負けてもアクションが劣化しないどころか、負けないと実行できないアクションばかりなので、自分が選んでるんだぞと、いう思いがあるのが大きいかと思います。
さらに言えば、勝った時のアクションが結構厳しい。マップ上にコマが置けるというのはもちろん点数的に強いのですが、それなりに大きい数字で勝つとコストも大きいので、強いアクションを実行してるのにあまり得に感じられないんですよね(負けた時のアクションは道を移動してコマを置くアクション以外はノーコストです)。

他人とアクションがバッティングして、実効不可になるということもないですし、自分はこのアクションをするんだという意思が阻害されずに実行できるというのは大きいのではないかと。もちろん、負けるつもりだったのにもかかわらず勝ってしまうこともありますが、それは、大抵の場合は得なので、それはそれで当然嬉しい(現金)です。

この邪魔されない、狙ったことが行えるアクションが、シンプルなだけにぎりぎりと厳しいマジョリティ争いの上に立っているという、優しさと厳しさのバランスが良いのだと思います。

次に工夫のし甲斐という点ですが、シンプルなマジョリティ争いにも関わらず、色んなことが用意されています。

プレイ内容にも書いた通りでマップ上のコマ以外の3要素はトップに立ったプレイヤーのトークンやコマの進みはリセットされ、その他のプレイヤーはそのまま残ります。これのおかげで、「負けても次のラウンドで」という考え方をすることができますし、むしろ、圧倒的に独走して取るトップは無駄(なので圧倒的に負けても悔しくない(実際は悔しいけども))だったりもします。
「独走は無駄」があるので「2金でカード効果を+1できる」も効いてきます。

(使わない手札があるとはいえ、基本的にはカードが配られた時点で、どのアクションに対してどの強さのカードがあるかは確定するのでラウンド終了時の勝ち負けは実質決まってるんですが、ここら辺のルールのおかけでそれを感じさせないようになってるのがうまい、んですよね)

道でつながっているマスにコストを払えばコマが置けるというルールにしてもそうです。道の先にコマを置いても、他人のコマを塞ぐようにコマを新たに置いても、してやった感がありますし、こうすれば、ああすればの工夫がポイントかなと。

「アクションの邪魔をされない」、「狙ったアクションができる」からこそ、虎視眈々とアクション外のところで、出し抜いてやろう、次のラウンド、ゲーム終了時までには、こうしてやろうを考える余地も生まれ、地味なゲームなんだけど、楽しいという面白さにつながっているように思います。

トリックテイキングというだけで、忌避するような人もいるので、あまりトリックテイキングという言葉を使ってこのゲームを紹介したくなかったんですが、まあ、トリテだから仕方ないです。

欠点というかは、上記の通り、トリテとして紹介されがちなところと、アクションの計画や選択、どの程度の強さで実行できるのか、これからどう工夫してやろうかみたいな面白さが、全て手札起因ということもあってか、自分自身の中に閉じていて他人と共感したり共有する楽しさがないところです。
そういう閉じている点が『地味』に感じるのかもしれません。

ビトク(美徳) / Bitoku

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(3人でインスト込み3時間ほど)

【概要&ルール】

偉大なる精霊の王の後継となるために、精霊の住むこの森の仕事を果たしていくゲーム。

ルール中にVirtueって出てくるので、タイトルのBitokuは美徳を指しているようです。

ルール上は春夏秋冬の4フェイズとなっていますが、春:収入、夏:アクション、秋冬:次ラウンド準備って感じです。
4ラウンド繰り返し、点数が最も高いプレイヤーが次のグレートスピリットことシシ神様になります。

・春フェイズ:山札から引いたカードから、このラウンドに使う手札3枚を選びます。その後、個人ボード上に収入の水晶があれば収入を受け取ります。

・夏フェイズ:アクションを行うフェイズです。行えることは以下の4つ。
1. 個人ボードにカードをプレイする:プレイした脇のダイスが利用可能になり、カード効果、カードプレイ時の収入を得ます。
2.ダイスをメインボードに配置する:利用可能なダイスをメインボードの任意のスペースに置きます。この時、そのスペースが含まれるエリア内にダイス目がより大きいダイスがなければ、おまけで森アクションを実施できます。さらに、建物があり、ダイス目条件を満たしていれば建物アクションも実施できます。
3.川を超える:メインボード配置済のダイスを盤上に描かれた川の向こうに移動して、そこにに描かれた効果を適用します。この時、ダイス目を規定数減らします。
4.パス:残りの手番アクションを実施しません。ただし、カード3枚のプレイとダイス3つの配置は必須です。

・秋冬フェイズ:このラウンドにプレイしたカードのうちから1枚を得点化する。手番順の変更等、次ラウンドの準備をする。

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(個人ボードです。ダイス目酷いですが、カードプレイすることで利用可能(上のスペースに移動)になります)

●森アクション、建物アクションについて

森アクションは、エリアごとに「建物建築/水晶購入」、「リソース獲得」、「移動力獲得」、「トンボ/御霊購入」、「手番順変更」と特徴があり、配置したダイスのダイス目が大きいほど効果が強くなります。例えば、資源獲得の森アクションでは、ダイス目が3だと1つしか資源が貰えませんが、6なら3つ資源が獲得できますし、トンボ/御霊購入もダイス目が2だとどちらかを定価で購入するアクションですが、ダイス目が6ならどちらも購入でき、かつ、資源1つを払わなくてよいです。

建物アクションは、ダイスを配置したエリアにある建物タイル1つの効果が発動できます。建物タイルには使用するために必要なダイス目の閾値と、使用者が得られる効果、そして、建てたプレイヤーが得る効果が描かれています。
建物は森アクションやカードに描かれた建築アクションによって、場に出ているタイルから選んで建築できます。

●移動ポイントについて
森アクションや建物アクション、カード効果などにより、移動ポイント(MP)を得ることができます。MPは、以下の3種類に対して任意に割り振ることができます。
・美徳カード上の移動:プレイヤーが獲得済の美徳カードに示された道を自コマを移動させ、美徳カードの効果を得ます。
・賢者の道に修験者をわかす:個人ボード上にある利用可能な修験者コマを、メインボード上部の賢者の道の鳥居に隣接するマスに配置します。
・賢者の道を移動する:修験者コマを賢者の道に沿って移動させます。移動終了した場所によっては、勝利点などを得ます。

●ゲーム終了時得点
4ラウンド経過後にゲームは終了します。この時、以下の点数が入ります。
・磐座:妖怪カードや建物、御霊の種類が指定されており、持っている分の点数がはいります。ただし、ゲーム中に隣接する場所に修験者コマを配置しておく必要があります(配置済の修験者コマ1つごとに隣接する磐座から点が入る)
・美徳カード:何種類持っているかで点が入ります。移動している必要はありません。
・夢カード:ゲーム中に獲得した夢カードのうち、条件(建物持ってるか、資源X個持っているか等)を満たしているものは得点、満たしていないものは失点になります。
・個人ボード上の得点:建物を建築したり、水晶を配置したりすることで個人ボード上に記された点数が入ります。
・各エリアの木霊:木霊の進み具合に応じて各エリアで点が入ります。
など。

とんぼとか御霊とか、スタートプレイヤーを決める部分とか書いてないことも多いですが、省略!

【プレイ内容】

如月さん、しゅだっちさん、僕の3人で。

要素が多い上に、アクション間の相関が薄い感じで、何から手を付けてもよさそうだけど、まあ、なにやっていいかわからんなというところからスタートです。

初期に配られた磐座(Iwakura Rock)が特定の2種の建物が得点になるというものだったので、とりあえず、建物建てていくかなということと、あと、美徳カードのセットコレクションを積極的にとっていこうとざっくりですが方針を決めました。

美徳カードは盤面に毎ラウンド並べられるものももちろんとれるんですが、今回のセットアップだと、修験者を賢者の道を進めてもそういう効果のものがあるようです。

このゲーム、あまり成長要素的なものはないんですが、賢者の道だけは、先に進んで、鳥居までたどり着けば、その鳥居の場所から修験者を沸かすことができるようになります。先述の美徳カードを獲得する効果の場所は結構賢者の道を進んだ先なので、ひとまず鳥居を目指すことになりそうです。

よし、だいたいの方針は決めたし、んでは建築するかと、思ったわけですが、建築するにしても、
・手札から妖怪カードを個人ボードにプレイした際、妖怪カードの効果で建築する
・妖怪カードプレイ後にアンロックされるダイスを建築効果の森アクションのあるスペースに配置する
の大きく2つあります。

前者はダイスを使わないですむし、手が早いので他プレイヤーにとられるより早く建物タイルを取れます。後者はダイス使うし、アンロックしてからになるので、若干手が遅れますが、ダイス目によっては支払うための資源をディスカウントできます。

もうこの時点で「どっちの方法で建築すればいいの?」とひと通り悩みます。悩むというより、結局、他人のやりたいことと、自分のやりたいことがどの程度被っているのか?なので、どう思いきるかだけで、悩む意味はそれほどないというのは理屈ではわかるんですが、他プレイヤーの思いがわからないからこそ、どうする!?どうすりゃいいの!?ってなります。

とりあえず、カード効果の方で建築することにして、僕の磐座のボーナスにあっている建物(建物は4種類あり、磐座には2種類ずつ指定されています)を建築。3以上の目で使用可能で、使用者には3点はいります。建物の持ち主(=建築主)である僕には1点か+1のお守りがもらえます。

※建物には、建築時効果、使用したプレイヤーへの効果、使用されたことによる持ち主への効果の3つの効果があります。使用するためには、ダイスを配置した際に、建物がその配置エリアにあり、かつ、建物の使用条件の出目以上のダイスを配置する必要があります。

とりあえず、条件にあっていたので選んだのですが、如月さんが建てた「1以上の目で発動して、任意の資源を1つ獲得できる」建物の方を(少なくとも序盤は)確実に選んで使うよなあと。即時に点数がもらえる効果も良いは良いけど、使われるとしても後半ですよね。磐座の対象にこだわらずに素直に便利っぽいやつを建てればよかったなあと思いはしますが、済んだ話なので、仕方なし。

その後、ダイスをアンロックした際に発動して+1のお守りがもらえる水晶を獲得した後は、ひたすら賢者の道を歩くことにします。

賢者の道を歩くために必要なMP(杖のアイコン)は、カッパの妖怪カードの効果か、森アクションの効果、または建物アクションの効果です。
カッパは初期の手札だと1MPしかもらえませんし、建物アクションはそういう効果の建物タイルがでてきて、かつ、それを建築しないとならないので、森アクションが主な方法になります。

主な、といってもMPがもらえるダイスの配置場所は3人プレイだと2つしかなく、如月さんも歩くのをある程度重視されているようです(しゅだっちさんは、磐座からの点を重要視されているようでした)。

森アクションの実施条件は、そのエリア内で配置したダイスの目よりも大きな目のダイスが置かれていないこと(既に置かれているダイスの目以上のダイスを配置すること)なので、他人とやりたいことが被っているとあまりよろしくありません(常時競り合っているようなことになるので)。

ゲーム開始時に持っているダイスは3つで、ダイス目は、3,2,1の状態です。森アクションはダイス目が1だと全然効果が違う(木霊というトークンを進める効果になります)ので、できれば2以上で配置したいところですが、前述の通り、お守りがないとダイス目は増やすことができません。
他人を邪魔する意図で、被りそうな場所に配置するダイスは目を大きくしてもいいんですが、一方がダイス目を大きくすれば、他プレイヤーも大きくするのは目に見えてますし、お守りが序盤は基調ということもあって、ここはゆるやかな談合状態でそこそこの目でプレイしていくことにします。

そして、手札をプレイしてあらかたのダイスをアンロックし、ダイスも配置し終えてきたところで、配置後に川を越えさせるかで、またひと悩みします。
妖怪カード、美徳カードは川を越えた先で行うアクションで獲得するのが主な方法で、どちらもそれなりの得点源になりますし、妖怪カードについていえば、初期カードよりもはるかに効果が大きいので、是非手に入れたくはあります。美徳カードも賢者の道を進める条件になっている個所もあるので、とっていきたいです。

なんですが、川を越えるとダイス目がさがるんですよね……。通常は1しか下がらないので、手に入るカードなどの効果と比べれば全然安いもんなんですが、下手に下げると次ラウンド、(他人よりもダイス目が小さくなるため)森アクションができなくなるのでは?という不安があり、迷います。

特にスタート時のダイス目は3,2,1ですし、スタート時にお守りを1つ持ってますが、既に1のダイスに使って、3,2,2にしちゃってるので、全部のダイスで川を越えると、次ラウンドは2,1,1になります。
前述の通り、1の目だと森アクションが木霊を進める効果になりますし、1だと川が越えられないんですよね……。

このラウンドは川を越えず2のままにして、次ラウンド、森アクションで欲しいもの(建築したり、御霊獲得したり)をとって、川を越えた方が得なのでは?という考えもよぎりますが、お守り獲得ができる水晶もとってるし、なんとかなるわ!と全部川を越えさせることにしました。
(如月さん、しゅだっちさんは1つずつくらい川を越えるのを見合わせていました)

ちなみにプレイ時にカード効果でMPがもらえるカッパの妖怪カードを如月さんは獲得されていました。
やはり、MP重視プレイで被ってるかと思いつつ、2ラウンドに進みます。

前述の通り、僕のダイス目は2,1,1ととてもひどい状態です。カードプレイ時に+1のお守りが貰える効果はあるので、2,2,1にはできますが、1のダイス目をどう使うか。
などと書いてみましたが、実はダイス目が全く関係ない、ダイス配置エリアが1つあります。

ボード中央にあるエリアでこのエリアは川を越えることはできませんが、配置した場所に応じて森アクションは必ず発動し、並び順に応じて次のラウンドの手番順が決まります。森アクションは必ず発動すると書きましたが、手番順が後ろになるほど、森アクションの効果はよくなっています(ただし、配置しなかったプレイヤーは後手番にずれるので、1人しか配置しなければこのエリアで一番よい効果を得つつ、スタートプレイヤーをとることもできます)。

手番順はできれば3番手は避けたいけど、1の目のダイスは個々に配置するのは確定です。
しかも、ここに配置すれば、+1~+2のお守りがもらえるので、2,2,1をもう少しマシにできます。

場所によってはMPももらえるので一石二鳥や!と思ってたらその場所は案の定如月さんに取られてしまいましたが。

それでも、とにかくMPとって移動じゃーいと、ダイス配置による森アクションとか、御霊の効果で修験者を移動させていきます。賢者の道は多くの分岐があり、分岐側に移動すると点数が入るようになってます。
この時、進んだ距離のわりに点数効率の良い場所と、点数効率は少し落ちるが何からのおまけが貰えた上に修験者のリスタート地点にすることもできる『鳥居』があります。

鳥居までとにかく進めれば、先に進むのが有利になりますし、今回の鳥居効果の1つは美徳カードの獲得なので、とにかくそこまでは進めます。

もちろん移動に集中したいのですが、如月さんとやりたいことが被ってますし、そもそも、MPがもらえるエリアにはダイスは2つしか配置可能な場所がありません(厳密には違うんですが)。
なので、必然的に他アクションも行うことになります。

森アクションは大きく分けて、トンボ/御霊獲得、MP獲得、資源獲得、建築/水晶獲得、手番順決めの5種類(5エリア)です。

トンボ、御霊はいわば追加アクションや追加資源の獲得です。様々な種類があり、毎ラウンドランダムに場に出てくるので、必ずしも獲得できるわけではないですが、トンボは低コスト(場合によっては資源がおまけでもらえることすらある)でアクション(トンボもらったり、建築したり、MPもらったり)できますし、御霊はもらえる資源自体は安い(1資源とか+1お守りとか)ですが、払ったコストに応じた点数が入ります。

ただし! トンボも御霊も個人ボード上には1つしか置くことができないため、続けて2つは取ることができません。トンボを持っている状態で御霊を取る、またはその逆でとることで、トンボと御霊がくっついて、トンボの効果発動&個人ボードが空くという仕組みになってます(御霊は獲得時に即発動です)。

資源はこのゲーム正直かつかつ、というわけではないんですが、選択肢が増えるのであればあったで便利ですし、もちろん、建築や木霊獲得には必要なので、まずは資源をとってから~ということも多いです。

獲得量はダイス目に応じるので、自分ことだけ考えれば2とか3でもいいんだけど、他人が先に置くと、それ以上の目でないと効果が発動しないので、困る……という場面がままありますし、資源以外の全てのタイル類(水晶、建物、トンボ、御霊)はラウンド中は場に補充がないので、先取りがめっちゃ熱いです。

さらに言えば、ダイス配置後、川を越えて、美徳カードや妖怪カードを獲得するのも当然早取りなので、そのエリアの森アクションなどの効果は後回しでいいけど、川の向こうの美徳カードは必ず取りたいから、まずはそこに配置しないとならないということもあります。
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(たぶん3ラウンド目おわったあたりの様子)

難しいなあと思いながらも進めていた3ラウンド目で、状況がちょっと変わってきます。
前述の通り、僕の初期の磐座は指定の建物を建てていれば点数というものだったので、ちょこちょこ建築してたんですが、「3の目以上で発動する夢カードを獲得できる」効果の建物と、「3の目以上で発動する3点もらえる」効果の建物が、ゲーム後半になり、みんなに使われ始めたのです。

この建物を使ってもらうと、+1お守りか1点がもらえます。要は+1お守りが余るくらいにもらえ始めたのです(一応木霊や美徳カードなどの効果でお守りがもらえる効果を重要視していたというのもありますが)。

トンボ/御霊獲得、建築/水晶獲得は、ダイス目が5以下だと、どちらかを獲得する効果なんですが、6だと両方獲得することができます(もちろんリソースを払うことができれば)。ダイス目6だと川を越えた際に、一気に3まで減るので、厳しいところもあるんですが、それでも6の目が強いだろ!と強い効果を得つつ、あまり始めたお守りパワーで、森アクションできないようにしてやれと如月さん、しゅだっちさんをじわじわとせめます。

といっても、僕が川を越えるまで待っていれば、森アクションを発動させることができない、というようなことは避けられるんですが。

夢カードをそれなりに獲得していたので、マイナス点にならないよう、求められている条件(建物とかトンボとか)を満たすように色んなものをとっていきます。

そして、迎えた最終4ラウンド目。

如月さんはお守りでのダイス目競争を華麗にかわすように、スタートプレイヤーを3ラウンド目で獲得していました。
確かにスタートプレイヤーでダイスを置いてしまえば、他プレイヤーが手元にどんな目のダイスを持っていても関係ないですし、前述の美徳カードや妖怪カードの獲得も他プレイヤーより一手先に動けるので有利です。

美徳カードはセットコレクションの点があるので、他人より早く動きたいのもわかります。

が! 4ラウンド目に盤面に出てきた美徳カードは全て(といっても偏って2種類しかでなかったんですが)如月さん、しゅだっちさんとも持っている種類のもの。僕は両方とも持っていません。

えええーーとお二人から声が上がりますが、これも非情な勝負の綾。

もう全てのダイスを6にすることができるくらい持っていたお守りパワーで、場を荒らしながら未獲得だった美徳カード2種類を獲得し、さらに、ラウンド終了時に埋めることで「歩き済の美徳カード×2点」の妖怪カードも獲得し、うはうはでゲーム終了。

水晶をほぼとらず(とれず)に修験者があまり増やすことができず、なおかつ、3ラウンド目にどうしても欲しかった妖怪カードのために、修験者コマを捨ててダイスをアンロックするという強引にダイス配置の手番を早くする手をとったことなどが影響して、磐座に修験者を送り込めず、結局、序盤に建築は頑張ったものの磐座点はさみしい感じになりましたが、美徳カードのセットコレクションで少しおふたりより優位に立ったこと、夢カードがたまたま自分の戦術とあってる条件(鳥居に移動していること等)のものをよく引いたことなどで、逃げ切って勝利することができました。
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(建物以外、見栄え変わらないんですがゲーム終了時。個人ボードは右側に見切れてますが、6枚くらい美徳カードが並んでます。左上に並んでいるカードは夢カードで、条件満たしているかのチェックのために並べてます)

【感想】

正直な話、勝ち負けに関しては運要素は大きいですが、毎手番、毎手番何を優先すべきかが悩ましいゲームです。

トンボ、御霊、建物、水晶、美徳カード、妖怪カードとランダムに場に出て来ますが、(特に建物と水晶は)結構どころではなく効果に幅があること、プレイ内容のところにも書きましたが、ダイス配置スペースやラウンド中に出てくるタイル数の関係から1つのことを極めるのではなく、色んな要素に手を出さざるを得ない作りになっていることなどから、変なこだわりを持たずに、いま、盤面と自分の状況での最善手は何か?を基本的に常に考えるようなゲームになってます。

しかも、トンボ、御霊、建物、水晶はプレイする妖怪カードや美徳カード、トンボや建物などの効果でも獲得できるので、本当に、あっという間にタイルがなくなります。トンボなどを獲得できる森アクションはダイス目で他プレイヤーがプレイしづらいようにしばっているから…などと考えていても正直無駄で、あ、そこに獲得効果ありましたかという様にさくさくっと取られていきます。

そして、何かしらを獲得できますよという効果の付いているカードやタイルがあれば、それを空うちしたくないのがゲーマーで、戦術的に、〇〇をやりたい。でも、〇〇を進めると、XXの効果が発動するから、XXもとれるような状態にしておきたい…などという、「もったいないから、こちらもやっておこう」がゲームのあらゆるところに出て来ます。
セットコレクション目的や賢者の道を進める条件クリア目的で獲得した美徳カードにトンボ獲得の効果がついていた。トンボだけもらっても効果は発動しないので、なんとかして御霊とれないかなみたいな感じです。

このゲーム要素の繋がりを無駄なくこなそう/こなしたいという、思いが必要以上にゲームを複雑にしているのも確かです(「どこから手を付ける?」って久しぶりに固まりましたw)。

そういう理由で、ゲームを進めているうちに、もしくはスタート時点から何かしらの方針が立って、それに沿って、プレイしていく、ということが、ビトクではできない、または非常に難しいです。

メインでやりたいことが1つあり、そのついでに色々できる、と考えればいいんですが、その「ついでの色々」も全部うまいことやってやろうという気になってしまい、え?どこから手を付ければいいの!?と正直なってしまいます。
(もちろん、これができればいいやと諦めたり、とりあえず、ここから手を付けようということにはなるんですが)

色々とおまけがついているのは優しいゲームだと思う点ではありますが、同時にややこしいゲームになっている要因にもなっています。
しかも、需要に対して供給が少ないので本当にタイルがあっという間になくなるんです(俺におまけのアクションをやらせてくれ!ってなります。タイルもうないので空うちでどうぞ、または高コストのやつをどうぞってなります)。

ワカプレベースの先取りのゲームって、要はスタートプレイヤーの取り合いだったり、どこまで妥協するのか、どの程度周りと狙いをずらすかというのがポイントになりますが、ビトクは圧倒的に、取り合いに重点をおいたゲームになってると思います。
(プレイ内容に書いたのは3人戦ですが、4人戦だと、『4番手つらいわー』と4番手の人が常に言ってました(実際には全然点差ついてなかったんで気のせいではあったんですが、取り合いが辛い/熱いゲームということだと思います)

これがいやらしいのが、手札についているアクションで色んな事ができてしまうんですよね。他人の手札は当然見えないので、もう初手は疑心暗鬼ですよ。いっそのこと、ダイスのアンロックはカードプレイでのみ可能とカにしてくれればいいのに、修験者コマの破棄やカード効果などでアンロックできてしまうので、他人の飛び道具(手元のカード効果で欲しいタイルが取られる)前に、修験者破棄してでも先取りしちまうか!?とか考えてしまうんですよね。

こういう悩んでも仕方なく、自分がコストを払ってでも手に入れたいのかどうかだけというのは質が悪い悩ましさだと思いますが、それもまた楽しいんですよね。

しかし、ではうまく先取りできた人が勝つのか?というと、僕はそうは思ってなくて、正直運ゲーだなと思ってますw。ゲーム終了時の得点源である夢カード、磐座、美徳カード、全部引き運/場に出てくる運がかなりでかいので。

いやいや、精一杯悩んで、毎手番最善手を模索して、結局運なの?というのは、賛否両論あるかと思いますが、気軽にできてよいのかなと思いますし、当然、最後は運ではありますが、途中のプレイングで競い合ってこそ、最後の決め手が運というだけなので、プレイングの勝負要素はもちろんあります。

強化や得意分野が出来ていく楽しさはほぼないですが、他人と早取りに苦しみ、どれを優先すればいいのか?を常に悩める、良いゲームだと思います。
(プレイスタイルによると思いますが、4人だとダウンタイムが必要以上に長くなることがあるので、そこまでプレイ感の変わらない3人の方をお勧めします)

2021年振り返り

毎年ぎりぎりに書いているその年の振り返り記事です。

最近遊んだということもあるんですが今年遊んで一番面白かった/印象深かったゲームは2つ。ウォッチとクライムズームです。

・ウォッチ記事リンク
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システムもアクションも地味目のワーカープレイスメントゲーム。
自分のやりたいアクションをどうすれば実行できるのか?に焦点が当たっている感じでとてもピュアピュアしい。スタートプレイヤーが機械的にラウンド中に変わるというだけで今やりたいことと、次にやりたいことを取れるかどうかが素敵に天秤にかかっている。
ウォッチカードによる非合法アクション実施時にペナルティがあるかもしれない(ないかもしれない)というギャンブル要素も僕は好き。
勝負の決まり方もピュアピュアしく、他人と被らなかった得点方法に力を入れた人が勝つのも昔ながらで良いですね。

・クライムズーム(シリーズ)記事リンク
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今年はディテクティブ シーズン1やクロニクル・オブ・クライムとかも今年は遊びました。謎解きとかの要素も重要ですが、やっぱ警察ごっこ、捜査ごっこしているのが楽しいってのが一番だなあと。
クライムズームは事件現場や調査先をカードの絵柄で示しながら、調べたいところのカードを裏返すという情報へのアクセスがスムーズかつ、直感的なのがよかったです。
絵が多く使われているので、指紋や声紋、監視カメラの映像との比較など、ごっこのバリエーションもあまり謎解きゲームになかったものも多いですし。情報量もそこまで多くなく、1シナリオ90分前後で終わるのもちょうどいい感じ。

・ゲームマーケットシミュレーター2021秋
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タイトルまんまでゲームマーケットの出展者になって個人製作のボードゲームを販売する紙ペンゲーム。
日本のボードゲームマニア以外は遊んでも面白くないだろうというのは欠点といえば欠点ですが、マニアが遊べば内輪ネタ的なものも含め面白い。
メタ的な面白さを充足するための大喜利的な要素も組み込まれており、国内のボードゲームシーンをもとにした設定(テーマにゴリラを選べばとか、ライト層向けの方が売れやすいとか)を言い合うだけで(マニアなら)盛り上がること間違いなし。
最終的な販売数を決めるのは、ダイスロールであたり目を出し続ければよいという単純ながら鉄板で盛り上がる作りも、まあ、売れる売れないってそういうもんですねという納得感があって、最後までシミュレータの面目躍如。

ある程度ボードゲームシーンを知っていた方が面白いので、一般受けはしないだろうけど、このブログ読んでる人なら楽しめる気はします。
Boothでダウンロード販売しているので是非体験を。

・コーヒートレーダー記事リンク
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コーヒー畑に人を派遣して豆を作って、買い付けにいって手に入れた豆を売るゲーム。
他人とのインタラクションがありすぎて、アクションだけでなく収入にまでゆらぎができるのが最高に好みでした。読めないながらも色々とセーフティが設けられていて、カオスだけでないしっかりした面白さがある。
ただ面白さの大半がドライブ感と他人とのやり取りにあるので、これこれここが面白いんですよ!とはなかなか説明しづらい。

・シーダーズ フロム セレイス:エクソダス/Seeders from Sereis: Exodus
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盤面上でマジョリティ争いでカードを取り合った後、獲得したカードで自分の船団を作るゲーム。船団のカード効果はリンクしたりコンボしたりする。いわゆるタブロービルド。
盤面上でのマジョリティ争いに使うコマが条件を満たすと成長する&カード種類に対応してプラス補正がかかるというのがポイントで、ラウンドを経て、コマの成長と合わせて自分の船団の中で特定の種類のカードが集まってくるし、コンボもつながってくる。
カードのプレイコスト設定がちょい厳しめなのも、どのカードをプレイするのか悩ましくなってて良い。

ただ、殴り要素がかなり激しく。下手にトップに立って狙われるとプレイ済のカードが半分くらいなくなる酷さ。
結局マルチかよ!ってなるのが欠点でもあり、いいところでもある。

・プラハ記事リンク
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正統派のゲームで大変よかった。色々と目移りしそうなんだけど、大抵の要素は3,4アクションで天井になるので、目移りしても良いし、逆にこだわらずにアクション選択していくのが大事という作りが好みでした。
リソース類もアクションのおまけでもらえることも多く、支払いの必要数がそこまで多くないこともあって、おまけでもらった分からもう少しだけで足りるから、なんとかならんかなと色々工夫しようと考えさせられる。
単純に収入だけをもらうというアクションを選びたくないへそ曲がりともいえる。

目移りしてもなんだかんだでほぼやり切れたみたいな状態になれるほど選択肢が多いのが、真面目な人にはつらいかもしれない。適度に諦め(優先度付けして選択といおう)られる人の方が楽しめるかも。

・ウエスタン・レジェンド 拡張 ブラッド・マネー記事リンク
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レジェンダリーアイテムが買えるようになったのと、ストーリー性の強化というのが売りでしたが、1つ前の拡張であるアンティアップほどの変更は感じず、地味な拡張。なんだけど、移動売店が追加されたのは結構便利。
真面目にプレイしてもならず者プレイでも、ギャンブルに生きても良いという(自称)サンドボックスボードゲーム。プレイ時間が長いので、あまり頻繁には遊べないけども、年に1,2回は西部に生きた人生を体験したくなる。
基本的に何やっても点数になるんだけど、何やっても西部開拓時代のロールプレイになっているのがうまい。

・1822: The Railways of Great Britain
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今年の18xx枠。目的地の概念による線路敷きの目標設定、会社などの登場がランダムに決まって徐々に出てくるなど、ちょっとユーロよりの感じがする18xx。自分でシナジーのある会社や特殊効果をとっていくことになるので、他人の会社の乗っ取りや押し付けなどはあまり考えられず、『自分の会社』の意識が強くなる。
その分、仕手戦的な要素はあまりなく、会社の運営要素が強い。最終盤の会社収入がえぐいほど多いので、序盤から中盤にかけての線路敷きのうまさも活きてくる。
一部の特殊効果カードが優秀すぎるのも、結局値付けは競りなので、まあいいかなと。ただ、会社の出方がランダムなのは、小会社と大会社の相性がかなり大きい割に完全ランダムってのは運がでかすぎないかという気もする。
(史実ベースなので、この会社取ってもどうしようもないでしょう!?みたいな会社もあるし)

・COINシリーズ
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今年は、アフガニスタンテーマの「 A Distant Plain」と、インドテーマの「Gandhi: The Decolonization of British India, 1917–1947」の2作をプレイしました。
COINシリーズとしてのベースシステムである、手番順に今のラウンドでアクションを実施するか?パスして次ラウンドにアクション権を残すか?という2択の悩ましさを手番順&イベントの書かれたカードを今ラウンドと次ラウンドの2枚を公開しているだけで実現しているのが最高ですね。
ゲーム的にはかなりウォーよりで、歴史的な再現性も含めてうまくゲームに落とされていて、各陣営とも自分のところだけ頑張っても良くない、半分味方みたいな他プレイヤー陣営をうまく頑張らせて、よそを殴ってもらいましょう。自分が頑張らなすぎると他人が勝っちゃうのでそこらへんは適度な感じでというのが、妙に生々しくて良かったです。

まあ、その分、勝ち負けはうっかりだったり、ちょっとしたイベント効果だったりで、あっさり終わってしまうんですが……。

・チャーターストーン記事リンク
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レガシーゲームやキャンペーンゲームいくつか遊んでるんですが、協力タイプではなく、対戦形式のものだとこれまでで一番最終的な勝利条件に納得がいったということで。
ゲーム自体はその回の最適なルートを探して、ぐるぐると回してく作りで、同じことの繰り返しじゃんと思われるかもしれません。僕は手に入れたいカードなどの関係でちょっとずつルートをいじって、新しいルートを探していくのが楽しかったですが。

あとは、ゲームをまたがれる強化要素や宝箱を開けることで手に入るアイテムなど、ワクワクのあるゲームシステムで、単純に楽しい、早く次をやりたいと思わせられたのがでかかったです。

・雑感
今年は仕事もちょっとした異動もあり、色々と環境の変化もありました。10月くらいまでは新型コロナで大人数集まってのゲーム会自体敬遠されてましたし、ボードゲーム自体はそこそこ遊んでましたが、ブログに書いたり、大々的にゲーム会!遊んだ!ということが少なかった年でした。

アウトプットインプット共にあまり充実していたとは言い難く、来年はもっとアクティブな年にしたいと思っています。

機会が少ないことに加えて、ボードゲームとの出会い運も例年よりも悪いように感じていて、もう一歩なゲームばっかり買ってしまったなあという思いも強いです。忙しかったので、情報をちゃんと吟味できなかったり、忙しいんでとりあえずゲーム買ってごまかしたりということもあったのかもしれません。
もともとゲーム購入前にそこまでルール読んだり調べたりする人ではないですが、色々余裕があった方が良い出会いがあるのかもしれません。

今年もいろんな方にいろんなゲームを遊ばせてもらったり、遊んでいただいたりとお世話になりました。
来年もぜひぜひよろしくお願いいたします。

クライムズーム 最後の手段 / Crime zoom : His last card

(3人でインスト込み1時間半ほど)

【概要&ルール】

1980年12月のニューヨーク。フランク・ブッコが死んでいるという通報があった。カードをめくって現場を調べ、真相を探り当てるために、調査・推理を行おう。

クライムズームというフォーマットのシリーズもの第1作目です(2021年11月時点で英語で2作、仏韓で4作(韓国版はボックス)でてます)。

カードに書かれた情報を集めて、犯人、凶器、動機などを当てよう/推理しようという、ディテクティブなどに代表される、よくある事件調査ものですが、特徴は、カードに書かれた事件現場を調査(ズーム)できること。

例えば、床に落ちている銃弾が描かれているカードを調べる!と決めたら、該当カードを裏返します。すると、その銃弾がどういうものなのかがわかりますし、書類類の描かれたカードの裏には書類の内容と、書類に出てくる人物たちに話を聞くためのリンク(カード番号)が書かれています。

スタートは事件現場から始まり、カード間のリンクをたどって、関係者の家にいったり、情報を仕入れたりします。

・事件の解決について
ルールブックに後半に、この事件で回答すべき設問が記載されています。必須項目と加点される項目です。
システム的に制約があるわけでなく、設問への回答がわかるまで好きなだけカードを見て(調査して)、回答→正解確認→その後、見ていない残りカードの枚数分加点という流れで、スコアが決まるというシステムになってます。
(正解当てる以外は、まあ、おまけみたいなもんですが……)

設問への回答はカードの番号で求められるため、たぶんこういうことだろうなと当てがついても、お目当てのカードは見つける必要があります。
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(事件ごとに問題は異なります。今回の『最後の手段』だとこんな感じです)

【プレイ内容】
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1980年の12月のある日曜日、19時くらいに、ブリックリン近郊にあるフランク・ブッコの家で銃声がした旨の通報があった。通報者は何ものか不明。
現場に向かった警察官が死体を見つけたところから事件は始まる。
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(こんな感じで現場の様子がカードで示されます)

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壁に血文字?みたいなのが書いてあったり、

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なんか床に手紙?や何か小さい金属?が落ちていたり、

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向かいのビルにこちらを見ている人影が見えたり、

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なんかあるようで暗くて良く見えないところがあったり、

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もちろん死体もでーんと部屋の真ん中にあったり、後ろの壁に弾痕?のようなものも見えたりしてます。

気になる部分のカードを裏返すことでその場面を詳しく調べることができるので、どこを調べますかねえと話したところ、

僕:「まずは死体ですかね?」
あすまーさん、一味さん:「窓からこっちを見てる人が怪しいので、ここから」

カードを裏にすると、その人物の部屋を訪れた体で、話を聞くことができました。
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が、大したことは見ていない模様。

続いて、部屋の絨毯の上に落ちている金属?を見てみると、
IMG_0858.jpg
発砲されていない弾丸でした。発砲前に落としてしまったようで、指紋も残っているとのことということで、弾丸に残っていた指紋も証拠品として獲得しました。警察に登録されている犯罪者の指紋ではないようです。

そういえば、さっき聞き込んだ人の横に指紋があったなと一応、確認してみるも、一致せず。

この後、死体を調べると死体の中でとまっていた弾丸を発見。これも証拠になるようで、凶器の拳銃がみつかれば線条痕を調べることで同定できるようです。

モノは見つかっているものの人間関係が全く見えてきません。ということで、どんどん見たいカードを裏返していきます。
今度は部屋の左隅にあるカードを見てみると、車のセールスマンの名刺みたいなのが。店にいったり、セールスマンに直接話を聞いたりすることができるようです。
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と、こんな感じで事件の調査を進めます。カードは50枚と少しあるので、まだまだ全体の10分の1くらいしか見てませんが、ネタバレ良くないということで詳しい記事はこの辺までで。
新しい人物が出てくるたびに指紋もセットで出てくるので、よし、指紋の照合だ! うーん違う!とか、似てるけど……違う!とかを何回かやった後で、思い通りの人物の指紋とぴったりあったり、過去のとある出来事からの因縁もあったり、〇〇を見つけるために様々な場所に行くことになったりしましたが、〇〇を無事見つけて、その過程で見たカードも含めて、おそらく重要な手掛かりは全て集まりました。

あすまーさん:「これ、XXかと思ってたけど、△△だってことなんですかね」
僕:「ぽいですよねえ。XXXも見つかってますし」

などとどんでん返しとまではいかないけども考えをひっくり返すような事実がおそらく正解だろうとあてもついたので、回答フェイズに移ります。

この事件で答えなけければならないのは、以下の通り。基本的には犯人、凶器、動機を当てるのがメインで、あとはボーナス点の対象みたいな問題ですが、メインの設問に答えるためにさんざん調査してたので、ボーナスの方も難なく正解。

この時、まだ見ていないカードの枚数によってもボーナス点は入ります。
といっても、誰と競うというわけでも、二回目、三回目をやるわけでもないので、ボーナス点まで取るのは自己満足ですね。

【感想】


何が起こったのかを情報を集めて当てるゲームではありますが、事件調査ごっこを楽しむ類のタイプです。

明確にずばり答えの書いてあるカードがあるわけではなく、情報間のつながりはプレイヤーが考える必要があります。
そのつながりは、指紋が同じだからという明確なものもあれば、状況から考えればこういうことだろうというものもあります。
ただ、はっきり言えるのは、カードを全て確認すれば、全ての設問にある程度以上の確証をもって回答できるということです。

物理的にカードは一気に読めるわけでもないので、徐々に捜査を進めていくわけですが、プレイヤーはその中で、こういうことか、ああいうことか? きっとこういうことだろうと推論を持っていきます。そして、捜査の中で、その推論の裏付けがとれていく過程、もしくは裏切られて新しい推論が頭の中にうまれていく過程、それが楽しいゲームです。

あと、特筆すべきなのは(システム上当たり前ではあるのですが)、ふんだんに絵が使われているところ!
ディテクティブで動画が使われているものも一部有りはしますが、たぶん、これまでの推理系のゲームで一番絵が使われていると思います。クロニクル・オブ・クライムも現場はVRで見れますし、登場人物、移動先などは全部絵があるんですが、あれは、同じアプリを使うために見る部分と実際に調べる部分を分けておこうなう必要があります。そのせいか、不思議とクライムズームの方が、“気になった現場を調べている”感じを受けます。

(実際は目視ではやらないでしょうが)指紋や監視カメラの映像から本人や関係者の特定を行ったりが、捜査ごっことしても“らしい“ですし、何より楽しいです。

カード間の繋がりがうまく出来ていて、たぶん全部みなくて十分解け流はずですが、遊んでる側すればどこまで調べれば十分かなんかわからないで、結局カード全部見るのかや都合よく情報繋がりすぎでは?となるところはあるかもしれませんが、それでも、かなりお勧めの推理ゲームであることは間違いないです!

若干余談というか、他ゲームとの比較的な話。

今年書いた記事でもあげていますが、事件を調べて情報を集めて、自分で情報間のつながりを見つける、考えるボードゲームとしては、シャーロック・ホームズ 10の怪事件が最高峰のゲームのひとつだと僕は考えています。
ほぼ制限なくロンドンの街を調べることができること、新聞や電話帳などの(現代ではもう使わないとはいえ)何かを調べる時に使う小物がそろってることなど、ゲームとしての自由度が高いだけでなく、"ごっこ遊び“としての出来も良いですし、答えそのものが書いてあるパラグラフを探すという作りではなく、推論を挟む形で自分の頭の中から出すしかないという謎の作り方、解き方も理想に近いです。

ただ、自由度が高すぎて、どこを調べれば良いのか、どこまで調べれば十分なのか、とっつきが無さすぎるのが欠点でした。

その10の怪事件の欠点を解決しようとした1つの形が、ディテクティブであり、クロニクル・オブ・クライムです。調査の自由度を残しながらも、選択肢を絞ることで遊びやすさを増すようにしてるわけです(クロニクル・オブ・クライムはそこまで絞られてないですが)。

クライムズームも10の怪事件を祖にするディテクティブやクロニクル・オブ・クライムの系譜で、基本的な面白さは同じ&選択肢を絞っているゲームです。

10の怪事件やディテクティブでは、そのシステムや時間制限などのためにできなかった「限界まで裏どりする」ことがクライムズームではできます。全体の情報量がそこまで多くなく、システム上全て読むこともできるので、やりきった!から解決に向かうということができます(一応、10の怪事件でも全パラグラフ読んでから解決にあたることはできますが、選択肢量的に現実的ではないです)。

捜査ごっこの楽しさ、裏どりをやり切る楽しさ、そしてもちろん推理する楽しさ。事件はちょっとコンパクトさがあるかもしれませんが、クライムズーム(シリーズ)は、(謎解きではない)推理ゲームの中で、僕にとってかなり理想に近い形式のゲームでした。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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